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ガフ提督の「ためになる」今日の1枚

フレイアリーズの「グッとくる」マジック英雄譚 今日の1枚:太陽の勇者、エルズペス

浅原 晃
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 もっとも昼の長い日、夏至は通常は6月21日、今年は珍しく22日だそうだ。今日は太陽が高く昇る時期に相応しい勇者の話をしようか。彼女の名はエルズペス。今はテーロスの死の国に居るプレインズウォーカーだ。

 彼女ほど平穏を望んだプレインズウォーカーもいないだろう。故郷をファイレクシアに追われた彼女は平穏を望み、高潔で弱者に優しく、そして謙虚だった。

 しかし、運命はそうした者に関係なく苦難を与えるものだ。アラーラ、新ファイレクシアと渡り、戦いの連続だったエルズペスが最後に訪れたのはテーロスという神々の住まう次元だった。彼女はそこで《世界を喰らう者、ポルクラノス》を倒すことで《太陽の神、ヘリオッド》の目に留まり、世界を救う英雄としての役割を与えられる。

 彼女が望まずとも彼女の力は回りを惹きつけるのだろう、《太陽の勇者、エルズペス》は彼女が信望を集め、強き怪物を倒し、軍勢を鼓舞する様が表されているカードなのだ。そんな彼女にも救いがあった、メレティスのダクソスとその仲を深めると、彼女はこの場所こそが自分が求めていた平穏の地だと思うようになった。

 だが、運命は残酷だった。神となることを狙うゼナゴスによってエルズペスは幻覚を見せられ、その手でダクソスを殺してしまい、それが儀式となりゼナゴスは神となった。その後、エルズペスは《神討ち》によってゼナゴスを討つが……自身の平穏よりも大事ものを見つけていた彼女は愛する人を蘇らせることを願った。自身の命を《死者の神、エレボス》に引き渡すことでな。だが、テーロスでは死の国から蘇ったものは、自己を失い黄金の仮面を付けさまよい歩く存在となる。それはダクソスも例外ではなかった。

 エルズペスは死の国でエレボスの元に居る。いつか、報われるといいんだがな。頼むぞウィザーズ。おっと、そうだ、最後にエルズペスを殺したのは彼女の力を恐れた《太陽の神、ヘリオッド》だったが、彼の盛大な祝祭は夏至の日に行われる。世間の評価はあのクソやろ……失礼、許容しがたい奴というのが大半だろうがな。まあ、夏至の日くらいは思い出してやってもいいかもしれないな、その時は一緒に太陽の勇者のことも忘れずにな。

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