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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
『カルロフ邸殺人事件』環境の事前調査:セレズニア毒性編(スタンダード)
ラヴニカ次元には10のギルドが存在する。白緑の組み合わせであるセレズニア議事会は、自然に根差した団体であり、ラヴニカの殺風景な街並みに自然の彩りを添えながら、共同体を拡大する活動を行っている。重要なのは議事会に加入し、偉大なるギルド創始者であるマット・セレズニアの魂の導きに従うことだとし、その創始者の声を聴き他に伝える役目は自然と融和するドライアドたちが担っている。
このドライアドの中でもシィム・セス・オーバの三姉妹はマット・セレズニアとの接触がきっかけとなり、三位一体のドライアドとなりトロスターニと名乗るようになった。3人それぞれが「秩序」「生命」「調和」を担っている。それぞれの人格が協調することでセレズニア議事会の教えをラヴニカ全土へと拡げるべく活動していたが、他のギルドと協力関係を築く必要が生じた際にはそれぞれの思惑が反発し、不和が生じたことも。最終的には姉妹同士の説得でセレズニアは他のギルドと協力関係を築き、問題の解決に至った。新ファイレクシアの侵略戦争の際にも、トロスターニは次元を護るために大きな活躍していたようだ。
さて『カルロフ邸殺人事件』ではこのトロスターニが三度目のカード化。トークンに関するカードという印象が強くなっていた旧2枚とは大きく印象が異なるデザインに。3マナでありながらマナシンボルが濃いため、4/4というハイスペックなボディを与えられている。
これだけでも戦闘要員として十分に強いが、白と緑それぞれに得意とするキーワード能力を付与する3つの能力を持っている。三姉妹らしさが表現されているね。接死・警戒・二段攻撃……いずれもクリーチャーが持つことで戦闘が有利になるもので、チャンスがあれば積極的にこれらの能力を起動して、トロスターニやその他のクリーチャーを強化して攻撃していきたいところだ。特に白と緑両方の特技である警戒は、混成マナ1つという条件の緩いコストであるため、これでしっかりと《放浪皇》などタップ状態を狙い撃つ除去へと耐性を持たせつつ、攻撃とブロックの両方をこなしていきたいところだ。
この新たなトロスターニを次期スタンダードで使うのであれば ……自ずとクリーチャーが多いアグレッシブなデッキを組むことになるだろう。たとえば……
4《低木林地》 4《剃刀境の茂み》 3《魂の洞窟》 1《美麗聖堂》 1《狩猟迷宮》 4《平地》 5《森》 -土地(22)- 4《敬慕される腐敗僧》 4《離反ダニ、スクレルヴ》 4《顎骨の決闘者》 4《殺戮の歌い手》 4《別館の歩哨》 4《ふくれた汚染者》 -クリーチャー(24)- |
4《伝染する一噛み》 3《タイヴァーの抵抗》 3《王のもてなし》 2《救いの手》 2《スクレルヴの巣》 -呪文(14)- |
セレズニアカラーの毒性アグロ!新ファイレクシアの毒性能力を持ったクリーチャーを中心とし、それらの攻撃を通して対戦相手のライフを減らしつつ毒カウンターを与える。ライフを回復しても毒は残るので、これを10個与えて敗北させたり、相手が毒を多く持っていると得するカードの恩恵を受けたりする攻めのデッキだ。このデッキであればトロスターニのキーワード能力付与は大いに働きを見せてくれるだろう。
《ふくれた汚染者》に接死と二段攻撃を付けると、どれだけのクリーチャーにブロックされようとも、最初の戦闘ダメージ割り振りで1点のダメージを与えれば、問答無用で破壊となる。その上で余剰のダメージはトランプルで対戦相手にヒットし、2回目の戦闘ダメージでさらに4点ぶちこむ結果に。二段攻撃で毒も2回与えられて、このコンボが決まればもう勝利は目前か?《殺戮の歌い手》なども絡めて一気にライフをもぎ取る動きを狙ってみよう!
警戒能力を与える動きはきわどいダメージレースを行っている際には特に頼もしい。さらにこの毒性デッキであれば《離反ダニ、スクレルヴ》で攻撃しつつ、このダニの能力を起動するという独特のムーブも披露可能になる。錚々狙う場面はないかもしれないが、1点のダメージ・1個の毒が戦況を分けるような状況下であればこの動きができることを思い出してみてほしい。スクレルヴの能力は対象のクリーチャーに色に対する除去耐性及び回避能力を与えるとともに、実は毒性も与える。なので、トロスターニがデッキ内で浮いた存在にならずに毒を与えにいくことも可能にしてくれるのだ。
トロスターニの与える能力の中でも、接死は小粒がちな毒性デッキにとって大きな武器になる。どうしても軽いクリーチャーを中心とした編成になるので、パワー1や2の攻撃をなんとか通すためのギミックがあるのとないのじゃ大違い。接死を持っているクリーチャーはブロックなどしたくはないが、毒が乗るのも後々ややこしい……このように悩ませることができたらそれだけで戦闘が有利に進められるというもの。《スクレルヴの巣》から出てくるダニたちはブロックに参加できないため、対戦相手が少しでもクリーチャーを並べると何もしない存在になりがちなのだが、接死を与えるトロスターニが睨みを利かせていれば、何の躊躇もなくガンガン攻撃させて勝利に貢献させることができるだろう。また、このリストでは対戦相手に毒を与えられ、自身の《敬慕される腐敗僧》を誘発させる関係から《伝染する一噛み》がメイン除去として搭載されている。このソーサリーもクリーチャーがクリーチャーへとダメージを与えるため、接死を与えればサイズ差に関係なく問答無用で破壊!地味ながら確実に働く接死を使いこなすことが、トロスターニの真価を引き出すかもしれない!
毒性デッキと言えば腐敗僧とも相性が良い、自身のクリーチャーを護る手段も忘れちゃいけない。呪禁や破壊不能を与えたりして対戦相手からの除去や戦闘における死亡を防ぎ、貴重な毒性クリーチャーを戦場に維持するのが「セレズニア毒性」の基本戦術。《王のもてなし》などは、戦場に出せば即座に《喉首狙い》を撃ち込まれかねないトロスターニを護るのにも有効活用したいところ。
そしてこのリストでは《救いの手》が入っているのも面白い。毒性デッキのクリーチャーはもっぱら3マナ以下のため、何でも釣り上げられるリアニメイト呪文で戦線を維持する手段を分散させている。このソーサリーでトロスターニを回収可能というのも、万が一の保険としては頼もしいのではないだろうか。
トロスターニ以外で毒性デッキに盛り込んでみたい新カードとなると、《大ドルイドの魔除け》がどうしても気になるところ。トリプルシンボル、色高速は厳しいがモード呪文としては他に類のない万能さを誇っている。特にクリーチャーか土地をサーチする動きは強力で、土地を選んだ場合はインスタントのタイミングでマナ加速が出来てしまう。毒性デッキであれば《ミレックス》や《種子中枢》のような毒での勝利を進めるための土地を持ってくれば、単なるマナ加速に留まらない働きを見せてくれるに違いない。自身のクリーチャーを対象に取る除去のモードは言うまでもなく《敬慕される腐敗僧》と噛み合っており、毒を乗せつつ除去して攻撃して勝つ選択肢を増やす。これをメインデッキから入れておくと、特殊なエンチャントやアーティファクトによる勝利を狙うデッキに耐性が付くのも嬉しい。2色デッキに4枚を盛り込むのは難しいか……あるいは2色土地たっぷりのスタンダードの醍醐味を味わうぜと攻めた構築に挑戦するか、そこらへんはお好みで。
4《低木林地》 4《剃刀境の茂み》 3《草茂る農地》 1《不穏な大草原》 1《草萌ゆる玄関》 1《種子中枢》 1《ミレックス》 3《平地》 4《森》 -土地(22)- 4《敬慕される腐敗僧》 4《離反ダニ、スクレルヴ》 3《顎骨の決闘者》 4《殺戮の歌い手》 3《別館の歩哨》 4《ふくれた汚染者》 2《囁きの三姉妹、トロスターニ》 -クリーチャー(24)- |
3《伝染する一噛み》 2《大ドルイドの魔除け》 2《タイヴァーの抵抗》 2《王のもてなし》 2《救いの手》 3《スクレルヴの巣》 -呪文(14)- |
とりあえずは以上のような形でまとめてみた。あくまでサンプルリストとして、皆も各々のセレズニアカラーのデッキにチャレンジしてみてほしいね。毒性だけでなく、エンチャントやトークンなど、このカラーリングのアーキタイプは多種多様。《囁きの三姉妹、トロスターニ》やその他新カードを盛り込んで、君も共同体の一員になろう!
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