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ガフ提督の「ためになる」今日の1枚

フレイアリーズの「グッとくる」マジック英雄譚 今日の1枚:黄金牙、タシグル

浅原 晃
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 もぐもぐもぐ……ふむ、エルフであってもバナナはうまい。今日は8と7で8(バ)7(ナナ)の日だからな、栄養にすぐれたバナナを食べている……のだが、じろじろ見るのはやめろ! まあいい、さて、今日の話はバナナに関連する英雄の話にしようか、バナナで思い出される人物といえば、タルキール・ブロック、『運命再編』の《黄金牙、タシグル》だ。

 タルキール・ブロックはサルカンが過去へと戻り、ウギンを死から救い歴史を変える話だ。最初の『タルキール覇王譚』では歴史が変わる前の世界を、次の『運命再編』では1280年前の過去に戻り歴史を変えるところを、そして、最後の『タルキール龍紀伝』では歴史が変わった後の世界を、それぞれ表現している。壮大なストーリーで人気のあったセットだ。

 その中で《黄金牙、タシグル》はというとだ、『運命再編』でその小物さと最後の顛末で人気のあったキャラクターだな。ふふふ、まあ、ストーリーとは英雄によってだけ成り立つわけではない、英雄を引き立てるという点では、最高の役割を果たした1人と言えるだろう。

 『運命再編』は本来、ウギンの死によって力を失うはずだった龍族が歴史の再編によって支配的な力を維持している世界だ。つまり、人間の氏族よりも龍族の方が強くなってしまったのだな。龍族に従うか争うか、そこで《黄金牙、タシグル》が取った行動は、自身の最高の地位を保証するかわりに、シルムガルというドラゴンに取り入り、氏族を裏切ることだった。

 この試みは結果的には成功するのだが、もちろん、落ちがあってな、シルムガルの考える最高の地位とは、自身のアクセサリーとなることだったのだ。『運命再編』から未来の話、『タルキール龍紀伝』で登場した《龍王シルムガル》のアートでは、防腐処理がなされたタシグルが首飾りとなっていたのだ。

 当時は《黄金牙、タシグル》はバナナなどとも呼ばれたものだ。なぜかというと、イラストにバナナが描いてあるのはもちろん、彼が登場するストーリーでは最初の1行目から、彼がバナナを手で回していじっていたのだ。そこでグッと来た読者によって、バナナこそが、彼のシンボル的な存在となってしまったのだな。

 ちなみに、名誉のために補足すると、《黄金牙、タシグル》というカード自体は探査で軽く出せることもあって、スタンダードで活躍したな。今のモダンやレガシーではというと……ふふふ、《グルマグのアンコウ》にしっかりと主役を奪われているのも、彼らしいな。

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