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ベータ・マックス

Ryan Spain / Tr. Tetsuya Yabuki / TSV Yusuke Yoshikawa

2013年4月24日


(編訳注:文中の機能・ボタン・用語の日本語名称(カッコつきで付記)は仮のものです。)

(5/8編訳注記:「ワイド・ベータ・スポットライト」イベントは延期されました。詳しくはお知らせ記事「「ワイド・ベータ・スポットライト」延期のお知らせ」をご覧ください。)

 電脳世界を渡るプレインズウォーカーの皆さん、朗報です! 本日(訳注:原文掲載時)のダウンタイム終了後、マジック・オンラインではベータ・クライアントの更新版がご利用いただけるようになります。そこで、私は新たな変更点をいくつかお伝えするべく、再び皆さんの前に戻ってきました。(すべての変更点はこちらのフォーラムでご確認いただけます・英語)。

 でもその前に、クリス・キリツ/Chris Kiritzによる「ワイド・ベータ・スポットライト」のお知らせ記事(リンク先は英語)をおさらいしたいと思います! 5月8日(水)のダウンタイム終了後より2日間、ご利用いただけるクライアントはベータ・クライアントのみとなります。初日は通常通りのイベントが行われますが、5月9日(木)午前10時(日本時間翌10日午前2時)より、「ワイド・ベータ・スポットライト」に参加中の皆さんは、ひと足早くドラゴンの迷路・プレリリースをお楽しみいただけます!

 さらにプレリリースへのひと足早い参加に加えて、「ワイド・ベータ・スポットライト」にご参加いただいた皆さんが条件に合えば、ストア画面の左隅にある入力欄へ「WBSpotlight」とコードをご入力いただくことで、フルアート版《ドライアドの闘士》をゲットできます! こちらのコードは「ワイド・ベータ・スポットライト」の期間内のみ有効で、5月10日(金)午前10時(日本時間翌11日午前2時)までとなります。条件を満たしているかどうかご確認いただくため、ページ下部にある詳細をご覧ください。(編訳注:請求先住所がアメリカ合衆国内にあるアカウントのみ有効です。

 皆さんの多くは、今回の「ワイド・ベータ・スポットライト」で初めてベータ・クライアントを使うことになるでしょう。皆さんをお待ちしている様々な機能や改善点を、いくつか見てみましょう!

よりよき戦場

 前回の更新から一番大きく変わったものから始めようと思います。ゲーム中のユーザー・インターフェイス(UI)についてです。以前の記事でもお話ししたように、戦場にあるカードの大きさはプレイ体験を語る上で重要なことです。私たちはカードの大きさをできる限り大きく見せたいと考え、そしてこれは戦場の縦方向のスペースを増やすことで最もわかりやすく成果が得られました。

 ほとんどのモニター上では、横方向のスペースが足りなくなってカードの大きさが縮むより先に、戦場がカードで埋まります。ところが、縦方向のスペース不足はすぐにカードの大きさを奪ってしまいます――縦方向のスペースは、1ターン目から1ピクセル単位で戦場にあるカードの大きさに影響を与えるのです。つまりどういうことか。こちらの動画をご覧ください。

 横方向に戦場を縮めても、カードの大きさはまったく変わっていませんでした(とはいえ戦場が混み合っていれば影響を受けるでしょう)。一方、縦方向に戦場を縮めると、たちまちカードの大きさも縮みました。

 戦場の縦方向のスペースを増やすための第一歩は、手札の部分を下へ縮められるようにすることでした。それはベータ・クライアントならではの選択肢となっています。ところが、左隅には操作を促すメッセージを表示するプロンプト・ボックス、右隅には各種オプションが配置されていることで――両方とも手札の部分と繋がっています――、手札の部分を下げられる範囲は制限されていました。それでも私たちは、手札の部分を動かすことでより多く縦方向のスペースをとりたいと考え、そのためには、手札の部分をプロンプト・ボックスとオプションから切り離すことが必要でした。

 プロンプト・ボックスを戦場の左側面へ、そしてオプションを右側面へ配置することによって、手札の部分はカード名だけが見えるところまで自由に縮めることができるようになりました。以前の記事でも比較写真を載せてきましたが、今回の更新で確保できたスペースをお見せするため、現行クライアントと更新前のベータ・クライアント、そして更新後のものを比較していこうと思います。戦場が大きく見えることを優先する場合や手札が空の場合は、手札の部分の大きさを調節して戦場にあるカードを大きくすることができるのです。

現行クライアント

更新前のベータ・クライアント

新しいベータ・クライアントの戦場

 私たちは来るべき「ワイド・ベータ・スポットライト」に向けた更新で、さらなる一歩を踏み出そうと考えています。縦方向のスペースをさらに多くとるため、フェイズを表示する部分を折りたためるようにして、最終的には「フッター」の部分(時計とコピーライト表示)もゲーム・ウィンドウから取り除くつもりです。それらすべての変更が入れば、同じ解像度でレッド・ゾーンを常に表示した状態でも、戦場のカードは現行クライアントと比べて大きく見えることでしょう。

チャットしよう

 私たちは更新のたびにチャット体験の改善を着実に進めてきました。ひとつ前に行われた更新も例外ではなく、送られてきたときは見落としてしまうかもしれないチャットにプレイヤーが気づき、読み、返信することがやりやすくなるような機能を追加しています。そこでは新たな「トースト」システム(何かが起きたとき画面の右下隅に一時的にメッセージが表示されるシステム)によってメッセージの受信をしばらくの間お伝えしていましたが、そのトーストにもプレイヤーが気づかなかった場合、不安の残るものでした。チャットを見逃してしまったことを知るすべはなく、見逃したチャットを探し出して会話に追いつくすべもなかったのです。それでも私たちは、「全軍突撃の戦闘ダメージを計算している最中に戦場のど真ん中へチャットがポップ・アップする」現行クライアントのやり方に頼りたくありませんでした。そのため、チャットの受信をお知らせするシステムが必要だったのです。

 今回の更新より、目を通していないチャットがあると、メイン・クライアント・ウィンドウ内の上部ナビゲーション・バーにある「Chat」の部分が点滅します。そこをクリックすると見逃したチャットがすべて表示されて、それらをクリックで開くことができるのです。

ロビーを変えよう運動

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 今回の更新では、プレイ・ロビーにもいくつか改善、修正を加えたところがあります。変更の大部分がテキスト検索の挙動を検査し選別し修正するものや、検索または選別する項目を変えた後の結果表示に関するものですが、プレイ・ロビーに追加された機能もいくつかあります。

  • 持ち時間とゲーム数:「Constructed Open Play(オープン・プレイ)」のエリアで、各プレイヤーのマッチ中の持ち時間と1マッチに必要なゲーム数を設定できるようになりました。
  • 「いつもの」:私たちは、皆さんがデッキを選んで「Next Game(次のゲーム)」ボタンをクリックするだけでゲームに入れるようにしたいと考えています。これは形式的には機能していたのですが、一対一のゲームがしたいプレイヤーが多人数戦のところへ入ってしまうことが多々ありました。今回の更新からは、多人数戦を選択するかあるいは統率者戦用のデッキを選択すれば、「Next Game」ボタンをクリックで多人数戦だけに入れます。
  • 参加したゲーム:皆さんが選んだ条件に合う試合やイベントがすべて画面右側に表示されるようになった結果、私たちは最上段に「Games You've Joined(参加中のゲーム)」という項目を追加しました。プレイヤーの皆さんが最も気になる試合やイベントは自分たちが参加しているものだ、と私たちは感じていました。そこで項目を増やし、皆さんが参加しているゲームを他のものと切り離して一番上に配置することで、素早く簡単にアクセスできるようにしたのです。

トレード上々

 マジック・オンラインにおけるトレード・システムの大幅な見直しは、今回の新クライアント・プロジェクトには入っていませんでした。しかし私たちは、新クライアントでのトレード体験を向上させるような機能も含めたいと思っていました。中核を占めるのは現行クライアントの「classified-style(広告欄スタイル)」だとしても、です。トレードが完了するまでのクリック数を減らせる流れを作るための改善に加えて、私たちは広告をずっと探しやすくする検索機能をいくつか導入しました。

 まずは、テキスト検索に追加した高度な検索機能です。現行クライアントでは、テキスト検索で探せるのは入力した文字列と一致する広告となっています。新クライアントでは、検索窓に複数のワードを入力することにより、それらのワードが順番通りに書かれているかどうかに関わらず、それらを含むすべての広告を表示します。複数のワードを含む特定の一文を検索したい場合は、文字列を引用符で囲めば一致するものを探せます。

 たくさんのトレード希望者たちを選り分けて、皆さんが検索にかけたワードを含む広告が並ぶと、次はそのリストを眺めて、皆さんの探しているものを提供してくれるトレード希望者を見つけます。これを容易に見つけやすくするため、今回の更新で入力した検索ワードが強調されるようになります。これは皆さんが検索にかけたワードを宣伝するトレード希望者の声を、ぐっと目立ちやすくしてくれるのです。

 探し求めていたトレード相手が見つかれば、その後のトレードの流れ自体もこれまでより簡単になっていますので、トレード完了までのクリック数は少なくなります。

 マジック・オンラインのコミュニティにトレード・システムを1から作り直すことを強く望む声があることは、私たちも理解しています。トレードの見直しは今回のプロジェクトの範囲外のことでしたが、私たちはベータ・クライアントに搭載されているトレード・システムの改善こそが、現行クライアントのトレード体験を超えるものだと信じています。

プレミアムものの一品

 これまでのベータ・クライアントでのプレミアム・カードの仕様は、フォイル・アニメーション付きはとてもカッコよく見えるようですが、アニメーションなしの場合は正直なところ受け入れにくかったようです。アニメーションなしのプレミアム・カードの仕様には、名前の読みにくさや色の判別のしにくさが残っていました。

 カードの読みやすさを損なうことなく一味違った輝きを見せられるような仕様を、アニメーションなしのものに当てはめるのは一筋縄ではいかないでしょう。それでも私たちは、きっと今より良くできると確信していました。私たちはこの仕様の微調整を繰り返し、最新版では正しい方向へ大きく前進しました。アニメーション付きのカッコよさを残しつつ、アニメーションなしの読みやすさをぐっと向上させたのです。比較画像はこちらです。

 カードの読みやすさを損なうことなく一味違った輝きを見せられるような仕様を、アニメーションなしのものに当てはめるのは一筋縄ではいかないでしょう。それでも私たちは、きっと今より良くできると思っていました。私たちはこの仕様の微調整を繰り返し、最新版では正しい方向へ大きく前進しました。アニメーション付きのカッコよさを残しつつ、アニメーションなしの読みやすさをぐっと向上させたのです。比較画像はこちらです。


変更前(画像左)、変更後(画像右)

待って、それだけではありません!

 私たちは更新をするたびに、必ずしも記事の目玉とはならないような小さな改良をたくさん行っています。中でも大切な機能を、ここでいくつかまとめます。

  • 接続切れのお知らせ:現行クライアントで最も頻繁に挙がる問題のひとつが、接続が切れたときの表示不足です。ベテランプレイヤーの多くが、接続確認を試みようとプレイヤー情報をチェックしてみたり、ときには「念のために」再起動したりもします。この問題はベータ・クライアントにはありません。ベータ・クライアントをご利用中に接続が切れると、「トースト」メッセージが画面右隅に現れ、ログイン画面に切り替わるのです。
  • 折りたたみができるドラフト・テーブル表:ドラフト・テーブルを囲むプレイヤーたちの順番は参考になりますが、そのスペースを使えるようにして、皆さんがピックしたものを表示する場所を広くとることもできれば、さらに便利でしょう。今回の更新より、ドラフト中にドラフト・テーブル表をドラッグで縮めることができ、すべてのスペースをピックに使うこともできます。
  • リミテッド・デッキの自動登録:ときおり、リミテッドのデッキを組んだはいいものの登録に失敗することがあります。この不幸なケースでは、すべてのカードといくらか追加した基本土地で膨れ上がったデッキができてしまうのです。新クライアントでは、メイン・デッキに適切に組まれた40枚のデッキがあれば、構築時間のラスト30秒の時点でデッキ・エディターに触れずデッキを登録していなくても、デッキは自動で登録されます。
  • ドラフト・レコーダー:ドラフト・レコーダーが帰ってきます! 「Account(アカウント)」タブ内の「Game History(ゲーム履歴)」にあるチェック・ボックスにチェックを入れることで、皆さんが参加したすべてのドラフトのテキスト・ファイルを作成することが選べます。ファイルの保存先を変えることもできますよ。
  • 賞品情報:これは見た目以上に複雑なものであることがわかった問題のひとつです。現時点では、ベータ・クライアントのイベント・ウィンドウには賞品情報が載っていません。なぜなら、そのパネルに表示されるイベント情報はすべてサーバー側に存在しているデータを引き出しているものであり、現在、賞品情報はサーバー側に引き出せる状態では入っていないからです。クライアント内に賞品情報を掲載するには、まだいくらか作業が必要となります。その間を埋めるため、各イベント・ウィンドウ内にそのイベントの賞品詳細が書かれたウェブ・ページへのリンクを追加しました。
  • フリー・トライアル・サーバー:マジック・オンライン・ベータ・クライアントについての記事をずっと読んできた皆さんにとっては、これは直接影響のあるものではないかもしれません。しかし移行前に、「フリー・トライアル」の機能を新クライアントで稼働させることが大切だったのです。
  • 起動画面の改善:ベータ・クライアントを起動してからログイン画面が現れるまでの間何が起きているのか、その反応が一切ないことは、少しばかり気になるところでした。私たちの改善リストにスプラッシュ・スクリーンの導入が加えられ、それはひとつ前の更新で実現させました。また、最初のログイン時に色々と読み込んでいる間、クライアントは入力を受け付けないようにしました。すべての準備が整う前にクリックを連打されてしまうと、サーバーのクラッシュや、他にもクライアントの指示によって何かよからぬことが起こるかもしれません。そこで私たちは、クライアントの準備がしっかり整うまでの間「loading(ロード中)」の表示を出すことにしました。

変更は多く、時間は少なく

 いつものことですが、ベータ・クライアントの素晴らしい改善内容について、すべて私がご説明するには時間と空間が少しばかり足りません。皆さんがすべての変更点(リンク先は英語)をチェックして、それから「ワイド・ベータ・スポットライト」へご参加いただき、ドラゴンの迷路・プレリリース(リンク先は英語)を楽しんでいただければ幸いです!(編訳注:今週の『鍛冶友浩のデジタル・マジック通信』もご参照ください。)

 ベータ・クライアントを是非ともお試しいただき、こちらのフィードバック・フォームよりご意見をお聞かせください。皆さんのご意見はこの上なく大切なものです。フィードバック・フォームへご記入いただけましたら、ご意見をフォーラムで共有するか私のTwitterへお寄せください。(いずれも英語にて)

 それでは次の更新まで、「good luck and have fun(幸運を、そして楽しんで)」!

――ライアン・スペイン/Ryan Spain


プロモコード・キャンペーンご利用条件

 キャンペーンはデジタル・プロモーション版《ドライアドの闘士》1枚を獲得するためのライセンスとして有効なものです。有効期限は2013年5月10日、太平洋時間午前10時(日本時間翌11日午前2時)までとなります。このコードは現金及びそれに値するものとの交換は不可となります。このコードは請求先住所がアメリカ合衆国内にあるアカウントのみ有効です。このコードは適切なアカウントのみ有効で、各アカウントにつき1回のみ有効です。このコードの譲渡及び不正な広告、販促、懸賞その他宣伝用の使用は、厳しく禁止されています。(戻る

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