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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ゴルガリ・デスタッチ(パイオニア&エクスプローラー)

岩SHOW

 ついに『エクスプローラー・アンソロジー1』がリリースされた!

 パイオニアの定番カード、クセの強い一風変わったカードなどが封入されているので、各々好みのカードで拡張されたエクスプローラー環境で新デッキを組んでみてほしい。

 まあ、もっともわかりやすいカードは《エルフの神秘家》だろう。

 何せ、まったく同じスペックの《ラノワールのエルフ》がすでに存在しているので、これの枚数が増えるだけという認識でなんら問題なしだ。1ターン目にこれらのマナ加速エルフを出して2ターン目に《鉄葉のチャンピオン》などの強力な3マナクリーチャーを展開、圧倒的なパンチ力で制圧する「緑単アグロ」はエクスプローラーでの地位を向上させた。

 実際に使ってみると、実に気持ちよく勝てる良いデッキだと再確認。3ターン目に《探索する獣》を走らせるのも最強だよなぁ~。

 警戒が付いているので《放浪皇》も気にしない、超ハイスペックな怪物の中の怪物! 何気なく付いている「接死/deathtouch」も、サイズ負けや複数ブロックなどが見える状況でも強引な攻撃を可能にしてくれるのでありがたい。

 「接死」は本当に強い能力だよ。《アーク弓のレインジャー、ビビアン》のような、クリーチャーがパワー分ダメージを与えるようなカードと組み合わせると確定除去になるからね。

 そんな「接死」にフォーカスしたエクスプローラーのデッキがこちら。

Thomas Fricke - 「ゴルガリ・デスタッチ」
Community Turnier Juli / エクスプローラー (2022年7月29日)[MO] [ARENA]
7 《
6 《
3 《草むした墓
4 《疾病の神殿
2 《屍花の交錯
2 《闇孔の小道

-土地(24)-

2 《穢れ沼の騎士
2 《凶月の吸血鬼
4 《怪物の災厄、チェビル
4 《牙持ち、フィン
4 《頭巾様の荒廃牙
4 《毒矢尻の射手
4 《探索する獣

-クリーチャー(24)-
3 《ウォーロック・クラス
3 《死住まいの呼び声
3 《魂の粉砕
3 《群集の威光、ヴラスカ

-呪文(12)-
3 《壮大な破滅
2 《軍団の最期
3 《壊れた翼
2 《骨の髄まで
2 《戦争の犠牲
3 《ゴルガリの女王、ヴラスカ

-サイドボード(15)-
Melee より)

 

 接死といえばヘビやサソリなどの猛毒、ゾンビや悪霊の腐敗性の接触、ゴルゴンやバジリスクの石化能力……などなど、主に黒と緑のクリーチャーが持つ能力だ。

 「ゴルガリ団」のカラーリングであり、同ギルドの長であるヴラスカもこの能力に関するカードがある。

 というわけで《群集の威光、ヴラスカ》率いる接死デッキの登場だ。1マナから始まる24枚、全クリーチャーが接死持ち! ここまで徹底した構築は見事なものだ。

 対戦相手はこのデッキの繰り出す軍勢と満足のいく戦闘を行うことは出来ないだろう。どんな攻撃やブロックにもリスクが伴うのだ。こちらは先制攻撃などで一方的にダメージを喰らう状況でない限りは何も臆せずに攻撃もブロックも悠々行える。猛毒軍団で優位に戦闘を進めて勝つ、中速のデッキだ。

 接死でクリーチャーを固めることにより、数々のシナジー(相互作用)の恩恵を与ることができる。その多くはリミテッドを意識して作られてはいるが、パイオニア(エクスプローラー)環境のようにカードプールが拡がれば構築フォーマットのデッキとして成立するのである。

 接死持ちのクリーチャーの多くは素のパワーは低めである。積極的に攻撃しに行くとスルーされがちで、ここに打点のボーナスを加えることがデッキとしては肝心な要素となる。

 《頭巾様の荒廃牙》はこれに対するアンサーだ。

 接死持ちで攻撃するだけで対戦相手からライフを1点吸い取れるので、これでクリーチャーデッキとのライフの削り合いでも優位に立てる。無理な攻撃やブロックに出てくればそれはそれで美味しく相討ちだ。

 《群集の威光、ヴラスカ》は攻撃を通した接死クリーチャーに+1/+1カウンターのボーナスを提供。じわじわとサイズを挙げて無視できない脅威を作り上げていく。

 《牙持ち、フィン》も同じく攻撃をプレイヤーに通した接死持ちの価値を高める。一度のダメージにつき毒カウンターを2個対戦相手に与えるのだ。

 クリーチャーにとっての毒をプレイヤーにも効くものへと高める! 計5回の攻撃を通せば勝利と相成るので、なんとかしてねじ込んで毒勝ちを経験してみたいところだ。

 クリーチャーが死亡することで誘発する能力も、接死持ち、およびゴルガリカラーとは縁が深い。《怪物の災厄、チェビル》は賞金カウンターを置きつつ、その獲物が死亡するとライフと手札を提供してくれる。

 《毒矢尻の射手》は敵味方問わずクリーチャーが死亡するたびに相手のライフを詰めていく。攻撃にもブロックにもクリーチャーを回せない、そんな詰みの状況を演出してくれそうだ。

 チェビルでドローを行ったりフィンの毒を確実に与えていくためにも、クリーチャー除去の要素をより高めるという改造も検討してみると良いね。それこそ前述の《アーク弓のレインジャー、ビビアン》は接死による一方的な除去に加えて、+1/+1カウンターでダメージを伸ばしつつトランプルも付与するのが素晴らしい。接死とトランプルが組み合わさると、それをブロックしたクリーチャーに与えるダメージは1点で済む。残りのダメージはトランプルで対戦相手本体に抜けさせることができて超強力! 必殺の組み合わせ、ぜひ体感してほしいね。

 このリストはアンソロジーの恩恵は受けていないが、その参入でエクスプローラーが盛り上がるなら相乗効果を受けているようなもの。既存のカードだけでも、新規カードを軸にしても、まだまだデッキが作れるフォーマットであるエクスプローラー。マジックの醍醐味をデッキ作りに感じているビルダー気質のプレイヤーは、日々このフォーマットに触れるべし!

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