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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

デッキソムリエ推薦、共同魂の刃コンボ(スタンダード)

岩SHOW

 いらっしゃいませ、こんばんは。デッキソムリエでこざいます。今宵も皆さまに今こそプレイしていただきたいデッキをご紹介させていただきます。今回のオーダーは「スタンダードにおける独創的でかつ強いリスト」とのことで、私もデッキの選びがいがあるご注文でした。アメリカ、サンディエゴで開催された1,000名近いエントリーの大規模トーナメントで、14回戦を戦い抜いてトップに立ったリストは、実績を残しつつ個性豊かな逸品です。では、こちらをご覧ください。

cftsoc - 「共同魂の刃コンボ」
U.S. Regional Championship 11-1-2 / スタンダード (2023年4月9日)[MO] [ARENA]
4 《ザンダーの居室
4 《ラフィーンの塔
1 《闇滑りの岸
3 《黒割れの崖
3 《さびれた浜
2 《日没の道
2 《コイロスの洞窟
3 《戦場の鍛冶場
1 《シヴの浅瀬
1 《閑静な中庭
1 《
1 《
-土地(26)-

1 《隠し幕
3 《税血の収穫者
4 《死体鑑定士
2 《第三の道のロラン
2 《燃え立つ空、軋賜
2 《アーボーグのラタドラビック
4 《夜明けの空、猗旺
-クリーチャー(18)-
1 《切り崩し
3 《喉首狙い
2 《邪悪を打ち砕く
2 《かき消し
4 《鏡割りの寓話
1 《勢団の銀行破り
3 《共同魂の刃
-呪文(16)-
3 《強迫
1 《否認
2 《切り崩し
2 《夜の棍棒使い
1 《ギックスの命令
1 《第三の道のロラン
1 《邪悪を打ち砕く
2 《刃砦の戦鞭
2 《勢団の銀行破り
-サイドボード(15)-
Melee より引用)

 

 こちらの緑以外の4色デッキ。一見すると分かりづらい部分があるかもしれませんが、これはコンボデッキに御座います。もったいぶらずにこのデッキの中核を担うコンボから解説させていただきましょう。それでは……

  1. ①《アーボーグのラタドラビック》と《燃え立つ空、軋賜》を戦場へ
  2. ②《共同魂の刃》を戦場に出す、刃の「ミラディンのために!」が誘発
  3. ③「ミラディンのために!」で生成されたレベルが刃を装備し、それにより能力が誘発。対象は軋賜
  4. ④レベルが軋賜のコピーとなり、それにより伝説の同名パーマネントを2つコントロールしている状態に。ルールにより片方を選んで戦場に残すので、トークンの方を墓地に送る
  5. ⑤軋賜のコピーがこれにより死亡したこととなり、これの能力も誘発。宝物を3つ生成するモードを選択
  6. ⑥また同時に伝説のクリーチャーの死亡によりラタドラビックの能力も誘発。伝説でない軋賜のコピーが生成される
  7. ⑦宝物を2つ起動して 2マナ加え、この軋賜のコピーに刃を装備させる。刃の能力が誘発するので、これで本家の軋賜を対象に
  8. ⑧これにより伝説でない軋賜のコピーは、伝説である軋賜のコピーとなる。あとは④~⑦を繰り返す。ループ1回につき宝物が1つ増えるので無限マナとなる
  9. ⑨無限マナ獲得後、宝物ではなくライブラリーを2枚追放するモードを選択してループすることで、望む数だけのライブラリーを追放してカードをプレイすることが可能となる

 少しばかりプロセスは長いものになりますが、カード3枚でデッキ内のカードを望むだけプレイしてそのまま勝ってしまおうという貪欲なコンボに仕上がっております。無限からのフィニッシュは……

 ループ役のドラゴンを《夜明けの空、猗旺》に置き換えて、クリーチャーに望む数だけの+1/+1カウンターを乗せて。召喚酔いでないクリーチャーがいればその攻撃で勝つという手法がとられております。猗旺は無限を抜きにしても《共同魂の刃》や《アーボーグのラタドラビック》と相性が良く、カード単体で見ても十二分にパワフルですので、使わない手はない1枚と言えましょう。

 コンボ以外のデッキを構成するものは、コンボパーツの4色からそれぞれ選りすぐりの良質なカードを集めて……コンボデッキでありながら、所謂“グッドスタッフ”と呼ばれるタイプの中速デッキというのがこのデッキの本質で、そのためこちらより速いターンに勝とうとするデッキ相手にはコントロールとして除去の雨を降らせ、こちらよりも腰を据えてじっくり戦おうとするデッキ相手には良質なクリーチャーで攻撃を仕掛けていく、と器用に戦えます。

 このようなデッキを成立しているのも、ひとえに《税血の収穫者》のおかげですね。マナ・コストで見たパワーの値が優れており、攻撃してもブロックしても2マナクリーチャーの平均値を越えた働きを見せてくれ、かつ生け贄に捧げてクリーチャーをより直接的に除去して良し、残った血・トークンで不要なカードを捨ててドローして良し、と隙がありません。新環境でも黒赤を含むデッキには必ずと言っていいほど彼のための席が用意されていることでしょう。旬の時期が続く限り、この吸血鬼がもたらす芳醇な香りをお楽しみください。

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 『機械兵団の進軍』リリース後、新環境のスタンダードでこのデッキを使うのであれば、私個人は《クロクサとクノロス》を採用することを計画しております。6/6とコクのある強大なボディに3つのキーワード能力、戦闘においてはこの上なく頼もしい存在であり、そして戦場に出た際と攻撃した際に誘発する能力も素晴らしい。これで墓地から伝説のドラゴンらを使いまわすことが出来れば、何とも言えぬ恍惚な瞬間を味わえることでしょう……独特なマナ・コストも濃厚。ショーケース版はこれら冥界の住人が星座で表現されており、最高にクールです。この新顔を見逃す手はないでしょう、存分に味わい尽くしてください。

 それでは今回当店がオススメするメニューはここまでになります。またのご来店をお待ちしております。今後も皆様に味わい深く忘れられないデッキとの出会いがあることを願って。

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