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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:帰ってこい刃の翼(過去のスタンダード・現在のレガシー)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:帰ってこい刃の翼(過去のスタンダード・現在のレガシー)

by 岩SHOW

 500。そう、このデイリー・デッキというコラムもおかげさまで500回目を迎えることができた。これもいつも読んでくれて支えてくださる皆様のおかげです、ありがとうございます! もっと早く終わる企画だと思っていたので、ここまで続けられたことをひとつの自信としつつ、これからもマジックの良さを伝えるために誠心誠意、努力していかないとな......と思いながらも、まあ気負わずまったりやってきたから続けられたのかなという気持ちも(笑)。改めて、これからもよろしくお願いします!

 さて、今回は500回記念ということである程度自由にやってもいいとのことなので(これまでも好き放題やって来たけれども)、ある思い出のデッキについて語らせてほしい。それは歴史に名を刻んだものでもなんでもなく、僕が作ったデッキの話だ。

 『スカージ』が発売された時、僕は19歳。いつぞや、マジックにのめり込むきっかけとなったあるデッキについて書かせてもらった。13歳の時にまず2人で開始して、1か月ほどでそれが4人5人と増える。15歳くらいの時にはいったん10数人のコミュニティとなったが、中学卒業後も集まりプレイし続けたのは仲が良かった6人ほどだったかな。そんな気心が知れたメンバーでいつまでも大好きなマジックを遊び続けたい、当時は純粋にそう思っていた。

 で、19歳。高校を卒業し、大学に行く者・浪人する者・働く者とそれぞれの進路を皆が選択したタイミング。集まらなくなってしまった。あれだけ毎日のようにマジックのことを考え、メールでデッキアイディアを送り合い(当時は送信料とかあったから気軽にできるもんじゃなかった)、そして集って最高の時間を共有していた僕らだったが、それぞれの道へ進むことで時間の共有が難しくなった。

 それでも、僕のマジック好きは変わらなかった。たまに都合がついたメンバーが集まることがあったので、その時のために『スカージ』を購入し、手に入れたカードでデッキを構築していた。

 『スカージ』で手に入れたレアの中で、イラストの魅力・カード名・そしてその能力とすべてにおいて僕の心を鷲掴みにする1枚があった。《帰ってきた刃の翼》だ。

 どこまでもカッコイイカードを作ろうとして生まれた、最高傑作のように感じたものである。これを使ったデッキを作るっきゃない、ということで、うろ覚えなのだが以下のようなデッキを作った。手持ちの資産には限界があったので、カードは揃いきってはいない中、なんとか作ったというものだ。

岩SHOW - 「帰ってこい刃の翼」
スタンダード (2003年夏)[MO]
10 《
7 《
2 《血染めのぬかるみ
2 《硫黄泉
1 《シャドーブラッドの尾根
1 《蛮族のリング

-土地(23)-

3 《刃の翼の虜
2 《憤怒
1 《刃の翼ロリックス
1 《帰ってきた刃の翼
1 《ドラゴン魔道士
1 《窯口のドラゴン

-クリーチャー(9)-
4 《納墓
4 《焚書
4 《ゾンビの横行
3 《縫合
2 《燻し
4 《生き埋め
4 《癇しゃく
3 《ゾンビ化

-呪文(28)-

 当時のメタゲームなんてものは雑誌でしか知らず、また《サイカトグ》擁する青黒が強かったことも知ってはいたが、皆でやるマジックではそんなもの関係なくやりたいことをやってやる!というデッキばかり作っていた。

 このデッキは《帰ってきた刃の翼》と他のドラゴンを墓地に落とし、《ゾンビ化》《縫合》で刃の翼を墓地から戦場へ。そして能力を誘発させてもう1体のドラゴンも復活、ついでに《刃の翼の虜》もお供に、それら全部まとめて《憤怒》で速攻を与えてドカーーーーン!......なコンボデッキとして作ってみたものだ。

 理想としては《ドラゴンの暴君》を採用したかったが、持っていないものはどうしようもないということで他のドラゴンで代用。ドラゴンズを墓地に落とすには《納墓》《生き埋め》がベストな手段であるが、手札に来てしまったものを処理するために《ゾンビの横行》も併用する。これから出てくるゾンビ・トークンも《憤怒》で走らせよう。

 《焚書》が入っているのが自分でもイカれてるなと思う点。うまくいけば自分のライブラリーが6枚墓地に落ちてスレッショルドした《縫合》からの4キルじゃい!なんて考えていたのだが、まあそう簡単にはいかないよね。相手に選択肢のあるカードは使いにくいということを実感しつつも、ゾンビ・トークンでプレッシャーをかけて6点受けるという選択肢を取りづらくするのは楽しかった。

 友人にも「そのデッキむっちゃおもろいし速攻で勝てるしええな!」と言ってもらえたのは嬉しかった。デッキとしての形は残っていないが、いつまでも記憶のデッキケースに収納しておきたい、個人的なベストデッキの1つである。

 今や『アイコニックマスターズ』に再録されてアンコモンになった《帰ってきた刃の翼》。レアリティが下がったことでリミテッドにてこれを軸にしたデッキが組めるというのも嬉しい点ではあるが、個人的にはやはり構築にて用いたい。今この時代にこのカードをフィーチャーしたデッキを組むとしたら、どんなものになるだろうか。

岩SHOW - 「帰ってこい刃の翼」
レガシー (2018年2月)[MO]
1 《
2 《Badlands
1 《Bayou
1 《Scrubland
4 《血染めのぬかるみ
4 《湿地の干潟

-土地(13)-

1 《龍王シルムガル
1 《世界喰らいのドラゴン
2 《帰ってきた刃の翼
1 《ジャンドの暴君、カーサス
1 《シヴのヘルカイト
1 《Thunder Dragon

-クリーチャー(7)-
4 《ライオンの瞳のダイアモンド
4 《水蓮の花びら
4 《暗黒の儀式
4 《納墓
4 《信仰無き物あさり
4 《再活性
4 《思考囲い
4 《動く死体
4 《生き埋め
4 《掘葬の儀式

-呪文(40)-

 レガシーの「リアニメイト」デッキに《生き埋め》とドラゴンズをぶち込んだ「帰ってこい刃の翼」だ。墓地に刃の翼といずれかのドラゴンを落とし、釣り上げる。以上ッッ。基本は《ジャンドの暴君、カーサス》とセットで釣り上げて2回攻撃しての勝利を狙う。

 《動く死体》はクリーチャーのパワーを1減らしてしてしまうが、それでも刃の翼+カーサスでパワー合計10あるので2回の攻撃で20点は問題なし。状況によっては《Thunder Dragon》で小型クリーチャーを流し去ったり、相手の良いクリーチャーやプレインズウォーカーを《龍王シルムガル》で奪ってやろう。

 大事なことは、速度。躊躇していてはこのデッキでは勝てない。2ターン目にはコンボを決めるぐらいの姿勢で臨みたいところ。《死儀礼のシャーマン》が蔓延る現在のレガシー、墓地からクリーチャーを釣り上げたいのであれば速度にオールインした方が良い結果に繋がる。死儀礼がキツいなら、動き出す前に仕掛ければよかろう! 《意志の力》など俺は知らん! これぐらいの気概で刃の翼を釣り上げてほしい。

 そのために《ライオンの瞳のダイアモンド》+《掘葬の儀式》のコンボも仕込んでおいたぞ。

 土地とダイアモンドから4マナ得ながら手札をすべて捨て、墓地の掘葬をフラッシュバックしてドラゴンを走らせる......なんて夢のような展開も......狙うにはもっと刃の翼とカーサスの枚数を増やした方が良いかな。いっそこれを主軸に中途半端なリアニメイト要素を排除するとかいうイカれた構築に走ってみたくもある。

 僕が大好きなアーティストの一人であるWayne England氏の代表作でもある《世界喰らいのドラゴン》を用いた無限コンボも仕込んである。

 世界喰らいと《シヴのヘルカイト》を《生き埋め》にし、《動く死体》で世界喰らいを墓地から戦場へ。戦場に出たので世界喰らいの能力が誘発し、自分のパーマネントがすべて追放される。《動く死体》が戦場を離れたので世界喰らいは墓地に置かれる。世界喰らいの死亡時の能力が誘発し、追放されたパーマネントが戦場に戻ってくる。《動く死体》を再び世界喰らいにつけて釣り上げ、また追放され帰ってきて......アンタップ状態で戦場に戻ってきた土地からマナを得る→追放されてまたアンタップで戻ってくるを繰り返せば、好きなだけマナが得られるのだ。

 十分なマナが揃ったら《動く死体》のつける先を《シヴのヘルカイト》に変更し、あふれ出るマナをこれの起動型能力に注いで対戦相手を焼き尽くす! うーん、このマジックならではの無茶苦茶やっている感がたまらない。Wayne England氏は残念ながら他界されているのだが、彼が遺した最高のアートはレガシーにていつでも、いつまでも遊ぶことができる。

 どう考えてもレガシーで勝ちたいのであればこんなファンデッキを組む必要はないのだが、僕にとっては熱い思いをいろいろと体現しているデッキなので......いつかまた、仲間と集まった時にこんなデッキで対戦してみたいものである。

 皆も、思い出のカードやデッキは大事にしてほしい。マジックのいいところは、カードが残っている限りそれでいつでもどこでも遊べること! ほんの些細な1枚が生涯の思い出になることもある。どんなカードでも大事に持っていてほしいね! それじゃあまた明日から1000回目を目指して、頑張るぞ!

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