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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

Terra Nova(ヴィンテージ)

岩SHOW

 マジックの魅力なんてあげていけばキリがないが、今日はそんな山ほどある要素のひとつ、「デッキ名」に触れてみたい。

 あなたがマジックを始めた時、そこにはどんなデッキが存在していただろうか? 僕の時には「nWo」というそれはそれはかっこいい名前のデッキがありまして……名前だけ聞くと「え、何をするの?」とわからないんだけれども、デッキを見ればなるほど納得したり、由来を聞いても「だからなぜこの名前なんだよ!」と逆に疑問が加速したり。

 最近では「○○アグロ」や「△△ミッドレンジ」というデッキ名が一般的となって、デッキの色や方向性が一発で把握できるのは良いことだけれども、変なデッキ名好きにはやや物足りない(という話をこのコラムでは定期的にしているように思うね)。

 今日はそんな、印象的な名前のデッキをひとつ紹介しよう。その名は「Terra Nova」。Novaと言っても《新星追い》が入ってるとかそういうわけじゃない。デッキ内容を見てもこの名前の意味はピンとこない。Terra Novaで検索してみると、同名のSFドラマと登山具メーカーがあることがわかった。つまり何もわからなかったのと同じだ。ただ、テラノヴァという響きのかっこよさにはそそられるものがある。「今日何使うん?」「Terra Nova」カッコイイ会話やなオイ。

 というわけで、そんなごっつい名前のデッキの姿を見てもらおう!

Scaldy - 「Terra Nova」
Magic Online Vintage Challenge #11434972 6位 / ヴィンテージ (2018年6月16日)[MO]
4 《古えの墳墓
4 《Mishra's Workshop
4 《ミシュラの工廠
4 《不毛の大地
1 《露天鉱床
1 《発明博覧会
1 《トレイリアのアカデミー

-土地(19)-

4 《ファイレクシアの破棄者
3 《鋳造所の検査官
3 《ファイレクシアの変形者
2 《クルーグの災い魔、トラクソス
1 《磁石のゴーレム
3 《先駆のゴーレム

-クリーチャー(16)-
1 《Black Lotus
1 《Mox Pearl
1 《Mox Sapphire
1 《Mox Jet
1 《Mox Ruby
1 《Mox Emerald
1 《魔力の墓所
1 《太陽の指輪
4 《抵抗の宝球
3 《無のロッド
1 《アメジストのとげ
4 《からみつく鉄線
1 《世界のるつぼ
1 《三なる宝球
1 《ギラプールの宇宙儀
1 《虚空の杯
1 《ウルザの後継、カーン

-呪文(25)-
4 《難題の予見者
2 《ワームとぐろエンジン
1 《トーモッドの墓所
4 《墓掘りの檻
1 《魔術遠眼鏡
2 《四肢切断
1 《ウルザの後継、カーン

-サイドボード(15)-

 ヴィンテージのことを知っている方ならよく見るタイプの、「MUD」と呼ばれるデッキにそっくりだ。というかほとんどそうだと言っていい。

 《Mishra's Workshop》などの複数マナを生み出す土地と、《Black Lotus》にMoxシリーズを併せたぶっ飛んだマナ加速で1ターン目から全速力。《磁石のゴーレム》《虚空の杯》などの行動制限カードで相手を強烈に妨害し、無防備な相手をアーティファクト・クリーチャーで殴って倒す。

 そんなシンプルにしてバキバキ骨太、ヴィンテージならではのハチャメチャな攻めっ気にあふれたデッキが「MUD」。《電結の荒廃者》を採用して打点を上げて勝負するものは荒廃者と《Mishra's Workshop》から「Ravager Shops」と呼ばれたりもする。

 で、なぜにこのデッキは「Terra Nova」と名乗り区別されているのか。そのポイントはある1枚のアーティファクトを採用している点。《無のロッド》だ。

 普通、「MUD」は先述のようにMoxなどのマナ・アーティファクトを用いる。アーティファクトの起動型能力を封じられると苦しい。このデッキもマナ・アーティファクトを用いているので同じく《無のロッド》の影響を受けるのだが……逆に、これら数枚以外は起動型能力をもたないアーティファクトで構成されている。なので、常在型能力で妨害する置物と殴るクリーチャーさえ展開してしまえば、自身は特に問題なく、対戦相手のアーティファクトを一方的に封じたうえで勝利へと向かうことができるのだ。

 《無のロッド》の分だけ妨害要素が増したこの構築は、ヴィンテージのデッキの多くに刺さることになる。アーティファクトを中心としたデッキでなくても1ターン目はMoxとLotusでマナを得て……と良からぬことを企んでいるデッキがほとんどであるし、それらを何度も出し入れしてマナを得つつドローする《逆説的な結果》ストームデッキなどにはザックリと刺さる。もちろんロッド単品でなく、《抵抗の宝球》など他のカードと合わさることでそのえげつなさは真価を発揮する。

 アーティファクトを中心としたデッキなら被害は甚大。荒廃者以外にも《歩行バリスタ》《鋼の監視者》といったクリーチャーに《丸砥石》《Time Vault》といったコンボパーツに……これらをまとめて封じられるのは頼もしい。

 ただ封じるだけではいつか突破されかねないので、《からみつく鉄線》などで足止めをしつつさっさと殴り勝ちたいところ。《先駆のゴーレム》を《ファイレクシアの変型者》でコピーして一気に詰めたり、あるいは『ドミナリア』のカードたちを駆使してやるのも良い。

 《ウルザの後継、カーン》は特大の構築物・トークンを生成し、《クルーグの災い魔、トラクソス》は《からみつく鉄線》でタップしても自身の能力で簡単にアンタップさせてやることができ、3回殴れば勝てるパワー7の持ち主。どちらもいきいきと輝いてくれることだろう。

 夏の祭典エターナル・ウィークエンド・アジアのヴィンテージ部門で、これらのカードが暴れているところを見たい! そして「おっ、このデッキは『Terra Nova』ですな~」なんて通ぶったコメントをしたいもんだね(笑)。

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