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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:昔ながらのエムラブリーチ(モダン)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:昔ながらのエムラブリーチ(モダン)

by 岩SHOW

 慣れ親しんだものというのはなかなかに忘れることができず、それが良いものであればあるほど人は心のどこかでそれを欲する。昔ながらの屋台の味、シンプルなしょうゆ味の中華そばなんてふいに食べたくなるもの。最近では過去の名作をリブートしたり再アニメ化するといったことが頻繁に行われている。

 マジックだって、やはり過去の名カードを彷彿とさせる1枚は「平成の○○」なんて呼ばれたりする(半分ネタではあるけども)。古き良き時代のものはオールドファンには懐かしく、新参者には新鮮に見えたり聞こえたりするもの。

 なんでこんな話をしているのかというと、実に古典的で、そしてそれがかえって新しく見えるデッキに出会ったからだ。今日は「エムラブリーチ」を一緒に見ていこう!

Gsy - 「エムラブリーチ」
Magic Online Competitive Modern Constructed League 5勝0敗 / モダン (2017年7月31日)[MO]
7 《
1 《
3 《蒸気孔
1 《踏み鳴らされる地
4 《沸騰する小湖
4 《霧深い雨林
2 《硫黄の滝
2 《僻地の灯台

-土地(24)-

4 《瞬唱の魔道士
4 《引き裂かれし永劫、エムラクール

-クリーチャー(8)-
4 《稲妻
4 《血清の幻視
2 《呪文嵌め
4 《差し戻し
2 《イゼットの魔除け
1 《焙り焼き
2 《血染めの月
2 《電解
3 《謎めいた命令
4 《裂け目の突破

-呪文(28)-
1 《嵐の神、ケラノス
3 《儀礼的拒否
2 《払拭
2 《古えの遺恨
1 《否認
1 《焙り焼き
2 《神々の憤怒
2 《不忠の糸
1 《仕組まれた爆薬

-サイドボード(15)-

 もはやすっかり「古典的」となった《引き裂かれし永劫、エムラクール》を《裂け目の突破》で投げつけるコンボ。

 カード2枚、5マナで15点ダメージとパーマネント6つを粉砕する、必殺とまではいかなくとも決めれば大体勝てるお手軽コンボであり、今日のモダンではこの戦略を用いるプレイヤーも決して少なくはない。では、このデッキの何が古くて新しいというのか。それは「エムラクールをシュートする」これしか狙っていない、という点だ。

 先に述べたようにエムラクールを《裂け目の突破》で転がすコンボは、カード2枚で成立する。スロットを食わないため、他の勝ち筋を持ったデッキにサブプランとして採用しやすいのだ。そこで《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》《原始のタイタン》コンボと組み合わせたデッキが登場したり、《グリセルブランド》と併せて《御霊の復讐》で釣るルートも備えた「グリセルシュート」などのデッキにて火を噴いたものである。そう、これがメインに据えられてこれしか狙わないというコンボデッキは、何でもできるモダンにおいては稀なのだ。

 それこそモダン環境初期には、この2枚コンボにフォーカスしたデッキがちらほら見られたりもしたが、先述のように決めれば即勝ちというわけでもないが、サブプランとしては魅力的という点から、いろいろなコンボデッキに出張することになったというわけだ。

 そんなコンボを、このデッキでは改めて主戦略に据えて、サブのコンボはなし。実に一本気である。と言っても、完全なるコンボデッキというわけではない。キーカードを引き込むための大量のドローやサーチはなく、《裂け目の突破》を1ターンでも早く唱えるためのマナ加速もない。焦らない、それがこのデッキのスタイルだ。

 《差し戻し》などの打ち消しと《電解》などの除去で相手のアクションを捌いて、コントロールデッキとして動いていく。《瞬唱の魔道士》でアドバンテージを取りながら、隙あらばコツコツ攻撃。

 そうやってインスタント・タイミングでのアクションを取りながら、対戦相手が手札を使い切ったり、土地をすべてタップする=タップアウトなどの無防備な瞬間が訪れれば、そこにおもむろにエムラクールを叩き込んでやる、そんなデッキだ。テンポ重視のコントロールデッキのフィニッシャーとしてこのコンボを採用している、と考えたほうが良いかな。15点しか削れないが、瞬唱で殴ったり《稲妻》を撃ち込めば問題なし。

 かつては《詐欺師の総督》《欠片の双子》コンボがこのように用いられていたものだ。もちろん、わざわざ隙を伺わなくとも、相手のデッキによっては5マナ揃った時点でコンボを投げつけてやる、いわゆる「ぶっぱ」で勝負アリということもある。この辺も双子コンボに似ているね。構えて戦い、フィニッシュはコンボで、というコース料理のようなデッキが好きなプレイヤーにはオススメだ。改めて《瞬唱の魔道士》の強さを思い知らされることだろう(《裂け目の突破》おかわりもできるね!)。

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