READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

レジェンド・フラッシュ(スタンダード)

岩SHOW

 少し前では考えられなかったことだが、ここ最近は新セットが発売される際に、Magic Onlineで一足先に新環境が遊べるようになっている。「○○使ったデッキがリーグで勝っていたらしい」と、ある程度の予習を踏まえて発売日当日を迎えることができるようになったのだ。

 多くのプレイヤーがカードがあまり揃っていない中で構築したデッキを使うことになるので、その時期に出回るリスト=発売後にリアルのトーナメントでも活躍するリストになるというわけではなく、あくまで参考にするのがベストだとは思うが……それでも前環境になかった独創的なリストが活躍していたりすると、ワクワクしてしまうのがデッキマニアの性。

 今回はそんな、『ドミナリア』発売直前にオンラインで存在感を示したリストを紹介しよう!

tohae - 「レジェンド・フラッシュ」
Magic Online Competitive Standard Constructed League 5勝0敗 / スタンダード (2018年4月22日、~『ドミナリア』)[MO] [ARENA]
2 《平地
1 《
3 《孤立した礼拝堂
2 《秘密の中庭
4 《灌漑農地
3 《氷河の城砦
3 《異臭の池
3 《水没した地下墓地
4 《霊気拠点
-土地(25)-

4 《光袖会の収集者
4 《機知の勇者
3 《艦の魔道士、ラフ・キャパシェン
2 《黎明をもたらす者ライラ
2 《スカラベの神
-クリーチャー(15)-
2 《致命的な一押し
3 《封じ込め
2 《喪心
1 《本質の散乱
1 《アズカンタの探索
3 《ベナリア史
2 《ヴラスカの侮辱
1 《排斥
1 《天才の片鱗
2 《中略
1 《死の権威、リリアナ
1 《ドミナリアの英雄、テフェリー
-呪文(20)-
2 《領事の権限
2 《強迫
1 《致命的な一押し
3 《否認
1 《アルゲールの断血
1 《喪心
1 《大災厄
1 《不敬の行進
1 《排斥
2 《燻蒸
-サイドボード(15)-
 

 デッキに採用された新カード、8種類・合計20枚! たっぷりと新カードを試してみようという、野心的なエスパー(白青黒)カラーのデッキだ。コントロールデッキというほど盤面を捌くことに徹底してはおらず、早いターンから自分もクリーチャーを出して殴る構成。中速の、いわゆるミッドレンジと呼ばれるタイプだ。

 「青黒ミッドレンジ」は前環境でも良い立ち位置につけた強力デッキの1つだった。軽い除去を多数有し、《スカラベの神》《奔流の機械巨人》という有無を言わせぬパワーカードがゲームを決める。これはそんなデッキの派生形とも言える。

 青黒で十分に強かったデッキに白が足されたのは、新カードを使いたくなったからだろう。《艦の魔道士、ラフ・キャパシェン》!

 4マナ3/3瞬速・飛行と、これだけでも昔からやっているプレイヤーにとっては十分に強く見えるスペックなのに、さらにメリット能力までついてくるとあっては驚きを隠せない(しかもアンコモン!)。

 その能力は、歴史的な呪文を瞬速を持っているかのように=インスタントタイミングで唱えることが可能という、これまたハチャメチャなもの。《スカラベの神》は無茶苦茶強いが、戦場に出るタイミングは無防備になることが多く、この隙を突かれることも少なくない。しかしラフが戦場にいれば、この弱点も解消。こちらのターン終了時に《スカラベの神》をスッと出されたら、冷や汗が頬を伝うだろう。

 《スカラベの神》に限らず、他にも新カードを中心に歴史的なカードを隙なく運用しようというのがこのデッキで、思わず「レジェンド・フラッシュ(伝説瞬速)」と名付けたくなる。

 スーパースペックの《黎明をもたらす者ライラ》を相手の攻撃にあわせて迎え撃ったり、《ベナリア史》で盤面を形成したり。エンチャントと言えば、《アズカンタの探索》も伝説だ。プレインズウォーカーを相手のターン終了時に唱えることもできる。自身のターンで唱えて能力を使用した方が良いのか、ひとまず攻撃はされずにターンを迎えることができる隙のない運用をすべきなのかは状況に合わせて。

 いずれにせよ、前までできなかったことができるようになる、歴史的な呪文すべてに瞬速がつくことの恩恵は計り知れない。《ドミナリアの英雄、テフェリー》はカードを引いて土地をアンタップするという、この動きに噛み合った能力が強力に作用しそうだ。

 これら歴史的な呪文と共に《喪心》《封じ込め》などの除去カード、あるいは《中略》のような打ち消し呪文を構えながら動くのがこのデッキの狙いであり、万全の状態で対戦相手のターンを迎えている時がこのデッキの最も楽しい瞬間であろう。手札を整える必要があるので《光袖会の収集者》《機知の勇者》あたりは外せないというところか。

 個人的には、伝説のソーサリー《ウルザの殲滅破》《ヨーグモスの不義提案》といったカードも瞬速で唱えられることを活かしたデッキ作りも試してみたいね!

 『ドミナリア』はいつも以上に熱くなれそうなセットで、世界各地のデッキビルダーたちの血も騒いでいることだろう。では、いよいよ明日から新環境のトーナメントで上位入賞を果たし、良いスタートダッシュを切ったデッキを紹介していこう。お楽しみに!

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索