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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
赤いアグロで猛ラッシュ!(パイオニア)
今日も元気に新フォーマット・パイオニアのデッキを紹介しよう! 今日はスピード重視、20点のライフを削り取って勝つことを狙った赤いアグロデッキを取り上げよう。
赤と言えば、時代によって強さにブレがある色という印象が強い。鍵となるのは軽量クリーチャーと対戦相手本体にダメージを与える火力呪文の質、そして息切れ対策的な中マナ域のカードがあれば文句なしというところ。僕がスタンダードのデッキをちゃんと組みだしたころ、『ウルザズ・サーガ』から『メルカディアン・マスクス』までの時期のスタンダードなんかじゃ、これに当てはまるものが大変に少なくてかなり弱かったりしたもんだ。
しかしながら2014年以降、赤にはこれらの条件を満たすカードが定期的に供給され、それゆえにスタンダードにはいつだって赤単がいた……なんだったら最強のデッキとして君臨したタイミングもあった。ここ5年の赤単の強いところをぎゅっと濃縮してさらに+αとくりゃあそれはそれは強いデッキが組めることだろう。
そんなわけでまずは赤単色のデッキから見てみよう!
14 《山》 4 《ラムナプの遺跡》 1 《エンバレス城》 -土地(19)- 4 《ボーマットの急使》 4 《ギトゥの溶岩走り》 4 《僧院の速槍》 4 《損魂魔道士》 4 《大歓楽の幻霊》 1 《熱烈の神ハゾレト》 -クリーチャー(21)- |
4 《乱撃斬》 4 《稲妻の一撃》 4 《舞台照らし》 4 《魔術師の稲妻》 4 《密輸人の回転翼機》 -呪文(20)- |
3 《暴れ回るフェロキドン》 2 《ゴブリンの鎖回し》 2 《熱烈の神ハゾレト》 4 《灼熱の血》 4 《粉々》 -サイドボード(15)- |
まさしく過去5年間のオールスターとでも言うべき面々!
《ボーマットの急使》《ギトゥの溶岩走り》ら速攻部隊に、果敢で打点を上げる《損魂魔道士》、そしてその両方の能力を持ったスーパーエース《僧院の速槍》! 計16枚の1マナクリーチャーだけでも質が高い。
2マナ域には《大歓楽の幻霊》、モダンでも活躍する優秀なダメージ発生源だ。《致命的な一押し》とかで除去されても最低限のダメージは刻み付ける仕事人。
これらのクリーチャーを最序盤にはガガガッと全力展開して殴る。対戦相手がクリーチャーを出して壁にしてくるのであれば、《乱撃斬》などの火力で除去して道を拓きつつ果敢を誘発させて殴る。あるいは《密輸人の回転翼機》に乗り込んで空から殴る。
殴る殴る殴る、とにかく勝利を目指して前に進む、それが赤単だ。
赤単にとって命題である、手札を使い切ってからのゲームにおいてもぬかりはない。《ボーマットの急使》はカードを供給、これで3~4枚引けたら勝ったようなもの。《舞台照らし》も最善のタイミングで使っていきたいところだ。
《密輸人の回転翼機》も、土地や今さら戦場に出ても効果が薄いクリーチャーを捨てて《魔術師の稲妻》などの本体に投げつける火力を引き込むチャンスをくれる。
不要な土地といえば《ラムナプの遺跡》も忘れちゃいけない、無駄なくダメージを与えよう。最後には母なる《熱烈の神ハゾレト》がガシャーンと突っ込んですべてが終わる。
ここ数年の赤いアグロと言えば単色のみにあらず。2015年、『タルキール龍紀伝』のリリースとともに出現したのは「アタルカ・レッド」だ。
基本は赤単と同じ、殴って焼いて殴るというデッキなのだが、緑を足すことで《アタルカの命令》で対戦相手に3点ダメージを撃ち込みつつ自軍の全クリーチャーすべてに+1/+1修整を与えるモードを選び、たった2マナで大ダメージを叩き出すことを狙ったデッキだ。
10 《山》 4 《踏み鳴らされる地》 2 《森》 2 《獲物道》 2 《根縛りの岩山》 -土地(20)- 4 《僧院の速槍》 2 《鋳造所通りの住人》 2 《鐘突きのズルゴ》 4 《大歓楽の幻霊》 2 《ケラル砦の修道院長》 2 《無謀な奇襲隊》 -クリーチャー(16)- |
4 《乱撃斬》 4 《稲妻の一撃》 4 《ドラゴンの餌》 4 《アタルカの命令》 2 《批判家刺殺》 1 《舞台照らし》 2 《軍族童の突発》 4 《かき立てる炎》 -呪文(25)- |
3 《トーモッドの墓所》 4 《頭蓋割り》 3 《破壊的な享楽》 3 《灼熱の血》 2 《極上の炎技》 -サイドボード(15)- |
クリーチャーや火力の中には赤単と同じものが多数見られるが、異なる点に注目してみると……《ドラゴンの餌》《軍族童の突発》とトークン生成呪文が採用されている。
これはカード1枚で複数体のクリーチャーを並べられるので、《アタルカの命令》のダメージをより引き上げられるため。
またこれらトークン生成カードのおかげで《かき立てる炎》が運用できるというのも大きい。クリーチャーをタップして相手本体へ4点ダメージをボンボン投げつけて速やかなゲームエンドを目指すべし。
《鋳造所通りの住人》や《無謀な奇襲隊》もトークンとの相性は◎。
打点が上がる要素が赤単よりも多いので、どう展開するのが最も早くライフを削り切れるのか、手札と相談しながら進めていくのが重要となるだろう。ただのブンブンデッキというわけではない。
カードプールが広いフォーマットでは、あれがやりたいこれがやりたいと、さまざまな要素を備えたデッキが組まれがちである。始まったばかりのパイオニアはその要素が色濃く、あれもこれもと我がままな構築をしているデッキも少なくない。
そんなデッキがちょっともたついている時を逃さずに狩る! このような赤を中心としたアグロデッキは立ち位置が確立されていると言えよう。正面切っての殴り合い、ぶちかましていこうぜ!
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