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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

グリクシス鎖回し(スタンダード)

岩SHOW

 フライデー・ナイト・マジック。それは紳士淑女の社交の場。金曜の夜とそれに続く週末、マジックを楽しみたいのであれば、必要になってくるのがデッキ。どんなデッキを選んだらいいのかわからない、そんな方を助けるべく「デッキソムリエ」がおります。

 本日はスタンダードで楽しいデッキを使いたい、というご注文にお応えするべく、こんな逸品を用意してみました。まずはリストから漂う芳醇な香りをお楽しみください……。

Sascha Schwarz - 「グリクシス鎖回し」
グランプリ・バーミンガム2018(スタンダード) 22位 / スタンダード (2018年5月12~13日)[MO]
2 《
1 《
4 《泥濘の峡谷
4 《竜髑髏の山頂
4 《尖塔断の運河
4 《硫黄の滝
4 《異臭の池
4 《霊気拠点
-土地(27)-

4 《光袖会の収集者
4 《ゴブリンの鎖回し
2 《つむじ風の巨匠
3 《スカラベの神
2 《栄光をもたらすもの
1 《奔流の機械巨人
-クリーチャー(16)-
3 《マグマのしぶき
4 《蓄霊稲妻
2 《削剥
4 《ヴラスカの侮辱
1 《天才の片鱗
3 《反逆の先導者、チャンドラ
-呪文(17)-
2 《強迫
2 《削剥
2 《アルゲールの断血
2 《否認
1 《ジェイスの敗北
1 《魔術遠眼鏡
3 《大災厄
1 《破滅の刻
1 《木端+微塵
-サイドボード(15)-
 

 マジックプレイヤーであれば、デッキにできることはあれもこれもと多くをお求めになる、となれば必然的にデッキは3色に。4色以上となるとまとまりが悪くなりがちですが、3色であれば『カラデシュ』『アモンケット』『イクサラン』『ドミナリア』……それぞれの大型セットに含まれるレア土地がなんとかしてくれるものです。

 今回は……環境に数多くあるアグレッシブなデッキに負けない、除去とアドバンテージ獲得とクリーチャー性能に優れたデッキが欲しい、とのご注文を受けました。ならば、グリクシス。青黒赤のデッキでございましょう。

 黒と赤は昔よりクリーチャー除去に秀でている色で、現環境でも選択肢を多数備えております。そしてアドバンテージと言えばこれも古来より青と黒の担当。肝心なクリーチャーに関しては、ご存知「環境最強」と言われるカードの1つである《スカラベの神》がおります。

 今回のデッキはこれら3つの要素を抱き合わせにし、一部のカードで共通のリソースとして用いることのできるエネルギーをサブテーマとした前環境の強力デッキ「グリクシス・エネルギー」の最新型であります。

 《光袖会の収集者》《つむじ風の巨匠》《蓄霊稲妻》《天才の片鱗》といったカードは単体でも強力ですが、これらが1つのデッキで合わさることによって状況に応じてベストなエネルギーの使い方ができ、優雅なゲーム展開を楽しむことができるというわけです。《霊気拠点》から任意の色マナを得やすくなり、3色デッキでありながら運用しやすいというのも魅力ですね。

 これらエネルギーに関するカードばかりでなく、先にも述べました《スカラベの神》をはじめとした環境のパワーカードが同居しているのもこのデッキの素晴らしい点ですね。《栄光をもたらすもの》《奔流の機械巨人》など1枚で大逆転を演出するもの、有利な状況=いわゆるマウントを取ったらそれ1枚で勝利へと導いてくれる《反逆の先導者、チャンドラ》と役者ぞろいで飽きさせないことは折り紙付き。

 これらのパワーカード群の中で最も目を惹かれるものと言えば……リストでも一際異彩を放っている《ゴブリンの鎖回し》でございますね。

 このカードは赤単、赤黒といったデッキの3マナ圏として非常にいい仕事を見せるカードで、現スタンダードの新たな顔となっていますが……まさか3色デッキで用いられることになるとは。驚きを隠せません。{3}{U}{B}と{R}{R}{R}というコストが同じデッキで並ぶなんて……なかなかにワイルドな構成です。

 ただ、この意外性というのがデッキの良いアクセントとなるものなんですよ。こちらが置く土地の色から対戦相手は「3色デッキだな」と容易にわかるわけです。「エネルギーだな」とデッキまで読み切ることもできるでしょう。まさか各色のカードが均等に採用されたようなデッキに、トリプルシンボルの《ゴブリンの鎖回し》まで入っているなどとは思わない。まんまと《ボーマットの急使》や《ラノワールのエルフ》といったタフネス1のクリーチャーを並べてくれる、というわけです。

 もちろん、こちらも楽して美味しい思いができるわけではありません。スムーズにプレイできない、ということも時には起こるでしょう。でも、赤に寄せた土地構成となっているので思っているよりも事故は起こりにくいでしょう。

 また、これに伴い1マナ除去は《致命的な一押し》ではなく《マグマのしぶき》が採られております。一押しの方が除去できる対象は多いですが、唱えやすさにおいてはこのデッキではしぶきが勝る、というわけです。《屑鉄場のたかり屋》に効くという点でも、性能が必ずしも劣っているというわけでもありませんしね。

 お気に召されましたか? 3色でキレもコクもある欲張りな逸品でございます。今回使われることがなくても、土地構成と《マグマのしぶき》を見たら《ゴブリンの鎖回し》が飛び出してくる可能性がある、ということだけでも覚えて帰っていただければ、ソムリエ冥利に尽きますね。それでは、またデッキ選びに困った際にはお声かけください。

(それっぽいジャズが流れてEND)

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