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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

白黒騎士(スタンダード)

岩SHOW

 本日も前回に続いてStarCityGames.comのStandard Classicで上位に入賞したデッキを紹介しよう。今日のデッキは「白黒騎士」、前環境からスタンダードで一定の地位を築いているデッキだ。それではどんなデッキかまずはおさらいから。

 《善意の騎士》《悪意の騎士》はそれぞれ黒と白への呪禁を持ち除去耐性が高く、並び合うことでお互いにパワー3になり、先制攻撃も相まって攻防に渡って活躍ができる。

 これらの騎士と《ベナリア史》からの騎士・トークンで戦線を築き、相手のクリーチャーやその他のパーマネントは白と黒の除去呪文で排除。《ベナリア史》のⅢ章能力で騎士を強化したら一気に畳みかけて勝利する……速攻パターンもあるが、どちらかといえばしっかりと盤面を作ることを重視した、中速寄りのアグロデッキと言ったところである。

 プレインズウォーカーも採用し、赤などのアグロデッキ相手にはコントロール的にも立ち回れることをセールスポイントにしているが、このプレインズウォーカー陣に『基本セット2019』から新人が加入! デッキの形が大きく変わるわけではないが、しっかりとパワーアップを遂げたようである。じゃあリストを見てみよう!

Nathan McCarthy - 「白黒騎士」
StarCityGames.com Standard Classic Worcester 10位 / スタンダード (2018年7月15日)[MO] [ARENA]
9 《平地
3 《
4 《秘密の中庭
4 《孤立した礼拝堂
1 《シェフェトの砂丘
4 《イフニルの死界

-土地(25)-

4 《善意の騎士
4 《悪意の騎士
4 《帆凧の掠め盗り
2 《黎明をもたらす者ライラ
2 《歩行バリスタ

-クリーチャー(16)-
4 《致命的な一押し
2 《喪心
4 《ベナリア史
4 《排斥
1 《試練に臨むギデオン
1 《ウルザの後継、カーン
3 《暴君への敵対者、アジャニ

-呪文(19)-
2 《防御牝馬
2 《疫病牝馬
2 《遺跡の略奪者
2 《賞罰の天使
4 《強迫
2 《アルゲールの断血
1 《イクサランの束縛

-サイドボード(15)-
StarCityGames.com より引用)

 メインデッキには《暴君への敵対者、アジャニ》の姿が!

 [+1]能力で騎士を強化し、[-2]能力で善意&悪意の騎士コンビを墓地から戻すことができるとあって、おそらく相性は良いだろうとは言われてはいたが、その噂は本当だったようだ。

 これまでは《ウルザの後継、カーン》が4マナプレインズウォーカーの枠を担っていた。カーンも十分強いのだが、[+1]能力で土地を得たり[-2]能力であまりシナジーのないトークンを生成するよりは、アジャニのようにデッキに噛み合っていてしっかりと戦場に強いクリーチャーを増やしていけるカードの方が優先すべきもののようだ。とは言え、アジャニも固め引いてしまってはそれほど嬉しくないカードなので、カーン1:アジャニ3で計4枚にしてバランスを取ってある。

 2ターン目に騎士、3ターン目《ベナリア史》、4ターン目アジャニで騎士たちを強化……という動きはシンプルながらに強力で、地上はこれでがっちりと止まってしまうことだろう。そのまま騎士を強化して相手の戦場をこじ開けて殴りに行っても良いし、《黎明をもたらす者ライラ》で上から攻めて勝利しても良し。ライラをアジャニで強化するほど余裕が出てくれば、勝利はもう目の前だ。

 《歩行バリスタ》も採用し、ビートダウン相手にはかなり耐性が高そうに見える。では同じような中速デッキやコントロール相手にはどうか。そこの相性をより良いものにしようという設計思想は、《帆凧の掠め盗り》が4枚採用されているところからうかがえる。

 騎士ではないが、相手のクリーチャーでない呪文を1枚奪うという動きで計算を狂わせるこの2マナクリーチャーは実に良い仕事をし、飛行を持っているので殴りにも行ける。2マナなので、序盤に除去されてしまっても勝負所でアジャニから戻して、相手の逆転の手を断つこともできたり。いぶし銀の働きをしてくれそうだ。

 いぶし銀と言えば、サイドボードの新カードにも注目。アンコモンの馬サイクルより、《防御牝馬》《疫病牝馬》が採用されている。

 《防御牝馬》は3マナで、往々にして6点ライフを回復させてくれる2/3。赤いデッキ相手にはこれで時間を稼いでコントロールプランへと持ち込みたい。《疫病牝馬》は相手のタフネス1をなぎ倒す黒い《ゴブリンの鎖回し》的なカードで、多くのアグロデッキの除去を節約させてくれること間違いなしだ。

 派手さは控えめだが、実直な強さは増した「白黒騎士」。スタンダード環境において、以前にも増して存在感を発揮しそうな予感がする。《勇敢な騎士》を採用した、もっとアグレッシブなバージョンも研究の余地があるかもしれないね!

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