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プロツアー『ドミナリア』

観戦記事

第15回戦:Gregory Orange(アメリカ) vs. 瀧村 和幸(日本)

Adam Styborski
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2018年6月2日

 

 プロツアー予選ラウンドの終盤を迎えると、いよいよ上位を走るプレイヤーたちによる8つの席を懸けた最後の戦いが始まり、目が離せないものばかりになる。アメリカのグレゴリー・オレンジ/Gregory Orangeは過去にもプロツアーの最前線を経験しており(プロツアー『タルキール覇王譚』では第9位まで迫った)、今こそ開花のときを迎えようとしている。長年にわたる高いレベルでの経験は、彼をプロツアー・トップ8の舞台へ押し上げようとしていた。

 対するは、日本の瀧村 和幸。オレンジと同じくトップ8入賞を目指し、同じ道をたどり、11勝3敗という同じ成績でこの試合を迎えることになった。ただひとつ違うのは、マジック最高の舞台たるプロツアー・サンデーのスポット・ライトを、瀧村はその身に浴びた経験があることだ。プロツアー『戦乱のゼンディカー』にて自身初のプロツアー・トップ8入賞――そして自身初のプロツアー優勝を成し遂げ、瀧村はエリート・プレイヤーの仲間入りを果たした。2度目のプロツアー・トップ8入賞は、彼の技術の高さをさらに際立たせてくれるだろう。

 ここで勝った方は、次の最終ラウンドを勝利あるいは引き分けでも3日目へ進出できる。さあ、ゲームを始めよう。

それぞれのデッキ

 オレンジが操るのは、白青コントロール。中でも《ドミナリアの英雄、テフェリー》を主力としたものだ。彼のデッキにはあらゆる状況に対する回答が揃っている。《排斥》、《燻蒸》、《中略》、《封じ込め》、《不許可》……繰り出される脅威を食い止める準備は万全だ。《ドミナリアの英雄、テフェリー》に加えて《天才の片鱗》や《ヒエログリフの輝き》でカード・アドバンテージを稼ぎ、重いマナ域にはさらなるアドバンテージを生み出す《奔流の機械巨人》も控えている。

 一方の瀧村は、多くのプレイヤーと同様に、強力なカードが詰め込まれた赤黒のデッキでこの戦いに臨む。ロング・ゲームを見据えて重い方に脅威を寄せた瀧村は、必須パーツとなる《栄光をもたらすもの》や《ピア・ナラー》、《再燃するフェニックス》、《削剥》、《ゴブリンの鎖回し》、《屑鉄場のたかり屋》だけでなく、《ウルザの後継、カーン》をメインから採用し、サイドボードには《アルゲールの断血》も搭載した。武器の数は、コントロール・デッキを凌駕する。あとは対戦相手の回答に負けず脅威を繰り出していくだけだ。

ゲーム展開

 第1ゲームは、オレンジの白青コントロールが瀧村を圧倒した。《屑鉄場のたかり屋》2体で素早く攻撃しオレンジのライフを攻める瀧村だが、オレンジは《中略》や《残骸の漂着》で受けるダメージを減らしながら瀧村の攻勢に耐え、5点のライフを残した。

 そして現れる《ドミナリアの英雄、テフェリー》。

 瀧村の《ピア・ナラー》がオレンジのライフを残り2点まで追い詰めたが、続く《栄光をもたらすもの》は3枚目の《中略》で弾かれた。ここからはオレンジの独擅場。追加のカードを引きながら土地をアンタップするオレンジの手札には、あらゆる回答が揃った(《ドミナリアの英雄、テフェリー》の[+1]能力を起動したのちに2枚目の《ドミナリアの英雄、テフェリー》を唱え、もう一度[+1]するという一幕もあった)。そして《奔流の機械巨人》まで姿を現すと、瀧村はついに諦めたのだった。

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マッチ・ポイント33点で迎えた第15回戦、勝利への使命を胸に戦いへ臨むグレゴリー・オレンジ。

 第2ゲーム、瀧村はサイドボードから換装を済ませ、デッキの形を変えた。初手の《強迫》で開幕からオレンジへプレッシャーをかけると、オレンジは体勢を立て直すのに苦戦した。瀧村は《アルゲールの断血》を設置しようとするが、それは《暗記》で阻まれる。続く《反逆の先導者、チャンドラ》にも《中略》が当てられ、オレンジがゲームを掌握したように思われた。

 しかしオレンジの土地は4枚で止まり、瀧村の盤面には《アルゲールの断血》に加えて《ウルザの後継、カーン》も着地した。瀧村は手札を補充しながらプレッシャーをかけ続ける。繰り出された《熱烈の神ハゾレト》こそ防いだオレンジだったが、《ドミナリアの英雄、テフェリー》も《奔流の機械巨人》も、瀧村が引き込んだ除去で退場させられた。攻撃を一度も受けていないにも関わらず、勝利を収めた瀧村の残りライフは10点だった。《アルゲールの断血》がどれだけのアドバンテージを稼いだかおわかりだろう。

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瀧村 和幸の運命が決まるまであとわずか。もういくつかのゲームで入念に計画した攻撃を繰り出すだけだ。

 最終ゲームはまたたく間に決着した。コントロール・デッキは土地を多く欲しいところだが、オレンジは土地を引きすぎてしまい、4ターン目にはサイクリングで手札の交換を始めた。しかし瀧村の方は土地を引きすぎるということもなく、素早く手札を消費すると《熱烈の神ハゾレト》までつないだ。《霊気溶融》や《封じ込め》、《魔術遠眼鏡》が瀧村の攻勢を遅らせたものの、彼がハゾレト神へ手札を捧げ始めると、オレンジのライフは長くもたなかった。

 こうして、瀧村 和幸がグレゴリー・オレンジを2勝1敗で下したのだった。

(Tr. Tetsuya Yabuki)

Gregory Orange - 「白青コントロール」
プロツアー『ドミナリア』 / スタンダード (2018年6月1~3日)[MO] [ARENA]
7 《平地
7 《
4 《灌漑農地
4 《氷河の城砦
1 《曲がりくねる川
2 《廃墟の地
1 《オラーズカの拱門
-土地(26)-

1 《奔流の機械巨人
-クリーチャー(1)-
4 《封じ込め
2 《アズカンタの探索
1 《一瞬
1 《本質の散乱
1 《否認
4 《不許可
3 《排斥
3 《残骸の漂着
2 《天才の片鱗
2 《ヒエログリフの輝き
2 《燻蒸
1 《暗記+記憶
3 《中略
4 《ドミナリアの英雄、テフェリー
-呪文(33)-
1 《周到の神ケフネト
1 《黎明をもたらす者ライラ
1 《奔流の機械巨人
1 《原初の潮流、ネザール
1 《領事の権限
1 《断片化
2 《否認
1 《霊気溶融
1 《魔術遠眼鏡
3 《ベナリア史
1 《俗物の放棄
1 《燻蒸
-サイドボード(15)-
瀧村 和幸 - 「赤黒ミッドレンジ」
プロツアー『ドミナリア』 / スタンダード (2018年6月1~3日)[MO] [ARENA]
10 《
2 《
4 《泥濘の峡谷
4 《竜髑髏の山頂
3 《燃え殻の痩せ地
2 《霊気拠点
-土地(25)-

4 《屑鉄場のたかり屋
4 《ゴブリンの鎖回し
2 《ピア・ナラー
2 《再燃するフェニックス
1 《熱烈の神ハゾレト
3 《栄光をもたらすもの
1 《歩行バリスタ
-クリーチャー(17)-
3 《マグマのしぶき
4 《削剥
1 《無許可の分解
1 《ヴラスカの侮辱
1 《木端+微塵
3 《キランの真意号
3 《反逆の先導者、チャンドラ
2 《ウルザの後継、カーン
-呪文(18)-
1 《熱烈の神ハゾレト
3 《強迫
1 《チャンドラの敗北
2 《アルゲールの断血
1 《魔術遠眼鏡
2 《大災厄
2 《ヴラスカの侮辱
2 《木端+微塵
1 《炎鎖のアングラス
-サイドボード(15)-
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RESULTS

対戦結果 順位
最終
16 16
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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