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プロツアー『ドミナリア』

戦略記事

プロツアー『ドミナリア』メタゲームブレイクダウン・1日目

Adam Styborski
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2018年6月1日

 

 『ドミナリア』発売から数週間を経て、ついに新たなスタンダード環境を明らかにするときがきた。Magic Onlineやグランプリの結果を見るに、《ドミナリアの英雄、テフェリー》や《ウルザの後継、カーン》、《ゴブリンの鎖回し》、《ベナリア史》といったカードの登場は、デッキに新たな方向性をもたらしている。

 今シーズン最大のスタンダードの決戦に持ち込まれたデッキは以下の通りだ。

アーキタイプ 使用者数 使用率
赤黒アグロ 65 14.1%
赤黒ミッドレンジ 57 12.4%
赤単アグロ 48 10.4%
鉄葉ストンピィ 40 8.7%
黒緑「巻きつき蛇」 34 7.4%
白黒ベナリア 29 6.3%
白青テフェリー 22 4.8%
エスパー・コントロール 20 4.3%
白青コントロール 17 3.7%
青黒ミッドレンジ 14 3.0%
緑青カーン 11 2.4%
青黒コントロール 10 2.2%
黒単コントロール 9 2.0%
エスパー・ベナリア 7 1.5%
エスパー・ミッドレンジ 7 1.5%
白青「副陽の接近」 7 1.5%
黒緑ランプ 6 1.3%
スゥルタイ「巻きつき蛇」 5 1.1%
黒緑ミッドレンジ 4 0.9%
緑白ミッドレンジ 4 0.9%
青黒「王神の贈り物」 3 0.7%
白青ベナリア 3 0.7%
白青「王神の贈り物」 3 0.7%
赤単「ケルドの炎」 3 0.7%
バント「王神の贈り物」 2 0.4%
青黒即席 2 0.4%
青赤「王神の贈り物」 2 0.4%
緑青「王神の贈り物」 2 0.4%
ジェスカイ・コントロール 2 0.4%
マルドゥ機体 2 0.4%
赤緑ミッドレンジ 2 0.4%
スゥルタイ・エネルギー 2 0.4%
白青サイクリング 2 0.4%
バント「副陽の接近」 1 0.2%
黒赤アグロ 1 0.2%
黒赤ミッドレンジ 1 0.2%
エスパー「ミラーリ予想」 1 0.2%
緑青カウンター 1 0.2%
緑白ベナリア 1 0.2%
グリクシス鎖回し 1 0.2%
黒単ミッドレンジ 1 0.2%
赤緑恐竜 1 0.2%
赤白アグロ 1 0.2%
鉄葉機体 1 0.2%
スゥルタイ・ミッドレンジ 1 0.2%
白黒騎士 1 0.2%
白黒ミッドレンジ 1 0.2%
白黒トークン 1 0.2%

 以上、総勢461名のプレイヤーたちが選択したデッキを分類した。だがさらに分析を進めるには、このままでは少々扱いにくい。大きくまとめてみよう。

アーキタイプ 使用者数 使用率
赤黒アグロ&ミッドレンジ 122 26.5%
コントロール系 90 19.5%
赤単アグロ 48 10.6%
鉄葉ストンピィ 40 8.7%
ベナリア系 39 8.5%
巻きつき蛇系 39 8.5%
その他 83 18.0%

 データをまとめると、いくつかのことが明らかになる。

ゴブリンの鎖回し》の使用率が35%超え

 (序盤または中盤から)対戦相手へ積極的にプレッシャーをかけていくデッキが、こぞって赤の核となるクリーチャーを採用している。《ゴブリンの鎖回し》を使用するデッキは、以下の3つに分類される。

 
  • 「黒赤」のアグロやミッドレンジ戦略の存在も見逃せない。「赤黒」との違いは、核となる色だ。《才気ある霊基体》と《戦慄の放浪者》の採用により、マナ・ベースに違いが見受けられる。
「至高のコントロール・デッキ」はいまだ決まらず

 幅広い戦略を持つコントロール系のデッキは、驚くほど多岐に満ちている。

  • 「黒単コントロール」は、《ヴラスカの侮辱》で神やプレインズウォーカーを追放し、《豪華の王、ゴンティ》でじわじわとアドバンテージ差を生み出していく。
  • 「エスパー・コントロール」と「青黒コントロール」は、《スカラベの神》や《奔流の機械巨人》といった勝ち手段を打ち消し呪文や除去でバックアップしていく。
  • 「白青コントロール」はさらに3つに分類できる。ひとつは《副陽の接近》を勝ち手段に据えた典型的なコントロール・デッキの形。《ゴブリンの鎖回し》がはびこる環境では、妨害できない勝ち手段もライフ回復も極めて強力だろう。ふたつ目は《奔流の機械巨人》による攻撃に加えて《ドミナリアの英雄、テフェリー》という勝ち手段を獲得した伝統的な白青コントロール。そして3つ目は、勝ち手段のすべてを《ドミナリアの英雄、テフェリー》に頼った形だ。ゲームを完全に固め、テフェリーの「紋章」を作ることを目指す。
  • ドミナリアの英雄、テフェリー》の姿は(実に90を超える)多くのデッキリストに見受けられるが、採用枚数やこれを活かす形については、まだ共通見解を得られていないようだ。強力なプレインズウォーカーである《ドミナリアの英雄、テフェリー》だが、その強さゆえに青と白を含むあらゆるデッキへコントロール寄りの可能性をもたらしている。メインから4枚なのか、サイドボードに2枚なのか、それは解明されていない。
緑のデッキとして多くの支持を得たのは「鉄葉ストンピィ」

 《》を用いるデッキには、「恐竜」から「黒緑ランプ」(《むら気な長剣歯》や《殺戮の暴君》で大型に寄せたもの)まで面白い選択肢に満ちていたが、中でも多くの支持を得たのは《鉄葉のチャンピオン》を採用したものだ。《ゴブリンの鎖回し》をものともしないサイズを備えながらもコントロール・デッキが体勢を整えるより早く登場する軽さを持つ《鉄葉のチャンピオン》は、《ラノワールのエルフ》や《マーフォークの枝渡り》を駆使して素早く{G}{G}{G}を揃える「ストンピィ」デッキにて輝きを放っている。

 だがその形は、まだ完全には定まっていないようだ。

  • ほとんどは黒をタッチして《屑鉄場のたかり屋》を採用している。さらに黒を濃くして除去を加えているものもある。
  • スタンダードにおける「機体」の力を定義する《キランの真意号》の姿が、《鉄葉のチャンピオン》と同じくらい見受けられる。また《領事の旗艦、スカイソブリン》も人気だ。中には《耕作者の荷馬車》も加えて「機体」に重きを置いた構成もある。
  • 他には青を合わせた「ストンピィ」もある。《暗記+記憶》や《川の叱責》といった重めのカードを採用し、対戦相手への妨害手段として《否認》も備えている。呪文にも神にもプレインズウォーカーにも1枚で対応できる《暗記+記憶》は、このデッキに必要な時間を稼いでくれるだろう。
ベナリア史》が「機体」デッキの歴史を紡ぐ

 かつてスタンダードを謳歌していた「マルドゥ機体」だが、『ドミナリア』は環境を一新させた。しかしこのデッキはすぐに進化を遂げ、アドバンテージ獲得手段として《ベナリア史》を取り入れた。

  • 模範的な造り手》と《屑鉄場のたかり屋》は続投。素早く白マナを揃えて《ベナリア史》を繰り出すことで、さらなる爆発力を発揮する。
  • 大半は「白黒」の形だが、「黒赤」デッキに搭載された大量の除去をかわせて《ゴブリンの鎖回し》の能力にも耐えるタフネスを持つ《善意の騎士》を選ぶか、コントロール・デッキが放つ白の除去への耐性がある《悪意の騎士》を選ぶかは分かれるところだ。これらの騎士は無論、《ベナリア史》との相性も良い。
  • 「鉄葉ストンピィ」と同様に、《ベナリア史》を用いるデッキの中にも青を合わせて脅威への回答や打ち消し呪文を駆使するものがある。「エスパー」の形まで!
「緑黒『巻きつき蛇』」が健在

 《巻きつき蛇》とその仲間たち(《新緑の機械巨人》から《歩行バリスタ》、《ピーマの改革派、リシュカー》までさまざまだ)は、数か月前から広く知られている+1/+1カウンター戦略を維持している。

面白いデッキにあふれる環境

 《ミラーリ予想》? 《リッチの騎士、ジョス・ヴェス》? 《ケルドの炎》? 《ドレイクの安息地》? 《スラムの巧技》? 《王神の贈り物》? メタ外のデッキには、新旧さまざまなデッキが軒を連ねている。果たして日曜日にスポットライトを浴びるデッキはどれになるだろうか。見守っていこう。

(Tr. Tetsuya Yabuki)

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RESULTS

対戦結果 順位
最終
16 16
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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