READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

氷雪基本土地の雪景色を楽しもう。単色デッキ2選(スタンダード)

岩SHOW

 この冬、特に年末は2020年のそれよりも寒かったように思うね。一部地域ではかなりの豪雪だったとか。

 雪とマジックの間には長い歴史がある。1995年リリースの『アイスエイジ』は極寒の氷河期を描き、2006年リリース『コールドスナップ』はその続編。どちらも氷雪というタイプを用い、「冠雪の○○」という氷雪マナを出す基本土地はいずれも冬景色が描かれた美麗なイラストがマジックプレイヤーの心を捉える。そして2021年、『カルドハイム』がこの氷雪をさらに一歩推し進め、メカニズムとして進化させた。

 この3セットに加えて『モダンホライゾン』のフルアート仕様、そして「Secret Lair」からも2種類と、氷雪基本土地は多種多様。君の好きなアートはどれかな? 皆各々のお気に入りのアートで固めた氷雪デッキを使ってみてほしいね。

 せっかく集めた氷雪基本土地を複数枚並べるのであれば、やはり単色デッキ。今日は寒い冬にオススメ、スタンダードの単色氷雪デッキを2種類ご紹介しよう!

explodingcat - 「黒単コントロール」
MTGアリーナ十種競技 イベント9 5勝1敗 / スタンダード (2022年1月2日)[MO] [ARENA]
18 《冠雪の沼
4 《不詳の安息地
2 《目玉の暴君の住処
2 《廃墟の地
-土地(26)-

4 《隠し幕
4 《よろめく怪異
2 《嘘の神、ヴァルキー
3 《スカルポートの商人
-クリーチャー(13)-
2 《強迫
4 《冥府の掌握
2 《命取りの論争
4 《雪上の血痕
3 《食肉鉤虐殺事件
2 《不笑のソリン
4 《蜘蛛の女王、ロルス
-呪文(21)-
4 《スカイクレイブの影
3 《墓地の侵入者
2 《強迫
2 《パワー・ワード・キル
3 《真っ白
1 《魂の粉砕
-サイドボード(15)-
MTG Arena Zone より引用)

 

 MTGアリーナにおけるイベント、十種競技。その10ある種目の1つ、スタンダードの2本先取形式ルールで種目クリアとなる5勝を達成したリストから「黒単コントロール」をピックアップ。

 現スタンダードにおける黒の強み、それは優秀なクリーチャー除去。《冥府の掌握》《パワー・ワード・キル》など単体を撃ち落とす軽量のインスタントに恵まれ、最序盤や速攻持ちに対応可能。

 そして複数体をまとめて薙ぎ払う全体除去には嬉しいおまけ付き。《食肉鉤虐殺事件》はライフを得られることで危機的状況を脱出。

 そして単色にして《冠雪の沼》を並べることに強い意味を持たせる《雪上の血痕》。

 6マナで全クリーチャーを破壊しつつ、支払った氷雪マナの数以下のマナ総量のクリーチャーかプレインズウォーカーを自分の墓地から戦場へ。血痕に巻き込まれた自身のクリーチャーを拾い上げるもよし、黒が除去と同じく誇る強力プレインズウォーカーなどを蘇らせて更地の盤面で支配を確固たるものにしてもよし。またこの全体除去はクリーチャーのみでなくプレインズウォーカーへの除去にもなるので、同系などコントロール対決でも無駄になりにくいのもエライ。

 これらの除去で対戦相手に攻めさせず、ズルズルとこちらのペースへと持ち込んでいく、そういう底なし沼系のコントロールデッキだ。

 ではその強い強いプレインズウォーカー、《不笑のソリン》と《蜘蛛の女王、ロルス》を。

 どちらもライフを糧にカードを引けるアドバンテージ源であり、またクリーチャー・トークンを生成して攻守両方をサポートしてくれる。

 堅実で決定力も備えたこれらのプレインズウォーカーが繰り出すトークンと、単色氷雪デッキの特権である《不詳の安息地》、そして黒の誇る第3の武器《目玉の暴君の住処》と、クリーチャー・カード自体の採用枚数は少なめではあるが、盤面を掌握したら殴りだして速やかにゲームを集結させることが可能な作りとなっている。

 いつまでもダラダラとコントロールを続けていると、どこかで対戦相手が猛反撃に出てきてそれを捌けずに敗北というのがコントロールにありがちな結末。それを回避するしっかりとしたフィニッシャーを、無理なく扱えるのが黒単で組むメリットだ。

 最後に……《冠雪の沼》、僕のオススメは『Secret Lair: Eldraine Wonderland』のもの。冷え切った沼地を囲む樹冠から照らす光、美しや。

SLD_Eldraine_Wonderland_Swamp.png
xFlurryx - 「赤単ゴブリン」
Magic Online Standard League 5勝0敗 / スタンダード (2021年12月29日)[MO] [ARENA]
19 《冠雪の山
4 《不詳の安息地
-土地(23)-

4 《火刃の突撃者
4 《ゴブリンの投槍兵
4 《雄叫ぶゴブリン
4 《ホブゴブリンの隊長
4 《ホブゴブリンの山賊の頭
4 《巨体のバグベア
-クリーチャー(24)-
4 《霜噛み
4 《乱動の噴火
4 《君は二匹のゴブリンを見つけた
1 《忠誠の代価
-呪文(13)-
4 《バーニング・ハンズ
3 《削剥
4 《白熱する議論
4 《マジック・ミサイル
-サイドボード(15)-

 

 こちらはMagic Onlineのリーグ戦で5戦全勝したリストの1つ、「赤単ゴブリン」だ。

 《冠雪の山》を大量に採用しており、さらにあらゆるクリーチャーを4枚採用しているので、デッキリストは非常にすっきりとしたシンプルなものになっている。アグロデッキであり、統一されたタイプで組まれる部族デッキなので、リストはなるべく綺麗な方が良い。なるべくムラがなく何度プレイしても同じようなゲーム展開に持っていく、それが理想だ。

 クリーチャーを展開し、それらを強化し、相手のクリーチャーを除去して攻撃をねじ込む。20点のライフを1ターンでも早く削り切る、ただそれだけを狙った愚直、バカ真面目なデッキである。

 《火刃の突撃者》《ゴブリンの投槍兵》と、2マナ域のクリーチャーにブロックされても相討ちに持っていけるだけのスペックの1マナ域からスタートを切り、

 ゴブリンをどんどんと並べてから《ホブゴブリンの山賊の頭》《雄叫ぶゴブリン》でパワーを上げて大ダメージを叩き出してフィニッシュだ。

 《君は二匹のゴブリンを見つけた》はこの強化手段でありゴブリンの頭数も稼げる、状況に合わせて使い分けられる理想的な1枚。

 これらのカードのポテンシャルを最大限に発揮させることが勝利への道である。

 つまりはどのカードをどのように使うのか、計算が必須のデッキである。どの順番でクリーチャーを出すか、ブロックで討ち取られても良いからダメージを通しに行くか、《乱動の噴火》を除去として使うかプレイヤー本体に撃ち込むか……そういった選択肢からベストなものを選び続けなければならず、プレイ自体は簡単でも勝ち星を重ね続けるにはプレイヤーとしてのスキルが求められるものになっている。

 このリストも単色氷雪デッキなので《霜噛み》を1マナ3点除去として使えて、《不詳の安息地》も隠れたゴブリンとして最後の一押しを担う。

 《バグベアの居住地》というゴブリン土地を用いたくなるものだが、あえてこれを外しているのはおそらく3~4ターン目にきっちりと最大にマナを得て展開するため、タップ状態で出てしまう可能性のある土地を嫌ったためだろう。

 最後に……《冠雪の山》、僕のオススメは『アイスエイジ』のもの。青く澄んだ空と万年雪が積もった尖峰、美しや。

 というわけで今日はスタンダードの黒単&赤単の氷雪基本土地を用いるデッキをご紹介した。デッキとして、基本土地が主体なことによる安定感と集めたイラストを並べるという楽しさ、それらが同居したこれらのデッキからヒントを得て、皆もそれぞれの氷雪基本土地ライフを送ってくれれば幸いだ。もちろん、プレイする部屋の中はあったかくしてね!

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索