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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
盤面掌握なるか? コントロールデッキあれこれ(ヒストリック)
やあ、元気にマジックやってるかい! 今日は今週末のアリーナ・オープンに向けてのヒストリック特集の最終日、コントロールデッキを取り上げるぞ!
コントロールデッキとは、相手のやりたいことを妨害したり、相手の攻めによってこちらが敗北しないように盤面を築き上げ。策(手札)が尽きた相手に対して、マナが重かったり条件が厳しい代わりに非常に効果が大きいカードを叩きつけ、攻守を逆転して勝ちに行くデッキ全般のことだ。
特徴としてクリーチャーなどパーマネント除去や手札破壊、打ち消しといった呪文を多く採用している。除去の中でも複数体のクリーチャーをまとめて処理出来るもの、またドロー呪文やプレインズウォーカーなど、カードアドバンテージを獲得できるカードも重視している。
相手の攻めから耐えるというのは、自分から攻めていくのとはまた違った難しさがある。ゆえに上級者が扱うデッキに見えることもあるが、決してそうとは限らない。カードパワーが単純に高いもの、状況に合わせていろいろな仕事ができるカードが採用されていることが多いので、役割が特化したカードばかりで構成されているようなアグロよりもむしろ扱いやすいかもしれない。
長丁場になるトーナメントでは、ムラが発生しやすいデッキよりも安定感を重視したコントロールを使うことを好むプレイヤーも少なくない。それじゃ早速、リストを見てみよう!
4 《森》 3 《平地》 2 《島》 4 《寺院の庭》 2 《陽花弁の木立ち》 4 《繁殖池》 3 《内陸の湾港》 4 《神聖なる泉》 3 《氷河の城砦》 1 《ヴァントレス城》 2 《死者の原野》 1 《爆発域》 4 《寓話の小道》 -土地(37)- 3 《樹上の草食獣》 2 《魅力的な王子》 3 《ハイドロイド混成体》 3 《自然の怒りのタイタン、ウーロ》 1 《厚かましい借り手》 3 《スラーグ牙》 -クリーチャー(15)- |
4 《成長のらせん》 3 《探検》 3 《海の神のお告げ》 4 《空の粉砕》 2 《エルズペス、死に打ち勝つ》 1 《テフェリーの誓い》 1 《時の一掃》 4 《時を解す者、テフェリー》 2 《時の支配者、テフェリー》 2 《ドミナリアの英雄、テフェリー》 2 《精霊龍、ウギン》 -呪文(28)- |
1 《空を放浪するもの、ヨーリオン》 -相棒(1)- 2 《漁る軟泥》 2 《秋の騎士》 2 《探索する獣》 1 《悪斬の天使》 3 《ドビンの拒否権》 2 《不可解な終焉》 2 《夢を引き裂く者、アショク》 -サイドボード(14)- |
まず1つ目はコントロールといえば青白……なのだが、このカラーリングのデッキは少々他のデッキに押され気味だ。そんな状況下でも緑を足したこのデッキは可能性を感じさせる。
緑を足している最大の理由は、対アグロの強力兵器《スラーグ牙》のため。
ライフを5点も回復させ、パワー5でブロックしたクリーチャーをしっかり相討ちに仕留める。さらに3/3のビーストを置いていくと、抜かりなし。
この《スラーグ牙》を運用するためにマナを伸ばす手段を多く採り、クリーチャーなどのパーマネント対策もしっかりと用意。そして、スラーグはただ出すだけでなく、戦場を離れさせて戻すことでトークンを増やしつつさらに5点回復して、アグロの心をへし折りにかかる。そのために《魅力的な王子》や《空を放浪するもの、ヨーリオン》を用いるのだ。
《テフェリーの誓い》もスラーグやヨーリオン、《エルズペス、死に打ち勝つ》を使いまわすための手段であり、またこのデッキが3種類も採用している各種テフェリーらの能力を複数回起動させてくれる楽しい1枚。
《時を解す者、テフェリー》の忠誠度を一気に回復させ、相手のターンにも動ける《時の支配者、テフェリー》で追加ターンに一瞬で到達するというプレッシャー、《ドミナリアの英雄、テフェリー》での大量ドロー……夢があふれているなぁ。
1 《平地》 1 《島》 1 《沼》 1 《山》 2 《森》 2 《神聖なる泉》 1 《氷河の城砦》 1 《啓蒙の神殿》 2 《繁殖池》 1 《神秘の神殿》 1 《茨森の滝》 2 《寺院の庭》 1 《陽花弁の木立ち》 1 《豊潤の神殿》 1 《インダサのトライオーム》 1 《ケトリアのトライオーム》 1 《ゼイゴスのトライオーム》 1 《ボジューカの沼》 4 《死者の原野》 2 《廃墟の地》 1 《オラーズカの拱門》 1 《爆発域》 -土地(30)- 4 《エルフの再生者》 3 《自然の怒りのタイタン、ウーロ》 4 《不屈の巡礼者、ゴロス》 2 《帰還した王、ケンリス》 1 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》 -クリーチャー(14)- |
4 《探検》 4 《成長のらせん》 3 《移動経路》 3 《空の粉砕》 2 《精霊龍、ウギン》 -呪文(16)- |
2 《拘留代理人》 2 《秋の騎士》 2 《スラーグ牙》 2 《霊気の疾風》 3 《神秘の論争》 1 《時の一掃》 2 《時を解す者、テフェリー》 1 《ドミナリアの英雄、テフェリー》 -サイドボード(15)- |
ヒストリックならではのデッキの1つが《死者の原野》を用いたもの。
7種類以上の土地を並べることで、毎ターン土地を置くだけでゾンビが発生するようになる。この状態を目指すために《不屈の巡礼者、ゴロス》を筆頭に、戦場に土地を出すカードを多く採用。序盤から使えるマナを全力で伸ばしにいきながら《空の粉砕》などの除去で引き延ばし、ゾンビもブロックに回して耐えに耐える。
マナが十分に揃ったら《絶え間ない飢餓、ウラモグ》《精霊龍、ウギン》などのパワーカードでグイッと押し返す……これが「5色ゴロス」だ。
5色になっているのは、緑の土地を探すカードのおかげで何色であろうともあまり変わりなく運用できるので、だったらゴロスや《帰還した王、ケンリス》の能力を起動できる5色が一番!という理由からだ。
特にケンリスはゾンビやウラモグに速攻を与えることでゲームがいたずらに長引くことを防ぐ点でも優秀だ。
ウギン&ウラモグという強力な除去にして絶対的なフィニッシャーを得たことでデッキパワーが高まっているところに、『Jumpstart』でも新戦力が加入。《探検》だ。
《成長のらせん》のご先祖様で、これで2マナの土地を伸ばす呪文が8枚体制になった。3ターン目に《移動経路》や《空の粉砕》を唱えやすくなり、デッキの安定感がグッと増した。ゲーム終盤でもドローがついているので腐ることはなく、ゾンビを複数体生成してライフを繋いで大技からの切り返しを狙える。
どっしりとカードパワーで圧殺したいのであればこのデッキがオススメだ。
16 《沼》 2 《ロークスワイン城》 1 《ボジューカの沼》 3 《陰謀団の要塞》 2 《廃墟の地》 -土地(24)- 2 《才気ある霊基体》 3 《残忍な騎士》 2 《戦慄の存在》 2 《豪華の王、ゴンティ》 3 《不屈の巡礼者、ゴロス》 -クリーチャー(12)- |
4 《彩色の灯籠》 2 《見栄え損ない》 4 《苦悶の悔恨》 2 《無情な行動》 3 《ファイレクシアの闘技場》 4 《首謀者の収得》 2 《煤の儀式》 1 《ヴラスカの侮辱》 1 《彩色の宇宙儀》 2 《精霊龍、ウギン》 -呪文(25)- |
2 《才気ある霊基体》 1 《死より選ばれしティマレット》 1 《虐殺のワーム》 1 《魂標ランタン》 2 《強迫》 1 《古呪》 2 《肉儀場の叫び》 1 《ファイレクシアの闘技場》 1 《絶滅の契機》 1 《見事な根本原理》 1 《破滅の根本原理》 1 《苦悩火》 -サイドボード(15)- |
最後に、新環境スタート時に開催された100人規模のトーナメントで準優勝したインパクト満点のリストを。いつぞやのスタンダードに存在した「彩色黒単コントロール」のヒストリック版と言えるものだ。
黒単色の除去と手札破壊を用いるコントロールだが、マナ加速に《彩色の灯籠》を採用。
サイドボードに黒以外の色のカードを用意し、《首謀者の収得》で状況に最適なカードを持ってきて使用する、黒単にして5色というデッキなのだ。
で、この黒単にして5色というスタイルをより強化するのが《彩色の宇宙儀》。
マナの支払いが色を無視して自由になるので、要塞からあふれる黒マナで《破滅の根本原理》《見事な根本原理》を余裕で唱えられるというやんちゃっぷりがたまらない。《首謀者の収得》で何を持ってくるかが難しいデッキではあるが、プレイしていての楽しさはピカイチだろう。
以上、注目のコントロールデッキを3種取り上げた。コントロールは《死者の原野》と戦うのが苦手のため、全体的には数を減らしているが、それでもマニアックな形のコントロールは他にもいくつか存在する。
コントロールに限らず、この1週間の企画でもそれなりの数のデッキを紹介したが、広大なヒストリックにおいては氷山の一角に過ぎない。アリーナ・オープンでは「なんだこれは」というデッキに遭遇することだろう。それがこのフォーマットの醍醐味でもある。なんだこれはを言わせる側になって、自分の好きなカード、戦略、コンボをひたすらに追求したデッキを用いるのが実に楽しいのである。
そんなわけで、今週末はヒストリックのトーナメントをたっぷりと楽しんでほしいね! 皆が2日目に進出して、賞品を手に入れることを祈っているよ!
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