READING

戦略記事

高橋優太の「このフォーマットを極めろ!」

第26回:嵐が去りて何が吹く?最新「Pauper」研究

読み物

高橋優太の「このフォーマットを極めろ!」

2011.07.08

第26回:嵐が去りて何が吹く~最新「Pauper」研究


 《精神を刻む者、ジェイス》《石鍛冶の神秘家》禁止という強いインパクトの裏で目立たなかったものの、Magic OnlineのPauper(コモン構築)でも6月29日から大きな変更がありました。

 《大あわての捜索》禁止!

 第11回の連載でも紹介したように、「ストーム」コンボデッキはPauperで支配的な強さを持っており、その「ストーム」戦略の中心になっていたのがこの《大あわての捜索》でした。
 0マナのドロー呪文でありながら、《アゾリウスの大法官庁》《ディミーアの水路》と組み合わせればマナ加速にもなり、《フェアリーの大群》《断絶》と固め引きすれば3ターン目にはコンボが完成するほどの強さを持つデッキ。

 「ストーム」はPauperの中でも飛びぬけて強いデッキだったので、バランスを取るためにも禁止は妥当だと言えます。

 今回は、《大あわての捜索》禁止後の環境を見ていきます。
 Pauper(コモン構築)のルール・デッキは以前の記事でも紹介しているので、そちらをご参照ください。


白ウィニー

holica (4-0)
Pauper Daily #2537015 on 07/03/2011[MO] [ARENA]
22 《平地

-土地(22)-

4 《心優しきボディガード
4 《アイケイシアの投槍兵
4 《コーの空漁師
4 《戦隊の鷹
3 《孤独な宣教師
4 《エイヴンの裂け目追い
3 《ギルドパクトの守護者
4 《剃刀のゴーレム

-クリーチャー(30)-
4 《骨断ちの矛槍
4 《未達への旅

-呪文(8)-
3 《真紅の見習い僧
3 《黒曜石の見習い僧
3 《コーの奉納者
3 《虹色の断片
3 《塵は塵に

-サイドボード(15)-
Vagar (4-0)
Pauper Daily #2537069 on 07/04/2011[MO] [ARENA]
21 《平地
1 《隔離されたステップ

-土地(22)-

4 《アイケイシアの投槍兵
4 《コーの空漁師
2 《孤独な宣教師
4 《Order of Leitbur
2 《エイヴンの裂け目追い
4 《サーシの騎士
3 《トロウケアの影
1 《ギルドパクトの守護者
4 《剃刀のゴーレム

-クリーチャー(28)-
4 《未達への旅
1 《平和な心
2 《虹色の断片
3 《損ない

-呪文(10)-
1 《真紅の見習い僧
2 《黒曜石の見習い僧
2 《ギルドパクトの守護者
4 《Holy Light
4 《塵は塵に
2 《虹色の断片

-サイドボード(15)-


 白という色の特性上相手への妨害能力は限られており、ストームに対して不利なデッキだったことから結果を残せなかった白ウィニー。
 しかしデッキのポテンシャルが低いというわけではなく、《大あわての捜索》禁止によってストームが弱体化したことから、一気に返り咲いたデッキです。

 「戦場に出たとき○○」能力のクリーチャーが赤や黒に対して強く、「Decks of the Week」でも毎回上位に見かけますね。

 《戦隊の鷹》は除去の多い黒単に強く、《エイヴンの裂け目追い》《孤独な宣教師》のライフゲインは赤単に強い。

 タフネス1クリーチャーの使用頻度も高いので、《アイケイシアの投槍兵》も重宝します。

 また環境に単色デッキが多いため、《ギルドパクトの守護者》はほとんど無敵のクリーチャーと言えますね。《骨断ちの矛槍》装備がプロテクション(単色)に引っかからないのもポイント。

 白単でありながら《未達への旅》《損ない》などクリーチャー除去に優れており、呪文枠は選択の幅が広いです。《マナの税収》なども検討してみると良いかもしれませんね。


緑黒発掘

E. Hustle (4-0)
Pauper Daily #2537089 on 07/05/2011[MO] [ARENA]
10 《
9 《
2 《ゴルガリの腐敗農場
2 《広漠なる変幻地

-土地(23)-

3 《日を浴びるルートワラ
3 《煙霧吐き
4 《朽ちゆくヒル
4 《野生の雑種犬
1 《シルヴォクの模造品
4 《臭い草のインプ
1 《斑の猪
1 《墓所のネズミ
2 《ゴルガリの茶鱗
1 《ヤヴィマヤの古老
3 《墓を掻き回すもの
3 《吸血犬

-クリーチャー(30)-
4 《拷問生活
1 《カラスの罪
2 《残響する衰微

-呪文(7)-
1 《煙霧吐き
1 《髑髏の占い師
1 《シルヴォクの模造品
1 《斑の猪
1 《ゴルガリの茶鱗
2 《膿絡み
2 《強迫
2 《悪魔の布告
2 《残響する衰微
2 《殺し

-サイドボード(15)-

 第19回の記事でも紹介した、発掘デッキ。
 緑白黒→緑黒2色となることで安定性も増していますし、以前に比べてレシピの精度が格段に上がっています。

 《朽ちゆくヒル》《野生の雑種犬》など、緑黒ビートダウンとして動くことが多く、そこにアドバンテージエンジンとして《拷問生活》を加えた形ですね。

 《拷問生活》は《日を浴びるルートワラ》《墓を掻き回すもの》とのシナジーは勿論のこと、注目すべきは《ゴルガリの茶鱗》との相性。

 「ゴルガリの茶鱗があなたの墓地からあなたの手札に入るとき、あなたは2点のライフを得る」とありますが、これは「発掘」したときに限った能力ではありません。

 《拷問生活》のコストで捨てる→《ゴルガリの茶鱗》自身を手札に戻す→2点ライフゲインとなり、黒マナ×2の数だけ回復できるようになります。

 他にも《ヤヴィマヤの古老》+《カラスの罪》など、デッキ内に複数のコンボがあり、回していて楽しいデッキですね。


感染

jsiri84 (4-0)
Pauper Daily #2537045 on 07/04/2011[MO] [ARENA]
17 《

-土地(17)-

4 《ぎらつかせのエルフ
4 《胆液爪のマイア
4 《荒廃のマンバ
3 《嚢胞抱え

-クリーチャー(15)-
3 《水蓮の花びら
4 《変異原性の成長
4 《地うねり
4 《怨恨
4 《巨森の蔦
2 《使徒の祝福
3 《捕食者の一撃
4 《激励

-呪文(28)-
4 《砂嵐
3 《濃霧
3 《スズメバチの一刺し
2 《使徒の祝福
3 《滋養

-サイドボード(15)-
jherzha3078 (3-1)
Pauper Daily #2537089 on 07/05/2011[MO] [ARENA]
7 《
1 《
4 《進化する未開地
4 《広漠なる変幻地

-土地(16)-

4 《ぎらつかせのエルフ
4 《胆液爪のマイア
4 《荒廃のマンバ
4 《荒廃の工作員

-クリーチャー(16)-
4 《水蓮の花びら
4 《ギタクシア派の調査
4 《怨恨
4 《地うねり
1 《使徒の祝福
3 《目くらまし
4 《巨森の蔦
4 《激励

-呪文(28)-
2 《ラノワールの占い師
4 《腐敗狼
3 《自然の要求
1 《使徒の祝福
2 《捕食者の一撃
3 《残響する真実

-サイドボード(15)-

 Pauper環境で「新たなるファイレクシア」によって最も強化されたデッキと言えば・・・それは、感染。
 《ぎらつかせのエルフ》という待望の1マナクリーチャーを得たことももちろんそうですが、どちらかと言うとファイレクシア・マナ関連のカードの影響が大きいです。
 《ギタクシア派の調査》はプランを立てるのに最適で、《使徒の祝福》で除去からクリーチャーを守り、《変異原性の成長》は最後の一押しに便利。

 jsiri84さんのレシピは一般的な緑単で、jherzha3078さんの方は青をタッチして《荒廃の工作員》《目くらまし》を加えていますね。

 感染デッキは序盤の数ターンで決まることが多く、《目くらまし》は非常に合っているのですが、青をタッチすることにより《進化する未開地》《広漠なる変幻地》という「タップイン」土地が増えており、結局初動が遅れてしまうデメリットもあります。
 マナの安定性も考えると、緑単の方をオススメします。

 環境で一番早いデッキであり、綺麗に回ったときは2ターンキルも可能。カードは最近のものが多くデッキが作りやすいので、「MOでPauperをやりたい!」と言う方は是非、感染から始めてみて下さい。


おまけ 黒単ドレイン

Tocawe (3-1)
Pauper Daily #2536975 on 07/02/2011[MO] [ARENA]
30 《冠雪の沼

-土地(30)-

4 《羽虫の大群
4 《死者の漂い

-クリーチャー(8)-
4 《沸き立つ汚泥
2 《闇の掌握
4 《黒死病
4 《堕落
4 《生命吸収
4 《魂の消耗

-呪文(22)-
4 《大霊堂の信奉者
3 《膿絡み
3 《ドロスのゴーレム
4 《吐き気
1 《闇の掌握

-サイドボード(15)-

 Pauperは1~2マナの序盤の攻防を重視したデッキが多いため土地の平均枚数は他のフォーマットよりも少なく、20枚前後が多い印象です。

 それにも関わらず、まず目に付いたのは「30冠雪の沼》」の文字。
 一体どんなデッキかと思ってみてみると、見慣れないカード名が。《死者の漂い》?

 「死者の漂いのパワーとタフネスは、それぞれあなたがコントロールする氷雪土地の数に等しい」
 なるほどこれで攻めるデッキなんだと思いきや、クリーチャータイプは壁。そしてオラクルには「Defender/防衛」という文字。

 そしてもう1種類採用されているクリーチャーは《羽虫の大群》。

 再生持ちと巨大な壁、これらのクリーチャーで守りを固めて、《死者の漂い》と相性の良い《黒死病》でクリーチャーを一掃。
 然る後に《堕落》《生命吸収》《魂の消耗》で本体を狙うボードコントロールデッキですね。

 《沸き立つ汚泥》は黒版《High Tide》とも言えるカードで、X火力の多いこのデッキに非常に合っています。

 インベイジョン+オデッセイ時代の黒単コントロール、特に《陰謀団の貴重品室》《霊魂焼却》に思い入れがある方はお試しあれ。


 来週は日本選手権併催の「日本レガシー選手権」直前ということで、レガシーの見どころを特集していく予定です。

 では、また来週。


基本セット2012

jpnats11_mainimage01

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索