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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

バント・シフト(スタンダード)

岩SHOW

 MTGアリーナからマジックを始めて少し経った良い子のプレイヤーの諸君! 君たちはもうマジックにおける「事故」というものの怖さがよくわかったんじゃないかい?

 マジックはライブラリーをシャッフルし、無作為化された状態でカードを引いてゲームを行うので、時にドローが偏ることがある。マイナスに働くこれを、回避できないものとして事故と呼ぶ。

 事故の主なものは土地に関するもので、これは2種類。土地を引きすぎて呪文が唱えられない状況=マナ・フラッドと、逆に土地が1~2枚で止まってしまって手札の呪文がほとんど唱えられない状況=マナ・スクリューだ。

 これら土地事故と呼ばれる現象は、遭遇しない幸運に恵まれることが何よりではあるが、デッキ構築に工夫をしたりマリガンをしっかり行うことでそのダメージを緩和させることはできる。個人的には、フラッドにおいて強いカードやデッキが好きだ(たびたびフラッドするのでね……)。ドローは9枚目の土地、でもこれには使い道がある!というデッキだと安心してプレイができる。

 モダンの《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》を用いるコンボデッキが大好きなのはこういった理由からだ。大ダメージを叩き出すコンボデッキだが、お互い全力を出し切っても決まらないグダった状況下で、土地を戦場に出すだけでヴァラクートが3点!3点!とダメージを刻んでくれて勝ち!ということが度々ある。

 で、本題。今現在のスタンダードには、この「ヴァラクート」デッキのようにコンボでありながらマナ・フラッドに陥っても土地を出し続けることで勝利できるデッキが……ある!なんとも興味をそそるじゃないかとプレイしてみると、まさしく土地を置くだけで勝ったゲームがいくつかあった。

 こりゃいいやってことで、フラッドに苦しみがちな皆のために紹介しよう、「バント・シフト」だ!

Obstinate Baloth - 「バント・シフト」
スタンダード (『イクサラン』~『基本セット2020』)[MO]
2 《
1 《平地
1 《
2 《寺院の庭
1 《陽花弁の木立ち
1 《花咲く砂地
1 《セレズニアのギルド門
2 《繁殖池
1 《内陸の湾港
2 《神秘の神殿
1 《茨森の滝
1 《シミックのギルド門
2 《神聖なる泉
1 《氷河の城砦
1 《平穏な入り江
1 《アゾリウスのギルド門
1 《天才の記念像
4 《死者の原野
1 《爆発域
-土地(27)-

4 《樹上の草食獣
4 《エルフの再生者
4 《発現する浅瀬
4 《ハイドロイド混成体
-クリーチャー(16)-
4 《成長のらせん
4 《迂回路
4 《風景の変容
1 《次元の浄化
4 《時を解す者、テフェリー
-呪文(17)-
3 《変容するケラトプス
3 《アジャニの歓迎
3 《夏の帳
3 《ドビンの拒否権
2 《押し潰す梢
1 《次元の浄化
-サイドボード(15)-
 

 キーカードは《死者の原野》と《風景の変容》。

 《死者の原野》はこれを含んで7種類以上の土地をコントロールしていれば、土地が戦場に出た際に2/2のゾンビ・トークンを生成する。土地が7枚ある状態で《風景の変容》を唱えて7枚全部を生け贄に捧げて、ライブラリーからこれとその他6種類の土地を持ってくると……7種の土地が同時に戦場に出るので、原野の能力は7回誘発、結果7体のゾンビが地の底から湧いてくる。これでも14点分の打点があるので強いっちゃ強いが、8枚以上土地がある状態で原野を2枚以上並べると……20体くらいのゾンビが戦場を黒く染め上げるという、まさしく地獄絵図に!

 このコンボを狙うために、緑が誇る土地を並べるタイプのマナ加速がデッキにはズラリと。到達持ちの0/3ボディが地味ながら優秀な《樹上の草食獣》、ブロック用に使えて基本土地以外もライブラリーから見つけられる《エルフの再生者》に加えて、新カード《発現する浅瀬》で土地を伸ばすなりカードを手に入れるなりでアドバンテージを稼ぎ出そう。

 これらのクリーチャーとともに《成長のらせん》《迂回路》も駆使して、原野の条件である7種類以上の土地が並ぶ下地を作っていくわけだ。

 《迂回路》は門も探せるため、7種類以上という条件のために各種ギルド門を採用するこのデッキとの噛み合いはバッチリ、《次元の浄化》も無理なく運用できるぞ!

 白が入っている理由は上記の《次元の浄化》の他に、毎度おなじみな《時を解す者、テフェリー》を使えるのも大きい。

 打ち消し呪文を使う相手に対して憂いなく《風景の変容》を唱えられるようになるし、[+1]能力でソーサリーである変容を相手のターン終了ステップに唱えることで、《ケイヤの怒り》《目覚めた猛火、チャンドラ》などの全体除去でゾンビを薙ぎ倒されることなく隙のないコンボを決めることが可能となる。これらのカードはスタンダードでは非常によく見かけるものなので、テフェリーの存在はなくてはならないものだと言えるだろう。

 そんなテフェリーも、クリーチャーで序盤からガシガシ殴り、特にインスタントどうこうが関係ない、いわゆるアグロデッキの類には本領を発揮できない。こんな時に入れ替えて代わりに役に立つのが《次元の浄化》追加分と……まさかの《アジャニの歓迎》だ。

 相手のライフを削り切れるほどの大量のゾンビは出せないが、とりあえず《風景の変容》から複数体は並べられるという時に、このエンチャントがあればゾンビの数だけ瞬間的に回復できる。ゾンビでブロックするなり回復させたライフで受けるなりして、そこから《迂回路》や次の変容、《ハイドロイド混成体》に繋げる時間は大いに稼ぐことができる。10体以上生成できたならば、「赤単アグロ」に火力でワンチャンス、という状況も作らせない。盤面とライフの双方で相手を絶望に追いやる、オススメのコンボだ!

 《風景の変容》がうまく決まれば即決着、そうでなくても原野から後続の土地を設置しているだけでゾンビがわらわら湧いてきて圧を掛けられるのが魅力の「バント・シフト(シフトは《風景の変容》の英名から)」。フラッドしがちな体質で……という僕と同じ属性の方には、一度試してほしい逸品だ!

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