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高橋優太の「このフォーマットを極めろ!」
第25回:「統率者」特集 ?「策略の傀儡」と「貪食と増強」
読み物
高橋優太の「このフォーマットを極めろ!」
2011.07.01
第25回:「統率者」特集 ~「策略の傀儡」と「貪食と増強」
今週も、引き続き2つの統率者デッキを紹介していきます。
「策略の傀儡」
8 《山》 8 《平地》 12 《島》 1 《アゾリウスの大法官庁》 1 《ボロスの駐屯地》 1 《統率の塔》 1 《進化する未開地》 1 《イゼットの煮沸場》 1 《広漠なる変幻地》 -土地(34)- 1 《寛大なるゼドルー》 -統率者(1)- 1 《ゴブリンの士官候補生》 1 《拒絶魔道士の代言者》 1 《ヨツンの兵卒》 1 《前兆の壁》 1 《濃霧の層》 1 《苦痛の芸術家、ニン》 1 《アゾリウスのギルド魔道士》 1 《宮廷の軽騎兵》 1 《ゴーマゾア》 1 《護衛のゴーマゾア》 1 《ヴィダルケンの策謀者》 1 《否定の壁》 1 《羽毛覆い》 1 《火炎舌のカヴー》 1 《風生まれの詩神》 1 《まやかしの預言者》 1 《豪腕のブライオン》 1 《フォモーリのルーハン》 1 《金属殻のカニ》 1 《イゼットの時術師》 1 《忠義の天主》 1 《肉喰らうもの》 1 《壊滅させるものヌーマット》 1 《ノールリッジの裁き人》 -クリーチャー(24)- |
1 《太陽の指輪》 1 《天球儀》 1 《友なる石》 1 《吠えたける鉱山》 1 《稲妻のすね当て》 1 《予言のプリズム》 1 《勇者の兜》 1 《ダークスティールの鋳塊》 1 《夢石の面晶体》 1 《魂の捕獲》 1 《未達への旅》 1 《稲妻の誓約》 1 《亡霊の牢獄》 1 《義務の誓約》 1 《プロパガンダ》 1 《飛行の誓約》 1 《禁固刑》 1 《戦争の最高潮》 1 《殉教者の結合》 1 《渦まく知識》 1 《狼狽の嵐》 1 《つっかかり》 1 《罰する火》 1 《花粉の子守唄》 1 《危険な研究》 1 《映像のもつれ》 1 《渦巻沈め》 1 《混沌のねじれ》 1 《奉納》 1 《彼方からの呟き》 1 《排撃》 1 《呪文丸め》 1 《野生の跳ね返り》 1 《手綱》 1 《まき散らす殴打》 1 《デアリガズの息》 1 《企業秘密》 1 《ドラゴンによる死》 1 《質素な命令》 1 《暴動》 1 《空中文字》 -呪文(41)- |
「《太陽の指輪》《Mana Crypt》スタートの奴を集中的に狙おう」「あいつ次のターン無限コンボ決まりそうだから妨害よろしく」、こんな言葉に聞き覚えはないでしょうか?
統率者戦を一度でもプレイしたことがあるなら経験があると思いますが、このゲームは多人数戦ゆえ「交渉」という側面も併せ持っています。コンボで一人勝ちしようとするプレイヤーは当然狙われますし、《死の雲》《ハルマゲドン》といったカードは敵を作るかもしれない。
しかし土地事故な時に、土地をくれるプレイヤーがいたら? 自分のパーマネントを相手に渡す、いわゆる「賄賂」でプレイヤーを意のままに操ることができるかもしれない。
それがこの「策略の傀儡」デッキ。統率者はその交渉能力を持つ、《寛大なるゼドルー》です。
アップキープに対戦相手のコントロールする自分がオーナーであるパーマネントのぶんだけドロー能力を持つゼドルー。今回の構築済みに含まれている《ヴィダルケンの策謀者》《金属殻のカニ》のように「コントロールを交換する」カードとも相性が良いですし、統率者戦でも強力な《金粉のドレイク》《不実》といったコントロール奪取呪文を逆に利用することができるようになります。
ゼドルー自身の能力で要らないパーマネントを渡すこともできるので、《未達への旅》《忘却の輪》などの戦場に出た時点で役目を果たし終えているカードを押し付けても良いですし、《Illusions of Grandeur》《青銅の爆弾人形》を使えば直接火力に早変わり。
《天界の曙光》を渡してしまえば、統率者に白マナを含まないデッキはロック状態になります。
そして「策略の傀儡」デッキに含まれる他の伝説クリーチャーは・・・
このフォーマットの特殊ルールとして「統率者ダメージ」というものがあります。「統率者」からの戦闘ダメージを21点受けたプレイヤーは敗北するというものであり、《数多のラフィーク》など打点の高い統率者がこのルールを利用することが多いです。
そして今回の《フォモーリのルーハン》のパワーは7で、3回攻撃すれば1人倒せる数字。パワーを増強したり二段攻撃を与えるカードと組み合わせると一撃必殺も狙えますね。
除去とXドロー内蔵クリーチャー。とはいえ統率者戦でもクリーチャー1体<カードアドバンテージなので、ほぼ自分のクリーチャー専用の能力と言えます。今回の「策略の傀儡」デッキなら《前兆の壁》に撃ち込んでドローを進めることが多かったですね。
《ぬいぐるみ人形》と組み合わせると、Xドロー兼X本体火力になります。
新規カードは、
《巡礼者の結合》
墓地に落ちたカードと共通のタイプを生け贄にさせるカード。今回の「策略の傀儡」のようなデッキよりも、もっと生け贄にすることの多いデッキに適していますね。
例えば先週紹介した「反攻」デッキなら、 《胞子の教祖、ゲイヴ》《血の調停者、ヴィシュ・カル》どちらの統率者とも相性が良いのでオススメ。
《狼狽の嵐》
ストームやコピーなど、厄介な呪文をまとめて対処できるカード。
今回の「統率者」構築済みデッキで新規収録されたカードは、レガシーでも使用可能です。《精神的つまづき》以降息をしていないANTですが、もし息を吹き返したとしてもこんなサイドカードがあると・・・
《混沌のねじれ》
「赤はエンチャントに触れない」
これは言わばマジックの鉄則であり、これまで数多くの赤いデッキが《赤の防御円》や《神聖の力線》といったカードに苦渋をなめさせられてきました。
そんな赤がパーマネントに触れる時代が来るとは!
《混沌のねじれ》は名前の通り何が出てくるかわからないカード。戻したカード以上のものがめくれてしまうと、効果の薄いカードになってしまいます。
ですが土地がめくれた場合はそんなに気にならず、インスタント・ソーサリーがめくれればデメリットなしの除去。3マナインスタントでどんなものでも対処できるのは便利ですし、赤マナありの統率者デッキならまず入るのではないでしょうか。
「貪食と増強」
8 《森》 8 《島》 11 《沼》 1 《やせた原野》 1 《統率の塔》 1 《ディミーアの水路》 1 《戦慄艦の浅瀬》 1 《ゴルガリの腐敗農場》 1 《ジュワー島の隠れ家》 1 《孤立した砂州》 1 《断ち割る尖塔》 1 《シミックの成長室》 1 《安息の無い墓、スヴォグトース》 1 《邪神の寺院》 1 《広漠なる変幻地》 1 《平穏な茂み》 -土地(40)- 1 《擬態の原形質》 -統率者(1)- 1 《鼠の墓荒らし》 1 《歩く墓場、髑髏茨》 1 《謎の守り手》 1 《肉袋の匪賊》 1 《永遠の証人》 1 《トロールの苦行者》 1 《ヤヴィマヤの古老》 1 《真面目な身代わり》 1 《豪腕》 1 《不可思議》 1 《下水の宿敵》 1 《グレイブディガー》 1 《ルアゴイフ》 1 《夢生まれの詩神》 1 《死を食うもの》 1 《冒涜するハッグ》 1 《熟考漂い》 1 《酸のスライム》 1 《禿鷹ゾンビ》 1 《暗黒の雛》 1 《絞り取る悪魔》 1 《鎌の死霊》 1 《目覚めし深海、レクシャル》 1 《狩るものヴォラシュ》 1 《トリスケラバス》 1 《流水の長魚》 1 《マラキールの解体者》 1 《鼠の守護神》 1 《石の賢者、ダミーア》 1 《秘密の王、ザデック》 1 《悲哀の化身》 1 《コジレックの職工》 -クリーチャー(32)- |
1 《太陽の指輪》 1 《ディミーアの印鑑》 1 《ゴルガリの印鑑》 1 《稲妻のすね当て》 1 《シミックの印鑑》 1 《忘却石》 1 《野生の誓約》 1 《飛行の誓約》 1 《敵意の誓約》 1 《記憶の浸食》 1 《墓穴までの契約》 1 《野生への貢ぎ物》 1 《呪文丸め》 1 《嘘か真か》 1 《秘宝の破壊》 1 《精神の輝き》 1 《分かち合う心の傷》 1 《血の署名》 1 《縫合》 1 《耕作》 1 《意外な授かり物》 1 《生き埋め》 1 《吸心》 1 《やり込め》 1 《墓場からの復活》 1 《吸肉》 1 《生ける屍》 -呪文(27)- |
《適者生存》+《繰り返す悪夢》然り、
《生き埋め》+《ゾンビの横行》然り、
《イチョリッド》+《黄泉からの橋》然り。
大量の墓地を使うコンボデッキは、いつの時代も魅力的に見えるものです。マジック歴の長いプレイヤーなら、黒城 凶死郎君のプレイする《生ける屍》に憧れたこともあるでしょう。
「貪食と増強」デッキは、そんな墓地利用をテーマにしています。デッキ中心になるのは勿論、統率者である《擬態の原形質》!
パワー/タフネスは大きくしたまま強力クリーチャーの能力を保持できる能力を持つ《擬態の原形質》。
《スパイクの飼育係》《熟考漂い》《肉袋の匪賊》といった「戦場に出たとき○○」のクリーチャーをコピーしても良いですし、統率者ルールにより破壊されても何度も能力を使い回すことができます。
それら「戦場に出たとき○○」の能力と《生ける屍》の相性は抜群! 《スパイクの飼育係》+《生ける屍》が収録されているあたり、オールドファンが喜びそうな所を押さえていますね。
それのクリーチャーに加えて《夢生まれの詩神》《記憶の浸食》といった能動的に墓地に送るカードを使うことで、《ルアゴイフ》《死を食うもの》の効果を高めています。《禿鷹ゾンビ》はあっという間に10/10以上になりましたし、多人数でも条件の厳しい《悲哀の化身》ですら、毎回2マナでプレイすることができましたね。
ライブラリーを削ったあとに《墓場からの復活》で強力クリーチャーを頂くのも楽しいですし、墓地が好きな方に特にオススメなのが「貪食と増強」です。
そして他2つの「伝説のクリーチャー」は、
《歩く墓場、髑髏茨》
水木しげる先生の漫画に出てきそうな名前を持つクリーチャー。
能力は《炎歩スリス》そのものですが、ライブラリーや手札に戻らない限りカウンターを持ち続けるという特性があります。
自身のマナコストが軽いこともあり、除去されても再度プレイすることは簡単。育ちきった後半は、統率者ダメージも狙いやすいです。
翻訳記事でも紹介されたダミーアさん。
手札をマナに変換できるカード、例えば《スカージの使い魔》なんかと組み合わせると悪さができそうですし、《荒廃の言葉》などのドローを置き換えるカードと組み合わせても面白そうです。
新規カードは、
《分かち合う心の傷》
今回の「統率者」で導入された新システム「同調」。
全員でマナを集めて呪文の効果を高める効果ですが、「貪食と増強」にとって墓地を増やすことはデッキ上手く回すための潤滑油みたいなもので、《分かち合う心の傷》はその後押しをするカードです。
でも、デッキの全貌がバレてしまうと協力者が減ってしまうかも!?
《鎌の死霊》
「鏡の秘術」デッキの《雑食のハイドラ》同様、全員に効果を及ぼすクリーチャー。しかもただの手札破壊ではなく、ダメージ付加能力持ち。
ただ6マナという重さはネックなので、マナブーストとセットでどうぞ。
プレインズウォーカーや伝説のクリーチャー達、それぞれに背景世界の面白さもまたマジックの魅力です。
僕もフレーバーテキストはよく読みますし、フレーバーテキストをつなぎ合わせて物語を読み解くのも面白いですよ。(余談ですが《最後の言葉》のフレーバーは格好いい!)
今回新規投入された「伝説のクリーチャー」達の物語は、翻訳記事『15の統率者、15の物語』から読み取ることができます。統率者それぞれに背景世界があり、それを知ることで愛着がわく・・・かも知れない。
15の生体武器すべてがつながった「究極生体武器」の姿も確認することができるので、合体ロボが好きな方も、是非ご覧ください。
では、また来週。
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