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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ゼンディカーと言えば…白日の下に?(モダン)

岩SHOW

 『ゼンディカーの夜明け』、早くもオンラインでは今週末にリリース! いやぁほんまに早いですよ、時の流れが。

 ついこないだ「3度目のゼンディカーかぁ」と思ったらもうリリースかぁ……前回のゼンディカー来訪セットが『戦乱のゼンディカー』、これなんかつい最近に出たセットみたいに思っていたのだが、もう5年前だってよ。いや~早い、時が過ぎ去るのが!

 『戦乱のゼンディカー』では無色の強力なクリーチャーであるエルドラージが再登場、プレインズウォーカーや同盟者との戦いも激化している様をカード化していた。色マナを要求しながらも無色である欠色カードはなかなかにインパクトがあった。

 これに対抗する色マナに基づいたゼンディカー人側は、収斂という能力で迎え撃つ。その呪文が唱えられる際に支払われた色マナの種類が多いほど高い効果を発揮するというもので、《光輝の炎》や《苦い真理》など強くて扱いやすいカードがトーナメントシーンでも存在感を発揮した。

 収斂カードの中でも今でも高い人気を誇るのは《白日の下に》。

 このソーサリーを唱えるのに5色のマナを支払っていれば、最大で5マナのクリーチャーかインスタント、ソーサリーをライブラリーから探してきてコストを払わずに唱えられる。マナ的には得しているというわけではないが、状況により除去やフィニッシャーとして使い分けられる便利なカードで、メインデッキから複数枚採用するのは躊躇われるが特定のデッキ・状況にて火を噴くカードを1枚採用することでデッキに柔軟性を持たせたり、コンボパーツの水増しとして用いることで強く楽しいデッキを組むことができる。

 この《白日の下に》と相性抜群なのが《ニヴ=ミゼット再誕》。

 このドラゴンを唱えるためには5色が必要なので、だったら5色でニヴを持ってこれる白日と併せて使った方が絶対にお得、ニヴの能力で白日が手に入るので2回目のニヴに繋げることもできると、セットで使えば良いことづくめ。「Niv to Light」というデッキ名で、パイオニアやモダンで5色のコントロールが活躍している。

 今日はモダンのそれの一バリエーションを紹介しよう。このデッキはコントロールというよりは……

forenmagra - 「Niv to Light」
Magic Online Modern League 5勝0敗 / モダン (2020年9月3日)[MO] [ARENA]
1 《平地
1 《
1 《
1 《
4 《乾燥台地
2 《沸騰する小湖
1 《新緑の地下墓地
4 《樹木茂る山麓
1 《聖なる鋳造所
1 《寺院の庭
1 《蒸気孔
1 《繁殖池
1 《血の墓所
1 《踏み鳴らされる地

-土地(21)-

4 《極楽鳥
3 《貴族の教主
3 《台所の嫌がらせ屋
4 《守護フェリダー
2 《ニヴ=ミゼット再誕
1 《鏡割りのキキジキ

-クリーチャー(17)-
4 《ニッサの誓い
4 《楽園の拡散
2 《暗殺者の戦利品
4 《白日の下に
4 《サヒーリ・ライ
4 《時を解す者、テフェリー

-呪文(22)-
4 《漂流自我
2 《神秘の論争
4 《神聖の力線
4 《貪欲な罠
1 《時の一掃

-サイドボード(15)-

 

 《極楽鳥》《貴族の教主》《楽園の拡散》といったカードでマナを数も色も増やして、白日かニヴに繋げて勝利するというデッキコンセプトは定番のものである。

 しかし……《暗殺者の戦利品》《時を解す者、テフェリー》とコントロール用のカードはあるにはあるが、その総数は少なめ。じゃあ残りのスロットには何があるのかというと……コンボだ。瞬殺コンボのパーツが並んでいる。

 そのキーカードは《守護フェリダー》。

 戦場に出た際にパーマネントを1つ追放し、それをすぐさま戦場に戻す。このフェリダーを無限に増殖させて勝つ。

 そのために合わせるパーツは2つ。1つは《サヒーリ・ライ》。

 彼女の能力でフェリダーのコピーであるトークンを生成する。トークンが出たことでパーマネントを出し入れする能力が誘発するので、それでサヒーリを追放し戻す。戻ったサヒーリはまた能力を起動できるので、コピーを再生成。またサヒーリを出し入れして……と好きなだけループを形成できる。相手のライフを削るのに十分な数が並んだら速攻を持ったそれらのトークンで全軍突撃!

 もう1つのパーツも同じくトークン生成カードである《鏡割りのキキジキ》。

 タップしてフェリダーのトークンを生成し、キキジキを追放して戻したらアンタップ状態なのでまた能力を起動して……というループで致死量の猫を並べて圧殺だ。

 コンボパーツであるサヒーリが2色のカードなのでニヴで手に入り、またどのパーツも5マナ以下なので白日からもアクセス可能だ。

 コンボが決まらない時の勝ち手段として、6/6飛行のニヴは信頼のおける存在。これをフェリダーで出し入れしたりサヒーリでトークンを作るなどして手札をたんまり補充しながら勝つというプランは、特にコンボが対策されるサイド後に重要になってくることだろう。

 《守護フェリダー》はサヒーリやキキジキ以外にも相性の良い追放先がいると輝きを増すカードだ。一度頑強を誘発させ、-1/-1カウンターが置かれている《台所の嫌がらせ屋》をリフレッシュさせて再び頑強を持ったブロック役として立たせるだけでも、アグレッシブにライフを狙うデッキは嫌な顔をすることだろう。

 《時を解す者、テフェリー》の[-3]能力を使ってからフェリダーで出し直して、忠誠度が回復したテフェリーでもう1枚パーマネントを戻すというのも強烈な動きだ。もちろん、テフェリーでフェリダーを戻して再利用という手もある。

 《ニッサの誓い》を出し入れすれば手札もジャキジャキに増やせる。ニヴや白日を唱えるための色マナ確保、コンボパーツの補充と状況に合わせてなんでもござれだ。

 そして地味ではあるが重要な小技として、《楽園の拡散》を貼り付け直すというものがある。森タイプを持つ土地が複数並んでいる時に有効で、まずは拡散が貼られた土地をタップしてマナを得て、フェリダーを出す。その能力で拡散を追放し、アンタップ状態の森タイプの土地に貼る形で戻す。その土地からマナを得て、サヒーリを唱えてコンボ完成、という動きは勝つためにかなり重要なテクニックだ。

 前ゼンディカーでの収斂能力のように、スタンダードやそれ以外のフォーマットで長く使われることになるカードは登場するのか。『ゼンディカーの夜明け』が送り出す新メカニズムを今一度チェックして、新しい環境でのスタートダッシュを決めてやろう!

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