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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

食物の3つの在り方(スタンダード)

岩SHOW

 マジックフェスト・名古屋2019の熱狂から、はや1週間が経とうとしている。3日間場内にいてお祭りイベントを盛り上げるべく色々とやっていたが、グランプリの試合を見学する時間は全くなかった。ただまあ、大方の予想通りに《王冠泥棒、オーコ》デッキ同士がぶつかりあっているのだろうなぁとぼんやり考えていた。

 日曜夜の帰りの新幹線にて決勝ラウンド進出デッキリストを確認、そこに並んだ8つのリストのうち7つが、そのオーコを使った緑と青を主体とした食物デッキだった。

 感想としては、やっぱりなと。オーコを備えたデッキはあらゆる局面に対応できる柔軟性と、カード1枚1枚のシンプルな破壊力を併せ持っている。それが上位を独占することは予想に難くなかった。

 ただ、そんなオーコを用いるデッキにも微差があり、3つの派閥に分かれることになる。今日は環境最強デッキのバリエーションを今一度振り返ってみよう!

三原 槙仁 - 「スゥルタイ・食物」
グランプリ・名古屋2019 4位 / スタンダード (2019年11月2~3日)[MO]
6 《
1 《
1 《
4 《繁殖池
4 《草むした墓
4 《湿った墓
1 《ロークスワイン城
3 《寓話の小道
-土地(24)-

4 《金のガチョウ
4 《楽園のドルイド
4 《意地悪な狼
1 《虐殺少女
4 《ハイドロイド混成体
-クリーチャー(17)-
1 《夏の帳
4 《むかしむかし
3 《害悪な掌握
4 《王冠泥棒、オーコ
2 《ゴルガリの女王、ヴラスカ
4 《世界を揺るがす者、ニッサ
1 《戦慄衆の将軍、リリアナ
-呪文(19)-
4 《恋煩いの野獣
2 《虐殺少女
2 《強迫
1 《夏の帳
1 《軽蔑的な一撃
1 《軍団の最期
1 《害悪な掌握
1 《神秘の論争
1 《戦争の犠牲
1 《伝承の収集者、タミヨウ
-サイドボード(15)-
 

 まずひとつめは青緑に黒も加えた3色、スゥルタイ型。オーコと彼の後ろに控える最強格のプレインズウォーカー《世界を揺るがす者、ニッサ》。そしてオーコが繰り出す食物・トークンを食って大きく、不死身になる《意地悪な狼》、同じく食物を生み出しそれをマナに替える《金のガチョウ》、突進力が売りの《探索する獣》などなど、現スタンダード環境には力の抜きんでた緑のプレインズウォーカーとクリーチャーが多数揃っており、食物デッキはこれらの集合体である。

 そんなデッキに遭遇する確率が大変に高いのであれば、メインから《害悪な掌握》を搭載することにリスクは少なくリターンは大きい。

 そんなわけで黒を足してパーマネント勝負を有利に進めようとしたこのタイプは、名古屋の地でも最大勢力に。2日目進出デッキの37.5%を占めることになった。これは2位の青緑純正の食物デッキに対してダブルスコアである。

 2マナで、食物が出ている時の《意地悪な狼》以外の大体のパーマネントは対処可能なスゥルタイ型。他にもオーコを潰せる《ゴルガリの女王、ヴラスカ》や、クリーチャーの並べ合いをリセットする《虐殺少女》などなど、現スタンダード環境にマッチしたパワーカードがオンパレードだ。

 《金のガチョウ》と《楽園のドルイド》によって3色デッキと言えども無理なく回る。大技《戦争の犠牲》や《戦慄衆の将軍、リリアナ》で、戦場の覇権を握ったら離さない!

ホリウチ マコト - 「バント・食物」
グランプリ・名古屋2019 6位 / スタンダード (2019年11月2~3日)[MO]
6 《
1 《平地
1 《
4 《寺院の庭
4 《繁殖池
2 《神秘の神殿
3 《神聖なる泉
3 《寓話の小道
-土地(24)-

4 《金のガチョウ
4 《楽園のドルイド
4 《意地悪な狼
2 《探索する獣
4 《ハイドロイド混成体
-クリーチャー(18)-
4 《むかしむかし
3 《霊気の疾風
4 《王冠泥棒、オーコ
3 《時を解す者、テフェリー
4 《世界を揺るがす者、ニッサ
-呪文(18)-
2 《拘留代理人
1 《探索する獣
1 《狼の友、トルシミール
3 《夏の帳
3 《ガラスの棺
2 《軽蔑的な一撃
1 《時を解す者、テフェリー
2 《伝承の収集者、タミヨウ
-サイドボード(15)-
 

 続いては、スゥルタイや純正には数で劣るものの、これらに負けじとトップ8に名を連ねたバント型。白を足して《時を解す者、テフェリー》を採用し、ガチョウから2ターン目に出せるプレインズウォーカーを増量している。

 インスタント・タイミングでの介入も防げるため、自分のターンではベストな動きに集中できる点が嬉しい。

 サイドボード後には追放するタイプの除去を増量し、クリーチャー戦をより硬い盤面を作って戦えるようになっている。《害悪な掌握》がメインから飛び交う時代に合わせて《夏の帳》の採用枚数も大きく増えている現状は、これにより護れない白い除去にとっては好都合な状況。

 また、自身は《害悪な掌握》を使えない代わりに《霊気の疾風》をメインから採用。これとテフェリーで相手をちょっとしたハメ状態に持ち込むことも。

熊谷 陸 - 「シミック・食物」
グランプリ・名古屋2019 優勝 / スタンダード (2019年11月2~3日)[MO]
11 《
6 《
4 《繁殖池
2 《神秘の神殿
2 《総動員地区
-土地(25)-

4 《金のガチョウ
4 《楽園のドルイド
4 《厚かましい借り手
4 《意地悪な狼
4 《ハイドロイド混成体
-クリーチャー(20)-
4 《むかしむかし
3 《霊気の疾風
4 《王冠泥棒、オーコ
4 《世界を揺るがす者、ニッサ
-呪文(15)-
2 《クロールの銛撃ち
1 《打ち壊すブロントドン
3 《大食のハイドラ
3 《夏の帳
2 《軽蔑的な一撃
1 《霊気の疾風
1 《否認
2 《神秘の論争
-サイドボード(15)-
 

 スゥルタイ、バント、それら派生形を抑えて優勝したのは純正の2色、「シミック・食物」というあたりがマジックの面白いところだ。

 やはり2色にまとめることで安定感では純正に軍配が上がる。マナ基盤に余裕があるので《総動員地区》が使えるのも強みだ。

 安定した動きでオーコたちの純粋なカードパワーで戦場を支配する。1ターン目の《むかしむかし》からガチョウを探してきてロケットスタート、2ターン目オーコ・3ターン目《意地悪な狼》という黄金パターンで圧倒せよ。

 2色なことで戦場に触れる力はダウンするのだが、それを《厚かましい借り手》でカバーする。

 パーマネントを戻して戦場をこじ開け、3/1飛行で空から殴る。盤面が膠着しがちな現スタンダードにおいて、《ハイドロイド混成体》以外にも空から攻める選択肢があるというのは無視できない利点だ。このフェアリーが4枚入っているのも納得である。

 ガチョウからのオーコ、オーコから狼。これらに対処しても降りかかるニッサ、ニッサから捻出したマナでハイドロイドで手札補充……隙がなく、とにかくカードパワーで押し切れる強さを持ったシミック主体の食物デッキ。歴代スタンダードの青緑のデッキの中でも最強と言い切れるレベルの強さを誇り、今まさにスタンダードで栄華を極めている。王冠を盗んだオーコは、ミシックチャンピオンシップでも最強の存在として君臨することだろう。

 同型戦を制するには相当な練習により鍛え上げられたプレイングが必須だ。世界最高峰の舞台で、各プレイヤーがどのようなプレイを見せるのか? 2019ミシックチャンピオンシップⅥ(リッチモンド)に乞うご期待!


マジック:ザ・ギャザリング 2019ミシックチャンピオンシップⅥ(リッチモンド)生放送
日程 放送日 放送時間 放送内容 放送ページ
1日目 11月8日(金) 23:00~ 英語版放送をホストモード配信 Twitch
2日目 11月9日(土) 23:00~ 英語版放送をホストモード配信 Twitch
最終日 11月10日(日) 23:00~ 日本語実況・解説付き生放送 ニコニコ生放送」「Twitch
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