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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ダイス・フォージ(モダン)
父「今日はどこへ行くんだい?」
息子「近所のカード屋さんだよ!」
父「そうか、何の大会があるんだい?」
息子「モダンだよ!」
父「もう一人で大会に行けるようになって、立派なもんだ。忘れ物はないかい?」
息子「大丈夫だよ!」
父「財布、ハンカチ、デッキ、ライフメモにペン……」
息子「全部持ってるってば!」
父「ダイスはどうだ?」
息子「デッキケースに入れてるよ」
父「そんなんじゃとても足りないだろ、だってお前のモダンのデッキって……」
1 《島》 1 《荒地》 4 《ウルザの塔》 4 《ウルザの鉱山》 4 《ウルザの魔力炉》 1 《発明博覧会》 1 《海門の残骸》 3 《爆発域》 1 《幽霊街》 -土地(20)- 4 《地核搾り》 1 《歩行バリスタ》 -クリーチャー(5)- |
4 《永遠溢れの杯》 2 《ミシュラのガラクタ》 4 《探検の地図》 4 《うねりの結節》 1 《魔術遠眼鏡》 2 《罠の橋》 4 《神秘の炉》 3 《パラドックス装置》 3 《霊体のヤギ角》 4 《大いなる創造者、カーン》 4 《人知を超えるもの、ウギン》 -呪文(35)- |
1 《呪文滑り》 1 《ワームとぐろエンジン》 1 《歩行バリスタ》 1 《トーモッドの墓所》 3 《次元の歪曲》 2 《魔術遠眼鏡》 1 《液鋼の塗膜》 1 《世界のるつぼ》 1 《罠の橋》 1 《魔女封じの宝珠》 1 《マイコシンスの格子》 1 《イシュ・サーの背骨》 -サイドボード(15)- |
「『ダイス・フォージ』なんだから!」と叫んだ父親がいたとかいないとか。
マジックを遊ぶ上で必要なもののひとつとして、ダイス(さいころ)がある。+1/+1カウンターやプレインズウォーカーの忠誠カウンターなど、カードの上に置くカウンターとしてダイスを用いるのがメジャーであり、かつ見た目にもこだわれるので、さまざまなダイスをコレクションしているプレイヤーも少なくない。先手後手を決める際にもダイスロールなら手軽でわかりやすいしね。
このダイスを大量に用いるため、デッキ名にそれを冠したのが今回のデッキ「ダイス・フォージ」だ。
フォージとは《神秘の炉》のことであり、すなわちこれを使ってアドバンテージを得るために大量のアーティファクト&無色の呪文で構成されているデッキである。
土地構成を見てもらえば一目瞭然だが、このデッキは「トロン」と呼ばれるデッキの亜種である。
《ウルザの塔》《ウルザの鉱山》《ウルザの魔力炉》の3種を揃えて得た大量のマナで無色のパワーカードを唱えて暴れよう! そのために全力で土地をかき集めよう! というのが「トロン」のコンセプトだが、このデッキではそこまで土地を集めることに執着しておらず、揃えばラッキーくらいの感覚。むしろほかの手段でマナを得る方に力を注いでいる。
それがこのデッキがダイスを大量に必要とする理由だ。《地核搾り》と《うねりの結節》である。
まさかこの時代にこんなカードたちがクローズアップされるなんてね……マジックとは本当に読めないゲームだ。
この2種類のカードに共通するのは、蓄積カウンターをアーティファクトの上に置くという点。これらのカードで蓄積カウンターを増やす対象が《永遠溢れの杯》と《霊体のヤギ角》。
蓄積カウンターの数だけマナを生み出す、これらのアーティファクト・マナ加速を《地核搾り》と《うねりの結節》でブチ上げるってわけだ。これらのマナ加速、たとえX=0でプレイしようとも、これらで後からカウンターを乗せてやればガンガンとマナを供給してくれるようになる。
このコンボとウルザ土地から得たマナで、《神秘の炉》でめくれたアーティファクトを延々とプレイしていこう……それがこのデッキの目指す気持ちの良い瞬間だ。
搾り&結節コンビは《虚空の杯》とも相性が良い。
本来なら高いマナ域の呪文を打ち消そうと思ったら杯にはかなりのマナを注がなければならないが、0で置いて後から乗せればオールOK。最序盤はとりあえずX=1で設置しておいて、後からその値を高めていくのも良い。こちらが炉で回りだしている時に杯は邪魔になることもあるので、そういう時にカウンターを増やして自分の呪文が打ち消されないようにするという小技も駆使しよう。
これらのエンジンと炉、そして《パラドックス装置》が揃えば、これすなわち勝利だ。
蓄積カウンターを置いてマナを出してとアーティファクトをタップし、炉で見えたカードを唱えることでこれらをアンタップ。さらにカウンターを増やしてマナも増えて、ライブラリーの上が土地だった時も炉の能力で追放して……というのを延々と行えるようになる。膨大なマナを注いだ《歩行バリスタ》でバスバス撃ち込んでライフを削りきるか、《大いなる創造者、カーン》と《マイコシンスの格子》のロックコンボを決めるか、お好きな方法でThe End!
最初はちっぽけな鉄くずみたいなアーティファクトが、並ぶことでお互いに真価を発揮する。毎ターン、システムをガチャガチャと起動して盤面を形成していくのは都市建設シミュレーションゲームとかが好きなプレイヤーの琴線に触れるはずだ。
冒頭でも触れたように、このデッキは中途半端な数のダイスではとてもじゃないが運用できないという点には注意しよう。このデッキに限らず、自分のデッキが必要としているダイスやトークンは自分で用意するのが筋というものだ。
お気に入りのカラーリングや刻印が施されたダイスをじゃらじゃらとダイスバッグに入れて、テーブルの上をにぎやかに飾ろうじゃないか!
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