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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

セラズニア(スタンダード)

岩SHOW

 前回は「鉄葉ストンピィ」のバージョンアップデッキの1つを紹介した。一体どんなデッキかはそちらを見てもらうとして、今日紹介するデッキも流れに乗って鉄葉派生形デッキを1つ取り上げよう。

 そのデッキは、ある明確な意思のもとに組まれている。「ゴルガリ(黒緑)を狩る」という決意である。ゴルガリカラーの中速デッキは前々回にも紹介したように、今現在スタンダードのど真ん中に位置する人気デッキである。クリーチャーに優れ、アドバンテージが取れ、パーマネントに触れることができる……序盤から終盤まで隙が無い、タフなデッキだ。

 強くて人気なデッキがあれば、それを狩るためのデッキが組まれるのは自然の摂理。そんなわけで、世界中のプレイヤーが対ゴルガリデッキの研究に勤しんでいる。

 これを読んでいるあなたも、そんなデッキを求めていたりするかな? だったらこのリストから何か掴めるかもしれないぞ!

232477435 - 「セラズニア」
Magic Online Competitive Standard Constructed League 5勝0敗 / スタンダード (2018年10月14日)[MO] [ARENA]
11 《
1 《平地
4 《寺院の庭
4 《陽花弁の木立ち
-土地(20)-

4 《ラノワールのエルフ
4 《生皮収集家
4 《クロールの銛撃ち
3 《茨の副官
1 《原初の飢え、ガルタ
4 《鉄葉のチャンピオン
2 《打ち壊すブロントドン
4 《無効皮のフェロックス
4 《蔦草牝馬
-クリーチャー(30)-
3 《セラからの翼
2 《イクサランの束縛
4 《開花 // 華麗
1 《確証 // 確立
-呪文(10)-
4 《秋の騎士
1 《打ち壊すブロントドン
4 《黎明をもたらす者ライラ
1 《殺戮の暴君
1 《形成師の聖域
1 《イクサランの束縛
3 《ビビアン・リード
-サイドボード(15)-
 

 セレズニア(緑白)カラーになった「鉄葉ストンピィ」だ。でも前回の怪獣デッキとは構成要素が大きく異なる。このデッキの最大の特徴は、対ゴルガリ用に呪禁持ちクリーチャーを優先して採用している点だ。《無効皮のフェロックス》に《蔦草牝馬》である。

 この4マナクリーチャーたちは対戦相手の呪文や能力の対象にならない。ゴルガリは先述の通り、除去に優れたデッキだ。クリーチャーへは《暗殺者の戦利品》《貪欲なチュパカブラ》と単体除去を雨のように降らせることができるのも強みだ。そういったカードがメインデッキに大量に投入されているのを逆手にとっての、これら除去しにくい呪禁持ちの大量採用というわけだ。

 《無効皮のフェロックス》は2マナ支払われてしまうと呪禁がなくなるが、その2マナを工面する時間を許さないほどの圧倒的なサイズが物を言う。コイツの恐ろしいところは、ゴルガリ以外のデッキを相手にした時にも強い点。タフネス6は赤いデッキの火力1枚では除去しきれず、1対2以上の交換を要求される。グリクシス(青黒赤)カラーの中速デッキでは《破滅の龍、ニコル・ボーラス》の手札を捨てさせる能力をこちらにとってのプラスにしてしまうのも魅力的だ。

 《蔦草牝馬》はサイズではフェロックスに劣るが、能力で解除されない呪禁で安定感抜群。パワー5も殴るには十分な値だし、相手の黒いクリーチャーによってはブロックされないという回避能力も対ゴルガリ戦では効果的に機能する。粘られずにさっさと殴り倒すことができるのは、じっくりアドバンテージを稼いで戦うデッキ相手には大事なポイントだ。

 これらの除去されにくいクリーチャーをさらに暴力的な存在に変えるのが《セラからの翼》!

 これを貼られているクリーチャーは伝説になるというちょっとしたデメリットを背負うが、代わりにサイズアップしたうえで飛行・警戒・絆魂と戦闘を有利にする能力をまとめて得られるのだ! これで対ゴルガリのダメージレースを完全に制してしまおうというわけ。《セラからの翼》を用いるセレズニアだから「セラズニア」……と呼ばなくても良いが、そういう戦略があることは覚えておいて損はないぞ。

 どうせ白を足すならと他にも除去である《イクサランの束縛》や各種分割カードを採用。

 《開花 // 華麗》の《開花》は序盤は土地の枚数が少ない手札をキープしやすくしてくれる土地サーチとしてしっかりと働き、後半は《華麗》で《ラノワールのエルフ》のような殴りに行けないクリーチャーたちもまとめて強化してゲームエンドへと持っていけると、2枚合わせてかなり便利な1枚。

 《確証 // 確立》の《確証》は呪禁を剥がされて破壊除去を撃ちこまれたフェロックスを救うのに使ったりもできる、手札にあると嬉しい1枚。いざともなれば《確立》でクリーチャー運用もできるのはありがたいね。

 万能さで言えばサイドボードの《秋の騎士》なんかもイカすね!と、新カードでがっちり強化された「鉄葉ストンピィ」セレズニアバージョン、対ゴルガリやコントロールデッキの先鋒として、この環境を切り開いていくことはできるかな?

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