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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

5色ドラゴン(スタンダード)

岩SHOW

 『基本セット2019』で登場したエルダー・ドラゴンはいずれも魅力的だ。皆は誰をフィーチャーしたデッキを作ったのかな?

 一番人気は《破滅の龍、ニコル・ボーラス》であることは間違いないと思うけれども、他の面々もスタンダードで活躍させたくなる性能を持っている。《暴虐の龍、アスマディ》なんかはリミテッドで使って面白かったので、活躍させられるデッキはないもんかなと考えていた。

 そしたら見つけてしまったよ、ボーラスはもちろん、そのアスマディも、同じ兄弟の《変遷の龍、クロミウム》も、そしてその他のドラゴンも……とにかく凄まじいリストだ! まずはご覧あれ。

ChaoticCamel - 「5色ドラゴン」
Magic Online Competitive Standard Constructed League 5勝0敗 / スタンダード (2018年7月18日)[MO] [ARENA]
7 《
3 《
4 《泥濘の峡谷
4 《竜髑髏の山頂
3 《異臭の池
4 《手付かずの領土

-土地(25)-

4 《破滅の龍、ニコル・ボーラス
4 《栄光をもたらすもの
1 《厄介なドラゴン
1 《暴虐の龍、アスマディ
2 《転生するデアリガズ
1 《変遷の龍、クロミウム

-クリーチャー(13)-
4 《致命的な一押し
3 《削剥
2 《宝物の地図
1 《喪心
4 《ドラゴンの財宝
4 《ヴラスカの侮辱
3 《火の血脈、サルカン
1 《反逆の先導者、チャンドラ

-呪文(22)-
4 《強迫
3 《マグマのしぶき
1 《削剥
1 《アルゲールの断血
1 《喪心
3 《大災厄
2 《焼けつく双陽

-サイドボード(15)-

 ドラゴン、龍、ドラゴンッ! ドラゴン・タイプのクリーチャーのみを13体も採用した、随分尖ったデッキ構成が眩しい。しかもそのドラゴンが赤のみならず白・青・黒・緑も含まれた、5色デッキときたもんだ。凄まじい!

 こんな構築を可能としたのは《ドラゴンの財宝》と《火の血脈、サルカン》。

 どちらもこれらのドラゴンを唱えるための5色のマナを供給してくれる置物で、マナ加速として1~2ターン早くこれらの今日が戦場に出ることを可能としてくれる。どのエルダー・ドラゴンも使ってみたい、じゃあ全部同じデッキに入れて、これらのパーマネントで運用してやればいい! そんな気概が感じられる素敵なリストだ。

 デッキの根っこの部分は赤黒のコントロールデッキだ。序盤は《致命的な一押し》《削剥》《ヴラスカの侮辱》などで対戦相手のクリーチャーなどのパーマネントに対処するゲーム展開となる。この際に隙あらば《宝物の地図》《ドラゴンの財宝》を設置し、マナを伸ばしたり占術でより欲しいカードが引けるようにする。

回転

クリックで変身します

 《宝物の地図》は《宝物の入り江》に変身させてマナ加速したり、宝物を生け贄に捧げてドローしたりと、ややもっさりした動きになりがちなこのデッキを支えてくれることだろう。

 戦場がやや落ち着いているタイミングが見つかれば、《火の血脈、サルカン》からドラゴン展開としゃれこみたい。個人的にこのデッキの一番の動きは、3ターン目に《ドラゴンの財宝》→4ターン目にサルカン出して、2マナ出しての《破滅の龍、ニコル・ボーラス》! 対戦相手の手札を奪い、4/4飛行とプレインズウォーカーという2つのパーマネントで対処を迫る。サルカンはドラゴンが手札にあればマナ係、なければ土地なんかを捨ててドローと動いていきたい。《栄光をもたらすもの》などもこれらのマナ加速からガンガン展開して、対戦相手をそのまま圧倒したい。

 もし相手も除去をこちらのドラゴンに使ってきて、そのまま落とされてしまっても大丈夫。《ドラゴンの財宝》がある状況でドラゴンを出していれば、カードが1枚ドローできる黄金カウンターを得ることができる。これでまた引いて展開してやればよいのだ。《厄介なドラゴン》から《変遷の龍、クロミウム》、そして《転生するデアリガズ》と……段々とドラゴンの脅威度も上昇していくのも、対戦相手からすればキツいだろう。

 ドラゴンで殴るか、あるいはボーラスを《覚醒の龍、ニコル・ボーラス》に変身させるかしてゲームエンドへ持っていこう。

回転

クリックで変身します

 プレインズウォーカーのボーラス、その強さは疑うまでもない。手札の補充、クリーチャーorプレインズウォーカー除去、墓地からクリーチャー回収……そしてライブラリー吹っ飛ばし、このカードが機能しだすと対戦相手が投了してしまうため、最後の能力を味わえない部分だけが欠点か。

 また、まれにサルカンの[-7]能力も決まる。使っているとなかなかにプレッシャーがあり、全体除去がなければ5/5飛行のドラゴン4体でジ・エンド。財宝に黄金が4個乗るのも素晴らしく、全体除去を持っている相手とわかっていてもあえてこれを起動し、財宝×2で8枚分のドローストックを作ったら相手がたまらず投了した(笑)。

 主力が4~5マナに固まっているため土地が詰まると弱いという側面があるが、クリーチャーを主体としたデッキ相手には赤黒コントロールとして対処できるのでなかなか強い。対中速デッキ相手にはアドバンテージ勝負となり、地図と財宝が勝敗のカギを握っている。《ドミナリアの英雄、テフェリー》を用いた青白系コントロール相手にはやや厳しく、こちらも置物でアドバンテージが取れるか・手札破壊&クロミウムが機能すれば……というところ。

 実際に使ってみて、《転生するデアリガズ》は走らせれば強いが、2枚は多く感じたので《殲滅の龍、パラディア=モルス》でエルダー・ドラゴンをさらに追加してみるのが良いかもしれない。残念ながら《策略の龍、アルカデス》は能力が噛み合っていないので入れづらいが……どのドラゴンも使ってみたいけど絞り切れない!というリアル・サルカンな感情の持ち主には、ぜひとも使ってほしいデッキだ。やっぱりファンタジーの主役はドラゴンだよなぁ!

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