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君は皮の羽根で勝つ

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君は皮の羽根で勝つ

Steve Sadin / Translated by Mayuko Wakatsuki

2011年1月25日


 伝統的に、装備品が抱える最も大きな問題の一つは、それを持たせるクリーチャーがいない時は本当に残念だということだ。

 加えて、装備品が抱える別の大きな問題は、それが使用できるようになる前に2度のマナ消費を必要とすることだ。そして対戦相手が除去呪文を持っていたら――単なるバウンス呪文ですら――彼は容易に君の2~3ターンを台無しにしてしまう(クリーチャー呪文を唱えるためのターン、装備品呪文を唱えるためのターン、装備品を物理的にクリーチャーへと装備させるためのターンを失うだろうということだ)。

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 だが待って欲しい、まだあるんだ! 信じられないかもしれないが、それよりもっと悪い事態は起こりうる。

 君の対戦相手は時々《分散》や《感電破》を唱えて、君がクリーチャーに装備させるべくマナを使ったところで狙い撃ってくる――ターンを丸々使うこともなく、単純に余ったマナを使用して、君の計画を深刻な遅延を生じさせようとしてくるだろう。

 もしゲーム序盤か中盤に、君が3ターンを費やしたカードと、ほんの僅かなターン分のカードを交換したなら、その時間を取り戻すのは本当に困難だろう。つまりこれは、君はゲームのかなり終盤まで、装備品のほとんどを唱えたり使おうとしないことを意味する――そしてその点では、君の装備品は良いものではない。

 《シルヴォクの生命杖》や《調和者隊の盾》といった軽い装備品はとても魅力的だ。なぜならそれらは多くのターンやマナの投資を必要としない――その一方でゲームにおいて重要な影響力を持っている。

 ということで、《シルヴォクの生命杖》はとても良いカードだが、《アージェンタムの鎧》はとりわけ良いカードというわけではない。

 《アージェンタムの鎧》は強力なカードかって? 間違いなく、そうだ。

 ならばこの強力なカード、《アージェンタムの鎧》は何故リミテッドで良いカードとならないのだろう?

 それは......すごく......重.........い............から......だ......

 《最上位のティラナックス》はこれと同じコストで唱えることができ、戦場に出た瞬間から君を大いに助けてくれる。ミラディンの傷跡ブロックで、緑の6/5クリーチャーを他からの助けなしに倒すことのできるカードは数枚だけだ。そして、もし君の対戦相手がその数枚のカードを消費して、(多くの場合)数ターンを費やして君の《最上位のティラナックス》を倒すというなら、それは十分に価値のある交換と言えるだろう。

 だが君の対戦相手が《分散》を持っていて、君が《アージェンタムの鎧》を装備させた後にバウンスさせたなら――君は何らかの効果を得るまでに計24マナを消費することになる。もし君の対戦相手が《粉砕》を持っていて君の《アージェンタムの鎧》に使ったなら、計12マナ以上が――2ターン以上が――水泡に帰す。

 《地層の鎌》は良い装備品だ。何故ならこれはゲームに多大な影響を与えてくれるし、唱えたターンに起動させることができるほど十分に軽い(うまくいけば、対戦相手がタップアウトしてくれている)。ゆえに君は対戦相手が何か対策を持っていようとも、少なくとも一回はよりよい攻撃を行うことができる。このように、もし君が装備品をプレイしようとするなら、それは軽いほうがいい――もしくは、本当に素晴らしい物で、かつ入手可能であるものがいい。君の対戦相手が一対一交換の除去やバウンス呪文を持っていたとしても、君が自動的に負けたりしないような。

こいつ生きてるぞ!

 生体武器は全てを変える。

 生体武器があれば、もはや君は、装備品を引いた時にそれを装備するクリーチャーがいないことを心配しなくていい。

 生体武器をプレイしたなら、君は直ちに場へとインパクトを与える。複数のターンを消費して装備品によって差をつける(たぶん、だが)その代わりに――君はただちに場へと影響を及ぼすことのできるであろうクリーチャーを得る。

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 もし君が0/0の細菌トークンを一旦チャンプブロックに使ったとしても、その時は君の生体武器を、もっと逞しいクリーチャーに装備させ直せばいい。君は十分なライフを維持することができる。

 そして君の対戦相手が実際のカード、クリーチャーや除去呪文と君の0/0細菌トークンを交換してくれるなら――それは君にとって実に大いなる勝利だ。

 《骨溜め》(既にプレビューされている)は私が見てきた中でも初手にピックするべきカードだし、《皮剥ぎの鞘》(ビジュアル・スポイラー参照)は世界中の装備品デッキと金属術デッキで重要な役割を果たしてくれると信じている。

 新しい生体武器をお届けしよう。準備はいいかい?

 それではここをクリック!

奴らを吹き飛ばす必要はない――ただ勝つだけだ

 《アージェンタムの鎧》が、同様の手詰まりになった対戦で君を勝たせてくれるように、《皮羽根》はよりドラマティックなやり方で君の勝利を手助けしてくれる(対戦相手が対抗策を持っていないければ)。それに、《アージェンタムの鎧》は多くのゲームで君の手札に腐るかもしれないが、《皮羽根》は場に出て君を勝利目前まで導いてくれる。

 ところで、《アージェンタムの鎧》は恐ろしいカードだ。一度装備されてしまえばそれを打ち負かすにはあまりに頑丈となるから。もし君が場に《アージェンタムの鎧》を出していたなら、対戦相手は数ターンのうちにクリーチャーを絶滅させられてしまう一方、君は攻撃するたびに《名誉回復》を放つ(最低でも)8/8くらいのクリーチャーを手にしているはずだ。

 X=10以上の《瀉血》はほとんどのゲームを終わらせるのに十分だが、一方で《瀉血》はしばしばサイドボードで腐ってしまう。

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 《瀉血》は、《アージェンタムの鎧》同様に、フィニッシャーだ。そうはいっても、実際には《瀉血》は《アージェンタムの鎧》よりもずっと多くの用途がある――ゲームの中盤から使用することができて、対戦相手のライフをいくらか頂いて君の時間を稼ぐのを助けてくれる。その後、もし対戦相手が《粉砕》や《分散》、《圧壊》を引こうと問題はない――《瀉血》を止められるのは打ち消し呪文だけだから。

 もし私がフィニッシャーを探していたなら、《アージェンタムの鎧》よりも《瀉血》を選ぶだろう。

 ああ、私はそれでも時々《アージェンタムの鎧》をプレイするだろう、それも特に展開の遅い場で――だが喜んで飛び上がってプレイする類のカードではない。

 一方、《皮羽根》は卓に多くのものを運んできてくれる。とても良いフィニッシャーだし、役立つカードのはず使用できないときにあるような、腐った魚のような悪臭を放ちながら君の手札に居座ったりしない。

「あぁぁぁぁ、向こうの5/3飛行持ち《調和者隊の聖騎士》をどうにかする方法ないかな......!」

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 ......これと、

「あぁぁぁぁ、向こうの9/7名誉回復付き《調和者隊の聖騎士》をどうにかする方法ないかな......!」

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 ......というのは、誰も良い回答を持っていない類の問題だ。

 つまり、アクティブな《皮羽根》は、ほとんどの行き詰まったゲームにおいて勝利をもたらすに十分なカードだということだ。そして君は対戦相手を思い切り吹き飛ばす必要はない――ただ勝つだけだ。君は何故《皮羽根》のようなカードが、とてつもなくマナのかかる《アージェンタムの鎧》よりもずっと好まれるのかがわかるだろう。

いかにしてそこに辿りつくか

 《アージェンタムの鎧》や《瀉血》のような普通のフィニッシャーは、後から君を何も助けてはくれない。

 《猛火》や《火の玉》といった、ゲーム終盤で非常に有用で、かつ君が対戦相手のクリーチャーを一体倒すために使うのにもとても役に立つカードですら、もし早くに使用してしまっていたら、後からは何もしてくれない。

 前述のフィニッシャーとは違って、《皮羽根》はゲーム中盤では2/2フライヤーを提供し、そして強固なフィニッシャーとして共に君を助けてくれる。

ハッピープレリリース!

 君達が今週末のミラディン包囲戦プレリリースに参加してくれるのを願ってやまないよ!

 私は今週の土曜、ヴァージニア州リッチモンドのStarCityGames.comプレリリースで全ての挑戦者を迎え撃つ予定だ。

 もし君がリッチモンド近くにいるならば、立ち寄って挨拶と、対戦をしよう!

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