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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ジャンド(モダン)

岩SHOW

 モダンで根強い人気を誇る「ジャンド」。黒赤緑の3色をバランスよく用いる中速のデッキだ。

 このデッキの強さの秘密は対応力の高さ。黒の手札破壊でコンボデッキのプランを崩す、あらゆるものを破壊する除去の豊富さで対クリーチャーデッキも安心、赤い火力と速攻クリーチャーで遅いデッキに速度勝負ができる……と、あらゆる相手に対応可能なのが「ジャンド」というデッキだ。それゆえに、長らくモダン環境でも愛され続けている。

 このデッキは新戦力を得たり失ったり、取り戻したりと今日に至るまでいろんなことがあった。この2018年秋には朗報、新戦力を獲得したのは皆さんの予想通り。《暗殺者の戦利品》だ。

 このインスタントはパーマネントであれば何でも破壊できる。これまでも黒緑に《突然の衰微》なり《大渦の脈動》なり万能パーマネント除去はあったが、文字通りなんでも、イコール土地まで破壊できる呪文はなかった。《暗殺者の戦利品》で土地が割れるということは、これまで苦手にしてきた「トロン」への相性もやや改善されるか? またパーマネントが土地以外何も出ていない状況下での《血編み髪のエルフ》でのハズレも減ったのもささやかながら嬉しいところ。

 この新除去を採用した「ジャンド」のサンプルを見てみよう!

maxbv - 「ジャンド」
Magic Online Competitive Modern Constructed League 5勝0敗 / モダン (2018年10月15日)[MO] [ARENA]
2 《
1 《
1 《
2 《血の墓所
2 《草むした墓
1 《踏み鳴らされる地
4 《新緑の地下墓地
2 《血染めのぬかるみ
1 《樹木茂る山麓
4 《黒割れの崖
1 《黄昏のぬかるみ
2 《怒り狂う山峡
1 《樹上の村
-土地(24)-

4 《タルモゴイフ
3 《闇の腹心
3 《漁る軟泥
1 《不屈の追跡者
4 《血編み髪のエルフ
-クリーチャー(15)-
4 《コジレックの審問
2 《思考囲い
3 《稲妻
2 《致命的な一押し
3 《暗殺者の戦利品
1 《突然の衰微
2 《コラガンの命令
1 《大渦の脈動
3 《ヴェールのリリアナ
-呪文(21)-
3 《大爆発の魔道士
1 《ゲトの裏切り者、カリタス
2 《虚無の呪文爆弾
2 《集団的蛮行
1 《古えの遺恨
2 《神々の憤怒
3 《虚空の力線
1 《ヴェールのリリアナ
-サイドボード(15)-
 

 芯となっている部分は黒と緑だ。手札破壊で相手のプランを打ち崩しつつ、《タルモゴイフ》などサイズに優れたクリーチャーを早めに展開。ダラダラ引き延ばすゲーム展開ではなく、これらで序盤から攻撃しながら相手のクリーチャーは除去、確実に追い詰めていくというゲーム展開が理想だ。

 この黒緑系のデッキの理想のストーリーラインをより強くするために赤いカードが足されている。もちろんその最たる理由は《血編み髪のエルフ》!

 3/2速攻という攻撃的なボディに、続唱能力がついてきてアドバンテージが確実に稼げるすごいヤツ。タルモをめくって良し、妨害呪文をめくって良し。この選択肢に土地も割れて腐らない《暗殺者の戦利品》が入ったのだから、弱いわけがない。勝っている状況でダメ押しになるのはもちろん、攻守をこれ1枚でひっくり返すことすらあり得る、ジャンドの起点とも呼べるカードだ。

 また赤を足したことで《コラガンの命令》というスーパーカードも使用可能なのも、忘れちゃいけないポイントだ。

 アーティファクトを割る・2点ダメージ・手札捨てさせ・クリーチャー回収とやれることが多すぎるモード呪文の鑑。ここはやはり最大級のアドバンテージを狙っていきたいので墓地から《血編み髪のエルフ》を拾いながらパーマネントなり手札なりを1枚いただきたいところ。血編み×コラガン、このもはやコンボとも言える攻撃的なアドバンテージの取りっぷりが「ジャンド」をプレイすべき最大の理由だ。

 「ジャンド」は本当にモダン最初期からあるデッキで、こうして改めてリストを見ると年々着実にカードを得ているというのがよくわかる。思えばモダン発足時は『ラヴニカへの回帰』が出た頃だった。随分と時間、経ったんだなぁ……遠い目をしながら、在りし日を思い出しながら、今日はこの辺で。2年後とかにはまた強力な新カードを得て、進化してるんだろうなぁ。

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