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ガフ提督の「ためになる」今日の1枚

今日の1枚:変異種

浅原 晃

 1809年2月12日は卓越した地質学者、生物学者であるチャールズ・ダーウィンが生まれた日じゃ、よって、今日はダーウィンの日と呼ばれておるんじゃな。一般的にはダーウィンは進化論でよく知られておるかのう。

 ダーウィンは自然環境が生物を選別するとしておってな、つまりは、環境に適応できたものが生き残り続けるというわけじゃ。生物は変異によってさまざまな変化をするのじゃが、その中でも環境へうまく適応できた変異は生き残り、それに対して進化という言葉を使ったりするのじゃな。

 この環境への適応はマジックでも良く使われる言葉じゃ。一見強そうなカードも環境にそぐわなければ、思ったような力を出せないのじゃな、逆に環境に適応さえできれば、さまざまなカードに可能性があるとも言えるのじゃ。マジックが「額面だけ見て、強いカードを見極めるのが難しい」と言われるのも、そういった理由からじゃな。

 さて今日は、初期の評価は低かったものの、環境の変化に適応し、後に青い悪魔と呼ばれた《変異種》を紹介するぞい。

 この《変異種》、最初はあまり見向きもされなかったのじゃが、同時期に行われたあるルール変更によってメガトン級の激震が走ると状況は一変したのじゃ。それが「戦闘ダメージスタック」のルールじゃ。今はすでにそのルール自体が無いのじゃが、簡単に説明するとじゃ、戦闘ダメージもスタックに置かれるというルールじゃな。

 これがどういうことかと言うとじゃ、変異種が5/5のクリーチャーと戦闘した場合、まずパワーを上げる能力で「5/1」にして、戦闘ダメージをスタックに置き(解決すれば5点が確定じゃ)、ダメージが解決される前にタフネスを上げる能力で「0/6」にして、5点を当てながら、こちらは生き残るといった芸当ができたのじゃな。攻撃と防御を同時に行い相手だけ死ぬという、天地魔闘の構えと呼ばれる動きじゃな。

 さらには、単体除去で対処されず、飛行にアンタップもあり、マナが十分にある中盤以降の圧倒的パフォーマンスで、一度戦場に出たら止められないため、青い悪魔と呼ばれるようになったのじゃ。

 ちなみに、《変異種》はその後、亜種をたくさん生み出した起源のカードとして知られておるのう。代表的なのは《炎異種》《霊異種》などじゃろうか。ただ、《変異種》以上に環境に適応できたものはおらんかったのう。適応とは運も絡む、とても難しいものなのじゃな。

 ふぉっふぉっふぉ、わしも、たまには役に立つことを言うじゃろう? 環境に適応しておるのかもしれんの。まあ、すぐに忘れてしまう可能性も高いがのう。

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