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ニューカペナ・チャンピオンシップ
ニューカペナ・チャンピオンシップ 1日目の注目の出来事
2022年5月20日
(編訳注:文中の埋め込み動画は英語実況のものです。)
223名のプレイヤーが「ニューカペナ・チャンピオンシップ」の門を叩き、刷新されたスタンダードと馴染み深いヒストリックの2フォーマットにわたり2日間の熱戦を繰り広げる。そこには「マジック世界選手権」の椅子も懸かり、1日目のプレイが始まるころにレースの熱はこれ以上ないほど高まっていた。
イベント開始時点で、「第28回マジック世界選手権」の出場者のうち13枠が「イニストラード・チャンピオンシップ」と「神河チャンピオンシップ」の成績優秀者、そして何よりディフェンディング・チャンピオンの高橋優太によって決まっていた。逆に言えば、全32枠のうち残る19枠が未定であり、この週末に埋まることになるのだ。
「ニューカペナ・チャンピオンシップ」の上位6名。MPLまたはライバルズ・リーグ所属選手の中で、世界選手権予選ポイント獲得上位5名。それ以外の「チャレンジャー」の中で、世界選手権予選ポイント獲得上位8名。1日目の時点で椅子を確保できるわけではないが、この日がレースで好位置につけるために何より重要な第一歩であり、たとえ敗退してもポイントを少しでも積み上げることで数名のプレイヤーが望みをつなぐことになる。
セドリック・フィリップス/Cedric Phillpsが雄弁に示したように、熱戦の中に身を置いてみたくはないだろうか。
熱戦の渦中
7回戦を終え、ステファン・シュッツ/Stefan Schützとデイヴィッド・イングリス/David Inglisの2人が全勝となった。2人はともに、スタンダードで「ジェスカイ・ストーム」、ヒストリックで「ゴルガリ・フード」という同じスタイルをとっていた。
Congratulations to #SNCChamps Day 1 undefeated players and teammates David Inglis and Stefan Schütz!
— PlayMTG (@PlayMTG) May 21, 2022
They took the field by . . . storm with Jeskai Storm in Standard and Golgari Food in Historic. Fantastic work, see you both tomorrow! pic.twitter.com/Q98pd4kaU5
「ニューカペナ・チャンピオンシップ」の1日目全勝は、チームメイトでもあるデイヴィッド・イングリス選手とステファン・シュッツ選手でした! おめでとうございます!
彼らはスタンダードの「ジェスカイ・ストーム」とヒストリックの「ゴルガリ・フード」で嵐を巻き起こし、環境を支配しました。素晴らしい仕事です、明日もお会いしましょう!
イングリスは語る。「《黄金架のドラゴン》コンボはすでに確立されたデッキでしたが、我々のチームは《鏡割りの寓話》が既存のリストをアップグレードする鍵であることに気づき、このデッキをさらに上のレベルに引き上げたのです。ヒストリックでは「ゴルガリ・フード」をプレイしました。『神河チャンピオンシップ』で7勝1敗できていましたし、このデッキで最悪のマッチアップであるコントロール系はこのフォーマットで駆逐された後でしたから、再度使うのは簡単なことでした」
イングリスは本大会で上位であると同時に、「世界選手権レース」でも若干ながら優位に立っている。「私は一戦ずつ物事を進めていくだけです。明日が終わったときにポイントが足りていることを願いますね」
イングリスが追いかけているものを、今日の成績のおかげでポイント的に世界選手権の椅子を確定させて明日を戦える者が3人いる。グレッグ・オレンジ/Greg Orange、小泉 祐真、サイモン・ニールセン/Simon Nielsenだ。
Congratulations to Greg Orange, Yuma Koizumi, and Simon Nielsen, who are heading to #MTGWorlds!
— PlayMTG (@PlayMTG) May 21, 2022
All three players locked up their seats at the World Championship with 5-2 records on Day 1 of the #SNCChamps, putting them at the top of the Challenger field. Congrats again! pic.twitter.com/GQ2zDD87mX
グレッグ・オレンジ選手、小泉祐真選手、サイモン・ニールセン選手が「マジック世界選手権」へ! おめでとうございます!
彼らは「ニューカペナ・チャンピオンシップ」1日目で5勝2敗の成績を残したことで、「チャレンジャー」枠の上位に入り、世界選手権の椅子を確保しました。
「マジック25周年記念プロツアー」の王者であるオレンジは、5勝2敗で招待を確定できる有利な位置につけて1日目に臨んでいた。彼にとってストレスフルな1日目ではあったが、求めていたものを手にする結果となった。
オレンジいわく、「スタンダードでは『天使』デッキをプレイしました、それに負け続けていたからです。ヒストリックでは『フェニックス』、これは私が過去2回の『チャンピオンシップ』でプレイしていて、基本的に現時点で私が選ぶべきヒストリックのデッキだからですね。望みは『世界選手権』の出場権を確保するのに十分な勝利だけでした。デッキ分布を見たときに、他に『天使』をプレイする選手がほとんどいないことを知って一抹の不安を覚えました。最善の選択ではなかったかもしれませんが、2勝1敗することができて、これならデッキに求めるものとして十分でしょう」
「シトラス・アサシン」は獲物を仕留めた(参考:英語記事)。彼の究極の目標が達せられたと知った今、その視点はトップ8に向けられている。
「ぐっすり」のサイモン・ニールセン(参考:英語記事)も、物事がストレスフルな始まりを迎えていた。そのニックネームどおりにいかない夢を見てしまったのだ……
I dreamt that I overslept the check-in time for the New Capenna Championship and missed Worlds because I didn't got to play.
— Sleep-In Simon Nielsen (@MrChecklistcard) May 20, 2022
Woke up with my heart beating, but managed to fall back asleep. Then I had the same dream again
寝過ごして「ニューカペナ・チャンピオンシップ」の受付時間に間に合わず、プレイできなかったことで「世界選手権」を逃す夢を見た。
心臓バクバクで目を覚まし、けれど何とか寝直せた。そうしたら同じ夢をまた見たよ。
ニールセンは時間どおりに受付を済ませた。気をもんだ諸氏に伝えると、彼は最高のスタートを切り、この日の最後の2戦に負けてもなお「世界選手権」の席を確保できる余裕さえ残していた。
彼は踊りながらそれを成し遂げたのだ。
「今日最後の2ラウンドで負けたから、興奮しまくりという気にはなりませんが、今(世界選手権の)出場権を獲得したことに高ぶっていますね。今はただ、週末に得られる他のものに集中したいです!」
今シーズンを通じて安定した成績を残し続けた小泉祐真も、1日目を5勝2敗で終えたことでその椅子を確保した。
ヒストリックとスタンダードがデッキビルダーたちを試す
「チャンピオンシップ」級のイベントでプレイヤーがスタンダードに取り組むのを目にしてから数か月が経過したが、『ニューカペナの街角』のリリースにより、今週末にプレイされるマジックを語るのに欠かせないものとなった。
フランク・カーステン/Frank Karstenがスタンダードとヒストリックのメタゲームを分析し、大半のプレイヤーについて彼らがデッキを選択した理由をカバーした。《放浪皇》と《策謀の予見者、ラフィーン》を軸とした「エスパー・ミッドレンジ」がスタンダード環境で目立つ結果となった。
スタンダードから追いやられた感があった「エスパー・ミッドレンジ」以下のアーキタイプだが、「ストーム」「ジャンド」「ミル」「吸血鬼」は今大会でも存在感を見せ、《樹海の自然主義者》と《ルーン鍛えの勇者》に頼った「ナヤ・ルーン」にも同じことが言えた。ディスプレイには幅広い色と戦略が映し出され、プレイヤーはあらゆる角度からこのフォーマットに切り込んでいた。
1日目にスタンダードで行われる3回戦を終え、結果はモダンで見るようなものになった。「ストーム」が集団を引っ張ったのだ。
5 《山》 3 《島》 4 《嵐削りの海岸》 4 《河川滑りの小道》 1 《ストーム・ジャイアントの聖堂》 2 《天上都市、大田原》 1 《反逆のるつぼ、霜剣山》 -土地(20)- 4 《黄金架のドラゴン》 3 《溺神の信奉者、リーア》 -クリーチャー(7)- |
4 《棘平原の危険》 2 《消えゆく希望》 2 《電圧のうねり》 1 《君は近づいてくる護衛兵に気づいた》 3 《ジュワー島の撹乱》 2 《自身の誇示》 4 《表現の反復》 3 《感電の反復》 1 《セジーリの防護》 4 《鏡割りの寓話》 4 《大勝ち》 2 《予想外の授かり物》 1 《渦巻く霧の行進》 -呪文(33)- |
1 《消えゆく希望》 1 《呪文貫き》 1 《電圧のうねり》 2 《軽蔑的な一撃》 1 《否認》 2 《才能の試験》 2 《ドラゴンの火》 1 《燃えがら地獄》 1 《発見への渇望》 1 《多元宇宙の警告》 1 《家の焼き払い》 1 《渦巻く霧の行進》 -サイドボード(15)- |
9人の「ストーム」使いが全勝、同時に「エスパー・ミッドレンジ」「ティムール・コントロール」も多くの全勝者を送り出し、スタンダード・ラウンド終了時点で3勝0敗は28人となった。
スタンダードをすべて見ていないならお伝えしよう。大量の《自身の誇示》と強大な《黄金架のドラゴン》だ。
ヒストリックに目を移すと、「神河チャンピオンシップ」を定義した3種のデッキ、「ゴルガリ・フード」「アゾリウス・コントロール」「イゼット・フェニックス」はそれ以来、いくつかの変化を遂げていた。「フード」デッキは大枠が同じだが、「フェニックス」系デッキは《帳簿裂き》という新たな鍵を手に入れた。これは、すでに爆発的なデッキに「フェニックス満タン」発進を安定させる手助けとなるものだ。
「アゾリウス・コントロール」が地図からこぼれ落ち、環境は以下のようになっていた。
「イゼット・フェニックス」が環境の最多勢力であることには変わりないが、その翼を狙って「ニューカペナ・チャンピオンシップ」に現れたプレイヤーがいることは明白だ。ヒストリックで行われた4回戦を終え、明るみになった環境は以下のとおり。6勝1敗以上で終えた《弧光のフェニックス》使いはわずか3人だが、同様の成績を挙げた「ゴルガリ・フード」プレイヤーは5人で、そこには7戦全勝の両名が含まれる。
1日目のビッグ・プレイ
「世界選手権」の席を見据えた戦いが多数繰り広げられている一方で、「ニューカペナ・チャンピオンシップ」を制するためのテクニックを見落とした方もいるかもしれない! 本大会では1日目にして楽しくて記憶に残る瞬間が多数生まれており、まず開幕直後のライリー・ナイト/Riley Knightによる古典的な導入が先陣を切った。
『ニューカペナの街角』のリリース以降のシーズンを見ると、現時点でスタンダードは3色以上のデッキを使うことを推奨しているようだ。新しい3色土地のサイクルがあれば、素晴らしい2色土地やその他の基本でない土地、例として『神河:輝ける世界』の「魂力」土地などが力を増す。デッキ全体で1~2枚にまで基本土地を切り詰めたプレイヤーもいる。
そして、その点に付け入る準備をしてきたプレイヤーもいる。
3 《島》 3 《山》 4 《嵐削りの海岸》 4 《河川滑りの小道》 2 《ストーム・ジャイアントの聖堂》 1 《天上都市、大田原》 1 《反逆のるつぼ、霜剣山》 4 《廃墟の地》 -土地(22)- 2 《溺神の信奉者、リーア》 -クリーチャー(2)- |
3 《炎恵みの稲妻》 3 《棘平原の危険》 2 《消えゆく希望》 4 《浄化の野火》 4 《表現の反復》 2 《轟く叱責》 2 《削剥》 1 《セレスタス》 1 《プリズマリの命令》 4 《大勝ち》 1 《記憶の氾濫》 4 《家の焼き払い》 3 《秘儀の砲撃》 2 《髑髏砕きの一撃》 -呪文(36)- |
3 《くすぶる卵》 1 《溺神の信奉者、リーア》 1 《船砕きの怪物》 1 《消えゆく希望》 2 《軽蔑的な一撃》 2 《否認》 1 《バーニング・ハンズ》 1 《記憶の氾濫》 1 《一蹴》 2 《オリークの誘惑》 -サイドボード(15)- |
《集合した中隊》は最初の登場以降ずっと人気であり続けているが、第二の人生をヒストリックに見出した。このフォーマットのクリーチャーデッキ全体(ニールセンが成功を収めた「セレズニア人間」を含む)を駆動することで、《集合した中隊》は再び競技シーンに欠かせないものになり、戦闘に熱狂する者たちの喜びとなったのだった。
もちろん、《集合した中隊》といえど時に中隊の集合に失敗することもある。解説のマーシャル・サトクリフ/Marshall Sutcliffeとポール・チェオン/Paul Cheonは、《集合した中隊》を何度も唱えた人なら誰でも理解できるようになる気持ちを言葉にしたのだった。
先を見据えて
イングリスとシュッツが集団を引っ張りつつ、100名を超えるプレイヤーが「ニューカペナ・チャンピオンシップ」の2日目に進んだ。「世界選手権」の椅子は3つがすでに埋まったが、2日目の終わりにはさらにいくつかが確定することになる。
リーグ枠では、八十岡翔太が世界選手権予選ポイント84点で首位に立ち、リード・デューク/Reid Dukeとデイヴィッド・イングリスが78点で続く。
この3人も75点のローガン・ネトルス/Logan Nettlesに僅差で追われる立場で、ネトルスは1日目4勝3敗の成績で辛くも望みをつないだ。さらには72点のオースティン・バーサヴィッチ/Austin Bursavich、ピオトル・グロゴウスキ/Piotr Głogowski、マルシオ・カルヴァリョ/Márcio Carvalhoも同様に2日目を戦う。
3人の「チャレンジャー」が椅子を確保した一方で、5枠が残っている。トリスタン・ワイルド=ラルー/Tristan Wylde-LaRueとネイサン・ストイア/Nathan Steuerが2日目に進出し、一方でジム・デイヴィス/Jim Davisは彼の持つ58点で足りるのかと冷や汗をかき、カミロ・ルケシュ/Camillo Lukeschもギリギリの57点でこの週末を見守っている。
「世界選手権レース」を制するのは誰か? トップ8の座を射止めて王者の称号への挑戦権を得るのは? 「ニューカペナ・チャンピオンシップ」2日目の配信はtwitch.tv/magicにて5月21日9時から!(太平洋時間。日本語放送情報は下記をご覧ください)
「ニューカペナ・チャンピオンシップ」 日本語放送ページ・放送日程
日本語版放送出演者
- 実況:石川朋彦(@katuobusi717)
- 実況:ブルナー実久(@mksnake007)
- 実況:海老江邦敬(@kuroebi_games)
- 解説:黒田正城(@masashiro41236)
- 解説:井上徹(@migrat)
- and more...
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