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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

黒緑宿根(スタンダード)

岩SHOW

 個人的に最も好きなギルドはゴルガリ団だ。普段から黒と緑が好きなのは公言しているが、単に色が好きなだけでなくこのギルドのテーマが墓地と関係があるから、というの大きな理由だ。墓地を肥やして何かをする、そのプロセスが大好きなのだ。

 今回のゴルガリに与えられたメカニズムは「宿根」。宿根とは前世から持っているとされる素質や能力を意味する仏教の言葉であり、また冬に狩れてしまっても根が生きていて春に再び花を咲かせる多年草を宿根草と呼ぶ。死しても次に受け継がれる、また蘇るというイメージはゴルガリにぴったりだ。

 この能力語は墓地にあるクリーチャーの枚数を数えてそれに合わせたボーナスが得られるということを示す。やや扱いにくい能力だが、今のスタンダードならこれをしっかり機能させることができるデッキが組めるようだ。

 中でも注目の1枚は《千の目、アイゾーニ》!

 このカード、見た目は6マナ2/3と無茶苦茶貧弱だが、その見た目を大きく超えてくる強さを持っている。トークンが5体以上出るならば打点だけでも同じ6マナの《殺戮の暴君》クラスになるし、1/1とはいえクリーチャーの数が一気に増えるのは形勢を大きく逆転させる。昆虫・トークンで対戦相手にクリーチャーをブロックしながらアイゾーニの能力で生け贄に捧げて回復&ドロー、と繰り返すことで逆転の糸口をつかむことも。

 とにかく、見た目で侮っている人は一度手に取って確かめてみてほしい。新しいスタンダードの墓地活用デッキで、その能力を体感せよ!

moosedroppings - 「黒緑宿根」
Magic Online Competitive Standard Constructed League 5勝0敗 / スタンダード(『イクサラン』~『ラヴニカのギルド』) (2018年9月30日)[MO] [ARENA]
9 《
6 《
4 《草むした墓
4 《森林の墓地

-土地(23)-

4 《ラノワールのエルフ
4 《縫い師への供給者
4 《僧帽地帯のドルイド
3 《光胞子のシャーマン
4 《エルフの再生者
1 《打ち壊すブロントドン
3 《貪欲なチュパカブラ
4 《破滅を囁くもの
2 《千の目、アイゾーニ

-クリーチャー(29)-
3 《暗殺者の戦利品
1 《最古再誕
2 《採取 // 最終
2 《ゴルガリの女王、ヴラスカ

-呪文(8)-
2 《帆凧の掠め盗り
4 《真夜中の死神
3 《疫病造り師
2 《疫病牝馬
2 《打ち壊すブロントドン
1 《貪欲なチュパカブラ
1 《採取 // 最終

-サイドボード(15)-

 リミテッドではゴルガリのカードのみではなかなか宿根のカウントを増やすことができず、ディミーアの青いカードも併せて使われることが多い。でもスタンダードであれば、《縫い師への供給者》を使うことができる!

 1枚で最大7枚(能力で落ちる6枚と自身の合計)のカードを墓地に貯めることができるこの供給者と新カード《光胞子のシャーマン》、そしてサイズにも優れたフィニッシャーでもある《破滅を囁くもの》などを用いてアイゾーニへの準備を行う、「黒緑宿根」デッキだ! うーん、黒と緑のカッコイイカードがたっぷりだ。

 クリーチャー総数は実に29枚。デッキの半分をクリーチャーにすれば、《縫い師への供給者》でどっさり落ちてくれるだろう、という大雑把だが納得させられる構築だ。序盤はこれや《光胞子のシャーマン》で墓地を肥やしながら相手のクリーチャーと相討ちし、緑のエルフたちでマナを増やそう。このデッキのキーカードは5マナ以上、アイゾーニは能力を複数回起動してこそ意味があるので、マナはあればあるほど良い。可能な限り早いターンに《破滅を囁くもの》《千の目、アイゾーニ》を戦場に出せるよう、準備しよう。

 《破滅を囁くもの》は巨大かつ飛んでいるので、これだけでゲームエンドに持っていけるケースもあるだろう。

 その場合はライフ2点を支払って行う諜報能力で、相手のパーマネントを除去できるカードをライブラリーの上に積んでいこう。手札に《千の目、アイゾーニ》があり、対戦相手が本体に直接ダメージを与えてこない、あるいは全体除去を持っていないデッキだった場合は、能力にありったけのライフを注ぎ込んで墓地にクリーチャーを落としまくり、アイゾーニから昆虫軍団を展開して一気にゲームを決めてしまうという大技も狙える。相手のデッキ、手札、盤面を見極めて、これらのキーカードをどう用いるか、プランを練りながらプレイしたい。

 もし肝心のアイゾーニや《破滅を囁くもの》が墓地に落ちてしまったら? ご安心を、活用方法はある。《最古再誕》のⅢ章能力なんかはうってつけだ。

 また新カードの《採取 // 最終》は墓地から2枚もクリーチャーを拾えるので、これで積極的にアドバンテージを取っていきたい。このカードは全体除去《最終》としても使える点が素晴らしい。

 自身のマナ・クリーチャーが巻き込まれることもあるかもしれないが、彼らの死は無駄にはならないので思い切りよく使っていこう。

 死を無駄にしないと言えば《ゴルガリの女王、ヴラスカ》の働きにも注目したい。

 用を済ませたクリーチャーを墓地に送りつつドロー&回復、時折相手のパーマネントを除去。この動きを繰り返しながら盤面を有利に・墓地を豪華にしていきたい。

 もっとアイゾーニの枚数を増やして「ターボ・アイゾーニ」とでも呼ぶべきデッキを目指すというのもやってみたいね。《永遠への旅》と使いまわすクリーチャーを採用してヴラスカでグルグル回すのも面白そうだ。

 ゴルガリの可能性はまだまだ底が見えない。思い思いの墓地活用デッキを目指すのがゴルガリ団員の務めだぞ!

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