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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!黒単とハンデスの邪神(スタンダード)

岩SHOW

洞窟探検の時間だァァァァ

 『イクサラン:失われた洞窟』の新カード、かなり刺激的じゃないか?『エルドレインの森』がどちらかというと基本セット的な、色んなデッキを強化する優等生なデザインだったのに対して、新たなイクサランがもたらすのは……発見や洞窟といった新要素だけでなく、フラッシュバックや反復といった再録能力も色々とみられて……個性とクセの強い面々という印象だ。デッキを組むのは簡単ではないかもしれないが、個性を引き出してやれば歴史に名を遺す大物になりそうな……キャラが濃いカードの数々、スタンダードがどれだけ変化するのか楽しみだ。

 というわけで今週もやってきました、熱く熱く、スタンダードの情報を超熱くお伝えして皆にスタンダー道を極めてもらう「とことん!スタンダー道!」のお時間だ。それじゃあ早速行ってみよう!

とことん!単色道!

 前々回前回に続いて今回もスタンダードにおける単色のデッキを紹介しよう。2色以上を加えられる土地はその多くがレア以上。そのため完成度の高いデッキを組むためには、土地集めから始めねばならずレアを多く要求されることに……だったら単色、ほとんど基本土地で構成されたデッキであれば組むハードルも下がるのでは、ということで1人でも多くのプレイヤーにスタンダードをやってほしくてはじめたシリーズだ。青単・緑単ときて今週は……白単?赤単?うーん、それらも良いけど、結構使用者数も多いから他の機会でも紹介することが多いんだよな。

 というわけで単色道シリーズ、今週は黒単!

Tiferino - 「黒単ハンデス」
Tournament @ Rapsolo's Community トップ8 / スタンダード (2023年10月24日)[MO] [ARENA]
23 《
-土地(23)-

2 《しつこい負け犬
1 《甦りし悪夢、ブレイズ
4 《黙示録、シェオルドレッド
2 《呪文嘲りの集会
1 《シェオルドレッド
-クリーチャー(10)-
3 《喉首狙い
4 《シェオルドレッドの勅令
4 《がぶりんご飴
4 《強迫
4 《戦慄の遁走
4 《望み無き悪夢
3 《ランクルのいたずら
1 《ヴェールのリリアナ
-呪文(27)-
4 《非情なソムノファージ
2 《切り崩し
1 《喉首狙い
1 《ギックスの命令
1 《ヨーグモスの法務官、ギックス
2 《墓地の侵入者
2 《ネファリアのグール呼び、ジャダー
2 《復讐に燃えた絞殺者
-サイドボード(15)-
MTGTop8 より引用)

 

 黒単色、その中でも土地が23枚の《》のみというこのコーナーで紹介するしかないというリストを見つけたのでご紹介。このリストはコントロール、それも黒の伝統的な構成だ。《喉首狙い》《シェオルドレッドの勅令》と黒のお家芸であるクリーチャーやプレインズウォーカーへの除去。それにより盤面を掃除し続けて攻めさせず、ライフを護る。

 そして……手札破壊、通称「ハンデス」。これにより対戦相手の攻め手・妨害・アドバンテージ獲得要素やコンボパーツ……そういったものを唱えられる前に未然に防ぐ。《ヴェールのリリアナ》のように自然と積まれるカードでこのハンデスを狙うデッキもあるが、これはそんな生ぬるいもんじゃない。徹底的に手札を削ぎ落し、対戦相手の握るカードを壊滅させる!

 ハンデスのラインナップ、基本中の基本とも言える《強迫》にはじまり……見る機会の少ない《戦慄の遁走》!良いチョイスだ。2マナ以下という限られたマナ域ではあるが相手の手札からクリーチャーでもそれ以外でも捨てさせることで、序盤から動いてくるデッキを減速させる。そしてターンが進んで2マナ以下がゲームにあまり絡まないタイミングになれば、切除コストを支払って何でも捨てさせられるハンデスへと変身だ。

 さらに捨てさせる内容は指定できないが、相手の手札を減らす《呪文嘲りの集会》や《望み無き悪夢》でネチネチ×2としつこさ全開で手札をもぎ取っていく。悪夢はエンチャントとして戦場に残ったら、それを《がぶりんご飴》の協約コストに充てて優秀な除去へと昇華しつつ、占術でドローの質も高められる。

 《ランクルのいたずら》はこのハンデス・コントロールの顔とも言える1枚。クリーチャーが少ないので、2体生け贄を選んでもこちらが受ける被害は0に抑えられる。その上で対戦相手の手札を2枚捨てさせ、全てを根こそぎ奪うべし!自身も手札2枚を捨てねばならないことを忘れずに。そこは《しつこい負け犬》を捨てるなど上手く調整して、対戦相手の被害の方が大きいという状況を作っていきたい。とにかくしつこく、執念深く!対戦相手を勝たせないこと、それを追求していくのが黒単のハンデス・コントロールだ。

イクサラン来る!新環境への構築展望

 さて、今週はこのハンデスを主戦術としたデッキを、次期環境仕様にアップデートすることに挑戦してみよう。『イクサラン:失われた洞窟』ではハンデスの親玉が登場する!

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 《最深の裏切り、アクロゾズ》~ッ!名前とその伝承は『イクサラン』の頃から判明していた、凶悪なる蝙蝠の神が遂にカード化される。邪神感溢れるビジュアル、たまらんね。

 4/4飛行・絆魂とコントロールが求めるフィニッシャーの要素はこの時点で持ち合わせている。ハンデスでコントロールして、安全な盤面になったらこのアクロゾズを降臨させて攻撃していく。これが攻撃したら対戦相手は手札を1枚捨てねばならない。とことんハンデス道!そしてこのハンデスにより対戦相手が手札を捨てることができない、つまり手札が空っぽだったなら、カードが1枚引ける。ハンデスは既に相手が手札を持たなければ無駄になってしまうという弱点を持つが、そこはさすがハンデスの神。一切の無駄がない。また対戦相手が呪文を温存しようと土地を捨てた場合、このアクロゾズはそれも許さずコウモリ・トークンを生成する。このトークン生成はアクロゾズ以外の方法でハンデスした際にも誘発するので、邪神を飛来させたターンに《ヴェールのリリアナ》を起動するなどして即狙っていきたいものだね。

 アクロゾズは死亡すると《死者の神殿》へと変身する。土地として戦場に残りつつ、プレイヤーの手札が1枚以下なら再変身してクリーチャーとして蘇る。不滅の神であることが再現されたカードデザインは美しく、そして強力だ。

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 新たなハンデスとしては《戦慄の容貌》が公開された。相手の手札を見て捨てさせるカードだが、指定できるカードには範囲がある。アーティファクトかクリーチャー、特に黒では戦場に出ると対処のしようがないアーティファクトを落とせるのは大きい。そしてハンデスでありながら、これ自身が戦場に残る。クリーチャー2体で作成、つまり墓地や戦場の同タイプを追放することでこれは《戦慄のオセオザウルス》へと変身する。いざとなればフィニッシャーになるハンデス、同じ2マナのハンデスであれば《窃取》と比べてどうか……考慮に値するものだとは思うね、何より面白いしカッコいい!

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 容貌の作成にはクリーチャーが必要、ということで《ウイルスの甲虫》などのハンデスクリーチャーも併せて使いたい。であれば《大洞窟のコウモリ》はどうか?死亡すると追放したカードが戻ってしまうが、そこを即座にハンデスできるようなデッキであれば問題なく運用できるかな?何より序盤の時間稼ぎと割り切って、こいつに除去を使ってくれて《黙示録、シェオルドレッド》等の弾除けになれば十分と考えると良いかな。飛行に絆魂と、最低限の戦力としてライフを保つ役目を果たしてくれるのはコントロールとして頼りがいがありそうだ。

岩SHOW - 「黒単ハンデス(仮)」
スタンダード (2023年11月2日)[MO] [ARENA]
24 《
-土地(24)-

3 《ウイルスの甲虫
2 《しつこい負け犬
4 《黙示録、シェオルドレッド
3 《最深の裏切り、アクロゾズ
-クリーチャー(12)-
3 《喉首狙い
4 《シェオルドレッドの勅令
2 《がぶりんご飴
2 《強迫
2 《戦慄の遁走
2 《望み無き悪夢
2 《戦慄の容貌
2 《ランクルのいたずら
2 《エルドレインへの侵攻
3 《ヴェールのリリアナ
-呪文(24)-

-サイドボード(0)-

 というわけで気になる新カードを盛り込んだ黒単ハンデスのサンプルリストだ。未だ現段階(原稿作成時)で公開されていないカードもあるので、カバーしきれていないものもあるだろうからあくまでリリース前の一つのアイディアってことで、許してね!アクロゾズ、カッコいいからもう心はこの神に鷲掴みされてるよ……ハンデス、ハンデス、そしてハンデス!相手の手札を削ぎ落し、トップデッキに対してはお祈り。これもまたオツなものなのだよ。

 さあ、新環境はもうすぐ!もうすぐやってくる!9月に続いてスタンダードにもたらされる変化。今回のセットは全く新しいデッキを生み出しそうな予感に満ちているので、皆もスタンダー道を歩もうぜ。それじゃあ、お疲れさん!……ん?残って練習するって?しゃあないなぁ、スタンならもちろん付き合うよ!

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