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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

グルール・ストンピィ(スタンダード)

岩SHOW

 『灯争大戦』のストーリーで……ドムリ・ラーデは逝ってしまった……グルール魂を持つ者にとっては悲しい別れである。若く、エネルギーにあふれた彼はまさしくグルールだった……さらば、ドムリ。彼が去ってしまっても、グルールの民はその反逆の魂を継承し、心に野生を持ち続けよう! ここからグルールにとっての本当の戦いの始まりだッッ!

 ……か、どうかはともかく、『基本セット2020』が参入することでグルールも新戦力を獲得している。グルールのデッキといえば赤と緑でクリーチャーで殴るという形であれば何でもそうなので、さまざまなバリエーションがある。

 今日紹介するのは、その中でも緑の要素が色濃い、よりヘビー級のパンチを繰り出して盤面を「踏み潰す」、ストンピィと呼ばれるタイプのものだ。それじゃ早速リストをチェック!

Logbomb - 「グルール・ストンピィ」
スタンダード (『イクサラン』~『基本セット2020』)[MO] [ARENA]
14 《
4 《根縛りの岩山
4 《踏み鳴らされる地

-土地(22)-

4 《ラノワールのエルフ
4 《生皮収集家
4 《樹皮革のトロール
4 《原初の飢え、ガルタ
4 《クロールの銛撃ち
4 《グルールの呪文砕き
4 《鉄葉のチャンピオン
4 《無効皮のフェロックス
2 《変容するケラトプス
2 《蔦草牝馬

-クリーチャー(36)-
2 《巨大化

-呪文(2)-
Logbomb氏のTwitter より引用)

 《無効皮のフェロックス》を採用しているのもあって、非クリーチャー呪文は《巨大化》2枚のみ、クリーチャーが36体ズラリという荒々しいリストだ。

 《ラノワールのエルフ》からの2ターン目《鉄葉のチャンピオン》or《グルールの呪文砕き》というのが必殺ムーブ、毎ターンマナを使い切ってコスト効率に優れたクリーチャーを展開していって《原初の飢え、ガルタ》へと繋げる!

 脳もマッスルでできていると言わんばかりの一直線さが売りだ。細かい技は持っていないが、だからこそ特化したパワーはあらゆるものを踏み潰す!

 主に赤系のデッキはその構造的に《原初の飢え、ガルタ》を除去することがほぼ不可能であり、そういったデッキに対して12/12トランプルのサイズで圧殺を仕掛けるのを得意とする。呪禁持ちも複数体いるので除去耐性もそこそこあり、黒い呪文でピンポイントで対処しようというデッキにも勝負できる。

 このデッキに新たに加わったのが《樹皮革のトロール》!

 2マナで3/3というサイズに優れており、単体でのパンチ力もさることながら《生皮収集家》を育てるのにも貢献してくれる。また、マジックにおけるトロールはしぶとさの象徴である例に漏れず、このトロールも自身のサイズをダウンさせる代わりに一時的に呪禁を得るという仕様。アンチ単体除去力をまたひとつアップさせたのは大きな収穫だ。しかも2マナと現実的なコストなのが嬉しい!

 もう1種、存在感を放っている新顔が《変容するケラトプス》!

 こちらも4マナでパワー5とパンチ力があり、打ち消されないのでプランが崩れにくい。プロテクション(青)で《精鋭護衛魔道士》や《ハイドロイド混成体》を無視してプレイヤー本体へ一直線! 各種テフェリーに弾かれることがないのも安心できるね。速攻を得られるのでタイムラグなく攻めることができ、大型クリーチャーには欠かせないトランプルもしっかりと。到達は忘れられがちなので、うっかりアタックを見逃さずキャッチすることもあるだろう(笑)。

 トロールとケラトプス、どちらもコントロールデッキ相手への脅威となり得る新戦力を得て、「グルール・ストンピィ」隆盛なるか?

 このリストはMTGアリーナでの『基本セット2020』リリース直後にミシックランクの一桁台に到達したという、信頼できる実績持ちだ。メインしかないのは、BO1(1本勝負)のランク戦で用いられたものだったため。せっかくなので、BO3(2本先取)でも使えるようにサイドボードを考えてみようか。

 まずは赤が入っているのでこれは欠かせんだろうと、《丸焼き》!

 青白系の各種プレインズウォーカー、《黎明をもたらす者ライラ》といったカードを一発で退場させてくれるぞ。

 これとサイクルを形成している色対策カード《夏の帳》もとっても強いので、緑のデッキをやる際には第一に考えてみてほしい。

 打ち消しを防ぎ、自身とパーマネントに青と黒からの呪禁を付与。除去から手札破壊まで、幅広く対策になりつつカードが1枚引ける、と隙の無い1マナインスタント、お試しあれ。

 クリーチャーデッキには《ドムリの待ち伏せ》と《切り裂き顎の猛竜》を。

 猛竜に関しては、むしろメインの《蔦草牝馬》や《変容するケラトプス》と入れ替えても良いだろう。好みと仮想敵に合わせてベストなクリーチャー陣容を探ってほしい。

 《貪る死肉あさり》は環境が変わっても一定数存在し続ける《弧光のフェニックス》デッキへの対策であるし、《戦慄衆の指揮》デッキへの嫌がらせも兼ねる。また《骨への血》を使った野心的なデッキと遭遇することも想定しての採用だ。《再利用の賢者》もまた環境初期特有のエンチャントやアーティファクトを利用したクセの強いデッキへの対抗手段として枠を設けている。

 この2枚をまとめて《自然への回帰》にするという手もあるね。フェロックスとの兼ね合いでクリーチャーにしているが、各自の好みで調整してみよう。

 最後の3枚、ビビアン3種盛りは……せっかくこれだけ揃ったのだからという趣味的な意味合いも大きい(笑)。

 いずれもアドバンテージを稼げるものなので、そういった勝負になる相手にサイドインして活躍させてやろう。新顔《アーク弓のレインジャー、ビビアン》は、これやその他のカードを入れるためにサイドボードに落としたクリーチャーを手札に持ってこれる点が面白い。サイドにもう少しクリーチャーを配分して、メインから使ってみるのも面白いはず!

 基本セットらしく、既存のデッキの隙間をうまく埋めてくれるカードが得られたように見えるグルール。ストンピィ型以外にも、中速型や戦士型などバリエーションは豊富。死んだとは言えカードとしてはドムリもまだまだ現役なので、思い思いのグルールを構築して、広大なカードプールからなるスタンダードを駆け抜けよう!

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