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鍛冶友浩の「デジタル・マジック通信」
第4回:世界選手権への道は・・・いくつある?
読み物
鍛冶友浩の「デジタル・マジック通信」
2011.09.20
第4回:世界選手権への道は・・・いくつある?
こんにちは、鍛冶です。
昨日付けでイニストラードの全カードリストが発表され、週末には祝日からの大型セットのプレスリリース。
僕は一年で一番9月が好きかもしれません(笑)。
新セットはこれから公開されていく記事に期待するとして、今週の『デジ通』はひと足お先に世界選手権について触れてみたいと思います。
このサイトを観に来てくれているみなさんはカバレッジも読んでもらえていると思うのですが、マジックのプレミアイベントと言えばグランプリ、プロツアー、各国の国別選手権と世界選手権です。
これらは成績(正確には順位ですが。)に応じて配られる、プロポイントと呼ばれる新旧レーティングとはまた違った点数を集めるためにプロプレイヤー達は世界をまたにかけて戦っているのです。
そしてその一年間の締めくくりのイベントである世界選手権は、普段よりも2週間ほど早い11/17から行われることになっています。
では、ここではそのプロポイントによる恩恵や、プロプレイヤーズクラブについては触れず、あくまで世界選手権への道だけに焦点を当てて、その切符はどうやったら手に入れられるのでしょうかを見てみましょう。
1.日本選手権で勝つ!
名前の通り、日本代表を決める大会というだけあってさすがにこれで世界選手権への参加権利がもらえないなんてことはありません。
この国別選手権ですが、各国の上位4名が世界選手権への切符を手にし、本戦の個人種目とは別に、特別なチーム戦へも参加することができます。
余談ですが、この国別対抗戦自体にも賞金があり、参加するだけで旅費相当分は期待できるほどです。
つまり、文字通りに飛行機のチケットも手にできる仕組みなので、どこか遠い国で開催されても安心です。
2.プロポイントを集める!
最近はプロプレイヤーズクラブのレベルシステムになった影響もあり、あまり聞かなくなったグレービー・トレインという言葉。
しかし仕組みとしては存続しており、年間でプロポイントを20点以上稼ぐことでレベル4特典としてプロツアー、世界選手権参加権利と参加報酬がもらえます。
一応、15点でも年に1つだけのイベントの権利をもらうこともできるのですが、一般的に最後の世界選手権までとっておくプレイヤーは少ないようですね。
3.世界選手権Top8、またはPoY、そしてHoF!
正直、この枠に入ること自体が世界選手権へ参加権利よりも物凄く難しいと思うのですが、一応存在します。
ご存知の通り、今年のHall of Fameには中村修平が圧倒的な投票率で選出されました。
あのJon Finkelや、Gary Wiseたちも彼に投票したそうなのですが、彼らにも「こんな圧倒的な成績なのに投票しないという選択肢は無い」と言わしめたそうです。
中村さん、世界で"も"大人気ですねー。
では、ここからが本題です。何故今回、「世界選手権への道は・・・いくつある?」というタイトルになったのか、です。
実はまだ今年の参加者が全て確定したわけではなく、"今週の"結果に懸かっているプレイヤーが世界にはまだいるのです!
4.旧DCIレーティングによる日本トータル部門Top25
その、残された2つの道のうちの一つであるレーティングは、9/21夜に更新されたものが採用されることになっています。
今のところボーダーは1993と、およそ2000あれば安心できるライン。
具体的にこの2000という点数というのは、1800持った状態でグランプリで11-4してTop32に入ることで達成できる数字です。
かといって、通常のトーナメントではK値(レーティングの変動係数、高レベルイベントほど大きい)が16ということもあり、何度も連続で全勝優勝しなければこの大台に乗ることはまず不可能でしょう。
理由は簡単で、1敗が大きく響いてしまう仕組みで、レーティングが上がり切る前にトーナメントが終了してしまうのです。再度1回戦から始めても、対戦相手も同じくらい保有しているかはわかりません。
前回紹介したプレインズウォーカーポイント(PWP)が導入されるきっかけにもなったレーティング保持問題は、こうしたK値の高い1イベントでの成績を守るプレイヤーが出てきてしまうということを解決したかったのですね。
ちなみに過去にあった有名な話として、グランプリ・京都03で準優勝した田中久也氏の面白い話があります。
自分の初めてのグランプリだったこともあってとても印象に残っているのですが、この田中氏は直前のプロツアーで好成績を残したために、「準優勝してもレーティングが下がった」というのです!
大幅にレーティングの上がった直後ということもありますが、対戦履歴を見てみたところ、マッチに勝っても1点も動かなかった試合もあったそうです。より正確には、小数点以下の変動ということになるのでしょうが、それにしてもK値の高いグランプリで、です。
そういう意味でも、現在日本一位の渡辺雄也のもつ「2200超え」というのがどれだけ凄まじいものなのかわかっていただけるでしょう。
5.Magic Online Championship Series (略してMOCS)
昨年はArcher.こと浅原晃が、一昨年はyaya3こと八十岡翔太が、世界選手権でMagicOnlineを舞台に戦ったのをご記憶でしょうか?
MOでは、たいていの8人以上のイベントで、賞品とは別にQPと呼ばれるポイントが付与され、15点以上でMOCS「予選」への参加権利を得られることになっています。
そのMOCS予選で優勝したプレイヤーが、世界選手権会場で行われるMOCSへの参加権利を獲得できるのです。
1度予選が終わると、QPはリセットされ、次の予選へのシーズンが始まります。その繰り返しが、1年で約10シーズンほど行われています。
この時にまだ世界選手権の権利を持たないプレイヤーには、同時にその参加も許される仕組みで、その最後の1席をかけた予選シーズン10が週末に行われることになっているのです。
これが終われば残るはPotY(プレイヤーオブジイヤー)とLCQ(最終予選)という特別枠のみ。
今年は日本人が残ったという話は聞いていないのですが、実際はどうなのでしょうか? 2年連続で優勝を逃しているだけに、今年こそはという思いはあるでしょうね。
というわけで、最後の世界選手権への招待状は誰の手に届くのか?という観点でお送りしました。
最新の招待リストはここにあるので、興味が有る方はみてみてはいかがでしょうか。
それではまた来週!
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