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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

タフネス1の逆襲:死と税からは逃げられない(レガシー)

岩SHOW

 クリーチャーにとってタフネスとは大事なものである。それが0であればそもそも生存することはできない。値が高ければ高いほど、大きなクリーチャーやダメージ呪文といった脅威に耐えうる。コストの軽いクリーチャーはこの値が低く設定されており、簡単に死んでしまいがちである。

 それらの中でも、タフネスが1に設定されているものは本当に儚いものだが、それゆえに強力な能力を与えられていたりすることも、また事実。肉体の貧弱さと引き換えに、ぶつかり合い以外の方法で相手を討つ武器を携えたクリーチャーはそれはそれで頼もしいものである。特にエターナル・フォーマットのような、呪文のコストは軽ければ軽いほど良いとされる環境ではそれらのクリーチャーは輝くものだ。

 だが、ここしばらくはレガシーからそれらタフネス1のクリーチャーが駆逐されてしまっている、そんな状況にあった。《レンと六番》という超強力プレインズウォーカーがいたからである。《汚染された三角州》《不毛の大地》などの生け贄に捧げる土地を毎ターン回収する傍ら、[-1]能力で1点ダメージを飛ばしてタフネス1をビシビシと除去して回る、まさに一騎当千の働きを見せていたのだ。2ターン目から固定砲台が設けられてしまうのだからたまったもんじゃない。

 そんなわけでタフネス1のクリーチャーをなるべく採用しないデッキが選択される傾向にあったのだが……この《レンと六番》が先週レガシーにて禁止カードに指定された。これにより、タフネス1に頼ったデッキは再び息を吹き返そうとしている。

 レガシー初心者に向けてのデッキ紹介も兼ねて、復権し得るデッキを今回と次回で取り上げてみよう。

Arno Matile - 「Death & Taxes」
Swiss Magic Masters 2019 @ Bern ベスト8 / レガシー (2019年10月20日)[MO]
9 《平地
3 《カラカス
2 《魂の洞窟
4 《リシャーダの港
4 《不毛の大地
-土地(22)-

4 《ルーンの母
1 《ルーンの与え手
4 《石鍛冶の神秘家
4 《スレイベンの守護者、サリア
2 《ファイレクシアの破棄者
2 《高名な弁護士、トミク
1 《魅力的な王子
3 《ちらつき鬼火
2 《護衛募集員
1 《光異種
1 《ミラディンの十字軍
1 《聖域の僧院長
1 《宮殿の看守
-クリーチャー(27)-
4 《霊気の薬瓶
4 《剣を鍬に
1 《梅澤の十手
1 《火と氷の剣
1 《殴打頭蓋
-呪文(11)-
2 《エーテル宣誓会の法学者
1 《レオニンの遺物囲い
1 《光異種
1 《ミラディンの十字軍
1 《聖域の僧院長
2 《流刑への道
1 《外科的摘出
2 《神聖な協力
2 《安らかなる眠り
1 《解呪
1 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン
-サイドボード(15)-
mtgtop8 より引用)
 

 まず紹介するのは白単「Death & Taxes」、通称デスタク! このデッキはタフネス1界でも最強クラスの妨害能力を持った《スレイベンの守護者、サリア》を主力としている。

 彼女の能力で非クリーチャー呪文のコストを{1}重くし、かつ《リシャーダの港》で土地をタップすることで相手の行動をガッツリと遅れさせ、その間にクリーチャーの連打で盤面を作り上げて押し切ろうというのがコンセプトのデッキだ。

 《レンと六番》はサリアを軽々と除去しつつも《不毛の大地》を回収してリシャーダを叩き割り続けてむしろこちらの展開を苦しめんとする。その上、先手であればサリアより先に戦場に出る2マナと、徹底的にこのデッキを否定せんとする目の上のたんこぶであった。サリア以外にもタフネス1は多いしね。レンがいない今、かつての栄光を取り戻さんとその数をまた増やすことが予想される。

 攻めの決め手は《石鍛冶の神秘家》から持ってくる装備品各種。

 この石鍛冶やサリアを護るのが《ルーンの母》の仕事であり、彼女もまたレンに駆逐されていたカードである。

 《ルーンの与え手》という同様のプロテクション付与役もおり、こちらはプロテクション(無色)も与えられてタフネスが2あるのが利点だが、自分を対象にすることはできないという違いがある。これらを3枚ずつ採用したり、このリストのように母を優先したりとスタイルは人それぞれ。自分がゲームするコミュニティに合わせて調整していこう。

 デスタクの基本テクニックの1つが《ちらつき鬼火》によるクリーチャーの出し入れ。

 石鍛冶や《護衛募集員》の能力を再利用してアドバンテージを得たり、《霊気の薬瓶》から飛び出して相手の除去からクリーチャーを護ったりと、状況に合わせて柔軟に対処できるのが強みだ。

 この鬼火の枠に新しく名乗り出てきたのが《魅力的な王子》!

 自身のクリーチャーしか対象にできない点では鬼火に劣るが、2マナと軽い点では勝っている。また、ライフ回復や占術も選択肢に含まれており、これ自身がさまざまなケースに対応している点もGoodだ。これと鬼火の採用枚数のバランスも人それぞれ。母と与え手、鬼火と王子。ここのバランス感覚を極めたいところだ。

 1~2枚挿しのカードが多いのは、先に触れた《護衛募集員》で、《光異種》を除くデッキ内のクリーチャーのすべてにアクセスできるためだ。

 ここに何を採用するかもまた、センスの問われるところ。《暗黒の深部》《演劇の舞台》などを使った土地コンボへの対策として《高名な弁護士、トミク》は必須といえる。非クリーチャーの軽量呪文を連打するデッキ、特に《苦悶の触手》で勝利するストームデッキなどには《聖域の僧院長》が突き刺さる。

 真面目に盤面を作って戦う、いわゆるフェアデッキ相手には《宮殿の看守》がもたらすアドバンテージはゲームを動かすもので、黒除去しかないデッキや緑のクリーチャーばかりのデッキ相手には《ミラディンの十字軍》が装備品を担いで殴って……と、無理のない範囲でいろいろと欲張っていこう。

 《リシャーダの港》を起動して相手の土地をアップキープに寝かせつつ、こちらは《霊気の薬瓶》から毎ターンクリーチャーを投下する。この必勝パターンにハマった時のデスタクの強さ、一度体験してみてほしい。

 明日も、《レンと六番》退場によりハッスルしそうなタフネス1のクリーチャーを用いるデッキを紹介しよう。デスタクが堅実に盤面を作っていくデッキなら、そっちはドルンドルンとエンジンを鳴らして爆走する……そんなデッキだ。レガシー初心者の方、お楽しみに。

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