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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ベリードアライブ2019(レガシー)
普段プレイしない人は知らないかもしれない、レガシーおよびヴィンテージでは墓地のカードの順番を入れ替えてはいけないことを(逆に他のフォーマットでは自由にわかりやすく並べ替えてOK、統率者戦も厳密なルールではダメ)。
なぜ、これらエターナル環境だけが墓地を見やすく整理することを禁じているのか? これは何もいじわるをしているわけじゃない。古いセットのカードには、墓地の並び順を参照するカードがあるのだ。墓地の一番上のクリーチャーを戦場に出す《浅すぎる墓穴》《死体のダンス》や、墓地にある時にこれのすぐ上のカードがクリーチャーだったら手札に戻せる《死の火花》など、ややこしくはあるが個性的で面白いカードがあったもんだ。
その中でも個人的に最も好きだったのは《灰燼のグール》! 自身の上に3枚以上のクリーチャーカードがあれば、墓地から戦場に戻すことのできるゾンビだ。積み重なった死骸から這い出てくるというフレイバーだろうか、パワーが3あって速攻も持っており、突然の奇襲を仕掛けることができたなかなかの強カードであり、「ワイルド・ゾンビ」や「ベリードアライブ」といったデッキで主力として活躍した。
名デッキ中の名デッキである「ワイルド・ゾンビ」については今度取り上げるとして、「ベリードアライブ」について説明しよう。意味は生き埋め、そのまんま《生き埋め》がキーカードだ。
《暗黒の儀式》から《黒騎士》《不吉の月》などを繰り出す黒単色のビートダウンデッキに、《灰燼のグール》とこれの先輩にあたる《冥界の影》を仕込み、《生き埋め》でこれらを墓地に貯めて一気に展開するギミックを搭載していた、それはそれは激シブなデッキである。うーん、使ってみたい!
この「ベリードアライブ」を現代に蘇らせたデッキがある。でも走るのはグールじゃない。墓地から蘇るクリーチャーと言えば、今ではすっかりその代名詞となった《弧光のフェニックス》だ。
過去のデッキを不死鳥が蘇らせるというのもなんだかドラマチックな話ではないか。スタンダード、モダンに収まらず、レガシーにまで進出してきたフェニックス・デッキを見てみよう!
1 《島》 1 《沼》 3 《Underground Sea》 2 《Volcanic Island》 1 《Badlands》 4 《汚染された三角州》 4 《沸騰する小湖》 2 《血染めのぬかるみ》 -土地(18)- 3 《若き紅蓮術士》 2 《悪意の大梟》 4 《弧光のフェニックス》 -クリーチャー(9)- |
4 《暗黒の儀式》 4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《定業》 4 《陰謀団式療法》 4 《思考囲い》 2 《稲妻》 4 《生き埋め》 2 《最後の望み、リリアナ》 1 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(33)- |
4 《トーモッドの墓所》 2 《高山の月》 2 《削剥》 2 《悪魔の布告》 2 《残響する真実》 3 《意志の力》 -サイドボード(15)- |
こういうデッキを待っていた、と言える激シブっぷりだ。《生き埋め》はそれ自身がソーサリーであるため、フェニックスを墓地に仕込みながらそれの復活に必要なカウントを1つ進めることができる。レガシーにはこの3マナのソーサリーを早いターンに唱えるのに必要な《暗黒の儀式》もある。
あとは黒の手札破壊とか青のドローとか、1マナの呪文を唱えればフェニックスが3羽戦場に舞い降りることになる。なんと2ターン目にだ! 《暗黒の儀式》を連発すれば1ターン目からだってできてしまう。これは十分に狙う価値のあるコンボであり、実現度もかなり高いし、ライフを大量に払うなどのリスクもないのが良いね。
デッキはグリクシス(青黒赤)カラーにまとめてある。黒と青の役割は前述の通り、フェニックス復活のために必要なインスタントとソーサリー。赤は手札に来たフェニックスをいざという時に唱えるため、そしてフェニックスだけに頼らないように勝ち手段として《若き紅蓮術士》を採用している。
ドローと手札破壊でトークンを並べて殴って良し、空からフェニックスで攻めている間に地上の攻撃をブロックして良し。《陰謀団式療法》ととてつもない相性を誇っている点でも欠かせない1枚だと言える。
《陰謀団式療法》は相手に対して唱えて手札をズタボロにするのが基本だが、時と場合によっては自分に対して唱えるという選択肢もあるのを忘れずに! フェニックスが手札に複数枚来てしまった時に、まとめて捨てて蘇らせるという作戦で臨機応変に戦っていこう。
墓地対策をされてしまっても勝てるように、プレインズウォーカーもメインから仕込んである。
グリクシス系のデッキでは定番のジェイス&リリアナコンビなのだが、このデッキの《最後の望み、リリアナ》は墓地を増やしてフェニックスを落としに行くのも狙える点で他のデッキよりもそのポテンシャルをフルに発揮していると言える。《渦まく知識》で手札のフェニックスを仕込んで落とす、というアクションは一度はやってみたいテクニカル・ムーブだ。
パーマネントによる墓地対策にも案外強かったりするかもしれない。例えば《虚空の力線》を置かれてしまっても、《残響する真実》で弾いてから《暗黒の儀式》→《生き埋め》で一気にコンボを決めてしまえる。しかしながら同名のカードを複数用いるという点で《外科的摘出》には無茶苦茶弱いので、そこは手札破壊を用いて丁寧にやっていこう。
9点の航空戦力で一瞬でゲームを終わらせることができるのが魅力のフェニックス型「ベリードアライブ」。《弧光のフェニックス》の進撃はどこまで続くのだろうか?また、このカードのように猛威を振るうカードが『ラヴニカの献身』の中にも潜んでいないか、そこも気になっちゃうね!
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