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市川ユウキの「プロツアー参戦記」
ミシックチャンピオンシップ・ロンドン2019 後編
こんにちは! チーム『武蔵』の市川です。
今回は前回の続きとして、ミシックチャンピオンシップ・ロンドンに向けての大会レポートを綴っていこうと思います。よろしくお願いします。
0.ドラフト雑感
『灯争大戦』のドラフトですが、『灯争大戦』の全てのカードが公開されたグランプリ・横浜2019の前日の金曜日より準備をスタート、グランプリ・横浜で星になったプレイヤーから順々に八十岡邸(いつもチーム『武蔵』が練習している場所)に発射されていき準備していきました。
それにより月曜日、火曜日とドラフト練習ができる環境が整っているという感じでした。
そこで2日間、計10回以上に及ぶ研鑽を重ねた結果チーム『武蔵』の見解は……。
クリーチャーが弱い
特に2マナ域の弱さが致命的です。
概ね2/2、《灰色熊》に+αなクリーチャーになるのですが、その+αが弱い。
ほとんどインクの染みに近い能力ばかりで、プレインズウォーカーが飛び交う環境下においてそのプレッシャーの無さは目を覆うばかり。
除去が強い
一方、軽量除去は最近の環境の中では最強です。
近年《稲妻の一撃》のような優良な軽量除去はアンコモンに設定されていることが多いですから、《ヤヤの挨拶》は破格に強いコモンの除去と言えます。
《オブ・ニクシリスの残虐》も対応できるクリーチャーが広く、概ね5マナ、もしくは6マナまでのクリーチャーは除去できるでしょう。
最近のリミテッドの除去と言えば、4マナで3マナのクリーチャーを倒したり、5マナで4マナのクリーチャーを倒したりと、自分のマナ・コストより低いマナ・コストのクリーチャーしか倒せないことが多かったので、『灯争大戦』は近年まれに見る除去偏重環境と言えます。
『基本セット2019』リミテッドではトップコモンの呼び声も高かった《ペガサスの駿馬》に似ている《信頼あるペガサス》も、『灯争大戦』下では大幅に評価を落とさざるを得ません。
コモンだけで《チャンドラの螺旋炎》、《ヤヤの挨拶》、《ソリンの渇き》と、2マナで対処出来る除去が目白押しですから、信頼性が低過ぎます。
プレインズウォーカーが強い
軽量クリーチャーが弱い→軽量除去が強いと、相手がかけてくるプレッシャーを容易に捌けるこの環境では、守ったらアドバンテージを取れるプレインズウォーカーが強くなるのは道理です。
特に自分の能力で自分を守りやすい《謎めいた指導者、カズミナ》、《混沌の船長、アングラス》などは戦場に出た時により盤面を強固にできるので強力です。この上記2枚は常在型能力も優秀で、喜んで初手で取りたいプレインズウォーカーといえます。
逆にあまり開けたパックにいてほしくないプレインズウォーカーは、《太陽の義士、ファートリ》や《暴君潰し、サムト》などの、盤面に出た時にリソースを獲得できないプレインズウォーカーです。
どちらも上手くデッキを組めば優秀なカードとなり得るのですが、初手からそれを目指すのはいささかリスクもありますし、リターンも薄いです。
こういうプレインズウォーカーをオープンパックで迎えてしまった場合はレアに懸けることになります。
最悪なのがレアでかつプレイに値しないプレインズウォーカーです。
具体的には《大いなる創造者、カーン》と《伝承の収集者、タミヨウ》。
どちらもほぼデッキに入らない残念プレインズウォーカーでありながらレア枠も潰すという逆ファインプレー。アンコモンに願いを込めますが、もしそれも外れた場合、このプレインズウォーカー飛び交う環境でコモンからスタートすることになります。
青黒赤が強い
強いプレインズウォーカーが青黒赤に寄っていること。軽量除去の強さに於いても緑白と比べると軍配が上がり、青黒赤から2色選べるようなピックにしたいなという言った印象。
白をやるなら相方は緑
弱カラーと認定されてしまった緑と白ですが、面白いことにその2つで組み合わせたら意外とデッキになることもあります。
緑白はカードパワー自体は下がるものの、シナジーでは他のカラーリングの追随を許しません。
増殖と+1/+1カウンターという打点のあるシナジーですので、プレインズウォーカー環境に風穴を開けることもあります。
ただ、どうしても《寛大なる者、アジャニ》や《永遠神オケチラ》みたいなパワーカードは必須ですので、それらが初手で取れる or 流れて来るような形でないと厳しいです。
緑多色
最後は緑多色です。
《ニヴ=ミゼット再誕》は緑多色に舵を切っても良い唯一のカードと言えます。
初手でのピックはリスクを伴うため躊躇われますが、2手目以降であれば取って緑多色に向かっても良いという見解に。
2色以上出る土地は《ギルド門通りの公有地》のみと、最近のリミテッド環境では土地回りは寂しいものがありますが、呪文を参照すれば《マナ晶洞石》、《ギルド球》、《楽園のドルイド》とコモン・アンコモンにマナベースとなるカードが充実しています。
《ニヴ=ミゼット再誕》のような、チームで練習していてもある程度の試行回数やプレイヤーの練度によってプレイアブルか測りかねるカードほどこの超早期と呼べる(何せまだ発売していないリミテッド環境ですから)タイミングのミシックチャンピオンシップであれば流れて来る可能性が高く、こういうところでチームのエッジが出ていることに、(私以外の)チーム『武蔵』のリミテッドスキルの高さが伺い知れるとともに、チームメンバーの頼もしさを感じます(私はただうなずくのみ)。
1.初日
ドラフトラウンド
八十岡先生と廣澤先生と同卓ですpic.twitter.com/kRrLfPvhlm
— Yuuki Ichikawa (@serra2020) 2019年4月26日
1stドラフtpは同じチーム『武蔵』のメンバーである八十岡さんと同卓。
チームシリーズの関係上、お互いに星を分け合っても旨味がないので単純にマイナス要素です。(あと強い)
それとリミテッド巧者で古豪の廣澤さんも居て、1stドラフトでありながら厳しい卓に紛れ込んでしまいました。
17 基本土地 -土地(17)- 2 《花粉光のドルイド》 1 《ファートリの猛竜》 1 《目的のための殉教者》 1 《楽園のドルイド》 1 《戦地の金切り声上げ》 1 《アーリンの狼》 1 《鉄の暴漢》 1 《ビビアンの灰色熊》 1 《忠実な相棒、モーウー》 1 《サヒーリの銀翼》 1 《挑戦するトロール》 1 《執行官のグリフィン》 1 《始源のワーム》 -クリーチャー(14)- |
1 《戦地昇進》 1 《瀬戸際の勇気》 1 《新たな地平》 1 《牢獄領域》 1 《寛大なる者、アジャニ》 2 《放浪者の一撃》 1 《一騎打ち》 1 《死者の災厄、ケイヤ》 -呪文(9)- |
初手は《寛大なる者、アジャニ》。
レアプレインズウォーカーでも屈指のパワーカードで、緑白というカラーリングなら白に飛び込んでも良いと感じていた私としては文句なしの初手です。
それ以降も《挑戦するトロール》、《忠実な相棒、モーウー》と優秀な緑のアンコモンをピックでき、緑は卓で空いてそうです。
一方の白は上下ともにあまり流れてはきませんが、3パック目の序盤で必要としていた除去枠を《放浪者の一撃》2枚で埋めることができてラッキーな展開。
《始源のワーム》(《殺戮の暴君》の代理として最適です)、《サヒーリの銀翼》などのやや怪しいカードも入りつつもそれなりな完成度の緑白に。
- 第1回戦 赤黒 ×○×
- 第2回戦 白赤 ○×○
- 第3回戦 青白 ○○
初戦負けからの2連勝、2勝1敗で構築ラウンドへ。
初戦の1ゲーム目から目玉が飛び出る勘違い。
《一騎打ち》はチーム内での評価として「強い」としか聞いておらず、かつ《一騎打ち》をプレイしていない、されていない状態だったので、この「プレイヤーはクリーチャーやプレインズウォーカーである呪文を唱えられない」という文言は「相手のターンの終了時まで」と読み間違えていました。
つまり《一騎打ち》を唱える→相手唱えられない→私唱えれられる→勝ち!の符号を紡ごうとしたわけです。クリーチャーをプレイした瞬間に当然呼ばれるジャッジ。
「それ、自分の次のターンも唱えられないよ」と対戦相手に言われてビックリ! あまりにも納得できず、ジャッジが来るまで(来た後もなお)まじまじとテキストを読んでいる私、思わず対戦相手も「そんな強いカードじゃないよ!」と笑いながら教えてくれました。
そんなやらかしプラス《蔓延する蛮行》ではじけ飛んで初戦は敗北。
対赤白戦は相手のデッキがそこまで強くなく、3ゲーム目の相手の初動が後手3ターン目《信頼あるペガサス》で、まぁ概ね勝ったかな~と思っていたら次のターンに走りこむ《ゴブリンの突撃隊》、対戦相手の「シックス」の宣言。
「シックス」とは反する「オーツー」が頭をよぎるもなんとか筋肉ビートでライフレースを制して勝ち、次戦の青白戦も相手の事故もあり快勝でなんとか2勝1敗で構築ラウンドに向かいます。
モダン構築/使用デッキ
使用デッキは「5色人間」。
1 《平地》 1 《島》 1 《金属海の沿岸》 4 《地平線の梢》 4 《魂の洞窟》 4 《手付かずの領土》 4 《古代の聖塔》 -土地(19)- 4 《教区の勇者》 4 《貴族の教主》 4 《帆凧の掠め盗り》 4 《翻弄する魔道士》 4 《幻影の像》 4 《サリアの副官》 4 《スレイベンの守護者、サリア》 4 《カマキリの乗り手》 4 《反射魔道士》 1 《民兵のラッパ手》 -クリーチャー(37)- |
4 《霊気の薬瓶》 -呪文(4)- |
4 《オーリオックのチャンピオン》 3 《民兵のラッパ手》 4 《拘留代理人》 1 《墓掘りの檻》 2 《減衰球》 1 《四肢切断》 -サイドボード(15)- |
今回は「緑単トロン」「イゼット・フェニックス」と並んで3トップとなると予想していた王道デッキ、「5色人間」を選択しました。
- 高い勝率
チーム『武蔵』の調整では、複数の使用者、十分な試行回数をこなしているデッキの中で、「5色人間」は最高の勝率を誇りました。パーセンテージで言うと65%を超えています。
「トロン」が60%、「イゼット・フェニックス」が57%であることを考えると、いかにこの65%という数値が高いかわかると思います。
その中でも「5色人間」はチーム内でさまざまなプレイヤーが触っており、その中で高い勝率を保っている→練度を問わずデッキパワーが保証されていることになります。
- 「イゼット・フェニックス」への優位を実感
グランプリ・横浜を初日落ちしたので、日曜日はミシックチャンピオンシップ予選に「5色人間」で参加していました。
3戦目であえなくバーンに負けてしまい帰路に着いた(八十岡邸に向かった)のですが、第1回戦と第2回戦でフェニックス系のデッキと2連戦し、「イゼット・フェニックス」への優位性を実感しました。
《氷の中の存在》が変身してしまうと厳しいのですが、《スレイベンの守護者、サリア》で大きくスローダウンさせることもできますし、頃合いを見て《反射魔道士》でバウンスさせることだって可能です。
また《霊気の薬瓶》さえ出せていれば《目覚めた恐怖》とやり合えるほどテンポを埋められるので、想像していた《氷の中の存在》→負けの展開はあまりないなと感じました。
「トロン」に不利なのは間違いないですが、「イゼット・フェニックス」に優位であれば「5色人間」をプレイする価値はあるなと考えました。
- 「5色人間」に対して知見がある
私自身、「5色人間」をプレイするのは初めてではありません。
昨年の9月に行われたグランプリ・香港2018に向けて調整した経緯があり、それなりの経験値があります。
他の選択肢である「緑単トロン」「親和」「発掘」なども決してプレイしたことがないわけではありませんが、練度の差は圧倒的です。同じくらいの感触であれば「5色人間」を選ぶのは必然といえます。
1 《平地》 1 《島》 1 《金属海の沿岸》 4 《地平線の梢》 4 《魂の洞窟》 4 《手付かずの領土》 4 《古代の聖塔》 -土地(19)- 4 《教区の勇者》 4 《貴族の教主》 4 《帆凧の掠め盗り》 4 《翻弄する魔道士》 4 《幻影の像》 4 《サリアの副官》 3 《スレイベンの守護者、サリア》 4 《カマキリの乗り手》 4 《反射魔道士》 1 《民兵のラッパ手》 -クリーチャー(36)- |
4 《霊気の薬瓶》 1 《四肢切断》 -呪文(5)- |
2 《オーリオックのチャンピオン》 3 《拘留代理人》 3 《民兵のラッパ手》 1 《秋の騎士》 3 《墓掘りの檻》 3 《減衰球》 -サイドボード(15)- |
今回使用したリストは、同じチーム『武蔵』のメンバーである山本さんがグランプリ・横浜でプレイしたリストを元に調整(と言っても時間が割けなかったのでほぼフィードバック、議論ベース)しました。
- 変更点
対「イゼット・フェニックス」では劇的、かつ対「緑単トロン」においても先手2ターン目のベストムーブである点を考慮して4枚に。
その分《四肢切断》をサイドボードに落とすことにしました。《四肢切断》はメインに入れるにはターゲットが狭く、少々尖り過ぎていた印象でしたので、すんなりと決まりました。
《オーリオックのチャンピオン》はメタゲーム上多くはないと予想していましたが、「バーン」と「グリクシス・シャドウ」には劇的なカードです。
「バーン」は《罠の橋》をサイドインして来るのが一般的で、これに対応するために《秋の騎士》を取っているリストが多いのですが、これは誤りだと感じました。
対戦相手が《罠の橋》をプレイしてきても、《オーリオックのチャンピオン》を2枚以上プレイできていれば(2枚目以降は《幻影の像》でも良いためこの前提は現実的です。)期待値的にこちらのライフ獲得量を上回る本体火力をドローできることは少なく、逆に対戦相手がドローしてきた《ゴブリンの先達》などのクリーチャーカードは、《罠の橋》の効果の関係上プレイせざるを得ず、その分こちらのライフ獲得に貢献します。
最終的にはこちらが《反射魔道士》を1ターンに複数回プレイして一気に対戦相手のライフを削り切るまで手札を溜めるか、《オーリオックのチャンピオン》を増やし続けてフェッチランド分で対戦相手がライブラリーアウトするまで待つかのゲーム展開になります。また、《オーリオックのチャンピオン》は対「発掘」でもサイドインする、そして結構強いという話を聞いていたので、さまざまなマッチアップでサイドインする非常に丸いサイドカードという認識になり、4枚採用することになりました。
《秋の騎士》はほぼバーンの《罠の橋》用に取られていた節があり、そこを《オーリオックのチャンピオン》4枚で無視できることに気付いたため、《秋の騎士》を抜き用途の広い《拘留代理人》を4枚採用。
「発掘」には《オーリオックのチャンピオン》と併せて《拘留代理人》も全力でサイドインし、全力で耐えて相手のライブラリーアウトまで耐えるという戦略を取ることにしました。
これにより2枚目以降は、「イゼット・フェニックス」にサイドインせず、「発掘」専用のサイドカードとなっていた《墓掘りの檻》を1枚に抑えることができました。
なお、この「発掘」デッキへのサイドプランは大きく間違っていたようで、ミシックチャンピオンシップで「発掘」に2連敗した原根さんは「こんなんで勝てるわけねーだろ!!」と、大変憤慨しておりました。
最後に《減衰球》の枚数です。
私は《減衰球》は対「緑単トロン」において非常に強力なカードで「対処されなかったら勝ち」に匹敵するカードだと考えていましたが、有識者に聞いて回ったところ「それほどでもない」といった感想ばかり。
いわく、《減衰球》を置くとクリーチャーがそのターンにプレイできず、またそれ以降の後続もプレイしづらくなることから、《忘却石》などの相手の全体除去が間に合う展開になってしまいます。
また、《自然の要求》などで対処されてとんでもないことになってしまうこともありますから、そこまで過度の期待はできません。
相手がトロンを達成させる前のターンにうっかりとポンと置けたら良いカードといった印象で、基本はクロックを優先させていかないと意味がないという結論に達しました。
そのため、《減衰球》を2枚に抑えても問題なく、逆に相手の《自然の要求》キープと噛み合わない展開を狙います。
今回サイドボードのカードは「枚数」のみ非公開という特殊なルールです。
以下は私のサイドカードの枚数を非公開にした状態ですが、果たしてトロンプレイヤーにはどう見えるでしょうか。
サイドボードカードが6種類と、非常にシンプルな構成。
かつ《オーリオックのチャンピオン》や《拘留代理人》が4枚入っていることは考えにくいことから、こんな感じに見えるかもしれません。
これは極端な例ですが、「緑単トロン」を使用しているならば《減衰球》はイヤでも目に付きますし、4枚取られているように見えても不思議ではありません。
そのため、サイドボード後は相手が《自然の要求》のない手札はマリガンして来る可能性もあり、そこを含めてサイドボード後は逆にこちらは《減衰球》がない手札もある程度の妨害手段があればキープすることにしました。
構築/結果
- 第4回戦 緑単トロン ○×○
- 第5回戦 イゼット・フェニックス ○×○
- 第6回戦 鱗親和 ×○○
- 第7回戦 イゼット・フェニックス ××
- 第8回戦 緑白タックス ○○
構築ラウンドは4勝1敗。トータル6勝2敗で2日目へ。
第7回戦の第2ゲームのことです。
相手の盤面には《目覚めた恐怖》と《弧光のフェニックス》がアタックした状態で相手のライフが3、赤マナが出る土地がアンタップ状態で1枚立っています。
私の手札には《カマキリの乗り手》と《幻影の像》。戦場にはカウンターが3個置かれている《霊気の薬瓶》と土地が3枚。
普通に考えれば《霊気の薬瓶》から《カマキリの乗り手》、《幻影の像》をプレイとすると、《幻影の像》に対応して《稲妻》を《カマキリの乗り手》にプレイされたとしても対戦相手の《弧光のフェニックス》をコピーできるため、実質詰みの場になります。
しかし、戦場にあった土地が、
《手付かずの領土》と《魂の洞窟》2枚、いずれもクリーチャータイプ「人間」を指定していたので、《幻影の像》をプレイできずに敗北します。
3枚目の土地であった《魂の洞窟》は前のターンにドロー→プレイしていたのですが、ここで安易に「人間」を指定していたことが悔やまれます。
次のターンに《目覚めた恐怖》で手札にクリーチャーが全て戻って来るのはおおよそ確定していたので、置いておくことは大事だったと思うのですが、こういう展開になることは想定していませんでした。
とは言えトータル6勝2敗と、私の近年のミシックチャンピオンシップでは高いスコアで2日目に進出。
目標であった11勝5敗に達するには2日目は5勝3敗と、現実的なところまで近づきます。
2.2日目
ドラフトラウンド
15 基本土地 2 《ギルド門通りの公有地》 -土地(17)- 2 《不気味な修練者》 1 《迷い子、フブルスプ》 1 《プリズマイト》 2 《アン一門の侵略者》 1 《戦慄衆の双子》 1 《戦慄衆の勇者、ネヘブ》 1 《サヒーリの銀翼》 1 《サイクロプスの電術師》 1 《侵略するマンティコア》 -クリーチャー(11)- |
1 《負傷者の手当て》 1 《無神経な放逐》 1 《チャンドラの螺旋炎》 1 《心火》 1 《テフェリーの時間改変》 1 《眩光破》 1 《洞察の絆》 1 《造反者潰し》 1 《ラルの発露》 1 《永遠神の投入》 1 《はぐれ影魔道士、ダブリエル》 1 《敬慕される炎魔道士、ヤヤ》 -呪文(12)- |
見てみろよこれ……デッキなんだぜ???
ギェー!!
と、ここ大一番でやってしまいました。
初手は《はぐれ影魔道士、ダブリエル》。
アドバンテージの取れる優れたプレインズウォーカーで納得の初手です。
と思ったら2手目で《贖いし者、フェザー》がこんにちは。
赤白は基本的に弱アーキタイプで、やってはいけないのですが、こと《贖いし者、フェザー》に関しては別。別格の強さです。
そのため、《贖いし者、フェザー》をピックします、これが破滅の始まりです。
その後は白いカードを取りつつ青黒系になれたら良いなとつまみつつ、後半は赤いカードが流れて来るなといった印象で緑以外のカードを強いカード順に取っていく形に。
2パック目で白いカードが流れてこず、《贖いし者、フェザー》を切れたのは良かったのですが、それ以降もぱりっとせず、3パック目の初手でピックした《永遠神の投入》頼みのふんわり3色デッキに。
- 第9回戦 緑白 ××
- 第10回戦 青黒 ○○
- 第11回戦 青赤 ○××
納得の1勝2敗。
1戦目の緑白は《寛大なる者、アジャニ》が2枚入っている完成度の高さでフルボッコ。
3戦目の青赤はまず《永遠神ケフネト》。
からの《嵐の伝導者、ラル》。
極めつけの……!!
っておーい!!何枚レア入ってるんだー!!!
とゴッドレアを3枚叩き付けられて敗北。
構築
- 第12回戦 緑単トロン ○○
- 第13回戦 バーン ○×○
- 第14回戦 青白コントロール ○○
- 第15回戦 緑単トロン ○××
- 第16回戦 イゼット・フェニックス ○××
3連勝からの~2連敗で10勝6敗でフィニッシュ。1勝足らずミシックチャンピオンシップ・バルセロナの権利を逃してしまいました。
最後の2戦は殿堂プレイヤーであるラファエル・レヴィさん、
プロツアートップ8経験のあるトーマス・ヘンドリクスさん。
両方とも本当に惜しいゲームでしたが、自分のプレイミスもあり惜敗。
最後のラウンドに向けて強豪とマッチアップしていくのは当然ですし、こういう場面でこそ地力は問われるなと感じました。
悔しさもありますが、不思議と清々しさもあります。
3.まとめ
構築ラウンドは最後の2連敗が目に付くとは言え、7勝3敗と大勝ちするには難しいと考えられているモダンでは上出来と言って良いスコアでしょう。
「5色人間」はトップ8に最多勢力となる3人のプレイヤーを送り込む躍進を見せ、優勝も「5色人間」を駆るイーライ・ラヴマンさんという結果に。
「5色人間」は明らかに勝ち組アーキタイプでしたので、それに対しての後悔はありません。
構築ラウンドの好調の一方、ドラフトラウンドは3勝3敗と優れない結果に。
これはひとえに私のリミテッドスキルの低さにあります。
特に、このような準備期間の限られたタイミングでのブースタードラフトは如実に地力が出やすく、そこで劣っている状況を甘んじていてはミシックチャンピオンシップでの大勝は望めないでしょう。
オンシーズン、オフシーズンを気にせず、定期的に意識してプレイすることが重要だと感じました。
センスがない部分は場数で勝負するほかありません。
2019ミシックチャンピオンシップⅣ(バルセロナ)の権利をこの時点で獲得しておらず、執筆開始以来はじめて「次のミシックチャンピオンシップの参加が不明」の状態になってしまいました。
プロツアー『戦乱のゼンディカー』から3年半ほど、この連載を行ってまいりました。
正直、連載をはじめてから大勝を報告できなかったことが心残りです。
もちろん、まだチャンスは残っています。
《不屈の追跡者》となり、次のミシックチャンピオンシップに居るかもしれませんし、それを目指すつもりです。
ですが、次の参戦が不明である以上、ここで一度お別れを言わざるを得ません。
ここで一旦お別れです。
またの機会にお会いしましょう!
今までご覧いただきありがとうございました!
市川
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