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プロツアー『アモンケット』

戦略記事

プロツアー『アモンケット』 2日目スタンダード・メタゲーム・ブレイクダウン

矢吹 哲也
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Frank Karsten / Tr. Tetsuya Yabuki

2017年5月13日


 初日を戦った378名のプレイヤーたちのうち、4勝4敗以上の成績で2日目へ進出できたのは239名(全体の63%)。理論的にはスタンダード部門が1勝4敗でもドラフト部門全勝なら2日目進出の目はあり、スタンダードで3勝2敗と勝ち越してもドラフト全敗なら初日敗退の可能性はある。だがそれでも、初日を突破できるだけの優れたスタンダード・デッキを分析することに意味はあるだろう。

 昨日は、「マルドゥ機体」と「霊気池の驚異」、そして「ゾンビ」が大きな人気を集めたことに触れた。本日は、今大会で見受けられる各アーキタイプについて、それらのゲームプランやキーカード、バリエーションの紹介、そして結果の分析を行っていこう!

 デッキの活躍ぶりを測るための大きな指標となるのは、「2日目進出率」だ。これは、ある特定のデッキ・タイプを使用したプレイヤーのうち、何割が2日目へ進出できたかを示す数値である。例えば10人中8人が2日目へ進出したとすれば、その2日目進出率は80%ということになる。全体の2日目進出率が63%なので、80%は良い数値と言えるだろう。10人中5人しか2日目へ進出できなかった場合は、そのデッキの2日目進出率は50%となり、目覚ましい活躍はできなかったと想定できる。

「霊気池の驚異」

 昨日は使用者数第2位に留まった「霊気池の驚異」デッキだが、2日目は「マルドゥ機体」を超えて最大勢力となった。

 このデッキは、《守護フェリダー》の禁止によって空いた枠へ見事に収まった。《守護フェリダー》と《サヒーリ・ライ》の2枚による4ターン目の無限コンボが《霊気池の驚異》の活躍を阻んでいたが、それがなくなった今、4ターン目《絶え間ない飢餓、ウラモグ》はスタンダードにおいて最も爆発力のある動きになっている。

「霊気池の驚異」のバリエーション初日使用者数2日目使用者数進出率
流行型ティムール「霊気池」493469%
呪文重視型ティムール「霊気池」141286%
炎呼び搭載型ティムール「霊気池」77100%
スゥルタイ「霊気池」151067%
バント「霊気池」5360%
4色「霊気池」6233%
合計966871%

 「霊気池の驚異」デッキの中で最も人気を集めたものを、ここでは「流行型ティムール『霊気池』」と呼ぶことにする。これはかつての「4色サヒーリ」デッキによく似たもので、《守護フェリダー》と《サヒーリ・ライ》の枠に《霊気池の驚異》と《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を採用した(さらに《ニッサの誓い》を《織木師の組細工》に入れ換えた)ものだ。《ならず者の精製屋》や《つむじ風の巨匠》などを使用することで、《霊気池の驚異》を起動するためのエネルギー・カウンターを集めつつ、クリーチャーによるミッドレンジ戦略も十分な勝ち手段として見据えることができる。「4色サヒーリ」を相手にした経験のあるプレイヤーなら、その強さを味わったことがあるだろう。

 「流行型ティムール『霊気池』」の採用カードにはいくつか「自由枠」があり、使用者によって違いが見受けられる。その枠に最も多く採用されているのは《反逆の先導者、チャンドラ》、《マグマのしぶき》、《不屈の追跡者》だが、《ルクサの恵み》や《ニッサの天啓》を採用し重めにした形もあった。マナ加速を採用することで、手札に来た《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を唱えやすくしているのだろう。また、マナ加速を採用した形には、マナの注ぎ込み先として《明日からの引き寄せ》も採用されている。他にも(《コジレックの帰還》や《焼けつく双陽》といった)全体除去を採用して「ゾンビ」デッキへの耐性を高めたり、(《逆毛ハイドラ》や《栄光をもたらすもの》といった)優秀な大型クリーチャーを採用して複数の脅威を持ち、サイド後に投入される《没収》や《失われた遺産》への耐性をつけたり、という形がある。

 「ティムール『霊気池』」の中で2番目に使用者を集めたのは、《検閲》や《天才の片鱗》を採用した「呪文重視型」だ。中には《奔流の機械巨人》も採用した形もあった。それらを採用するために、この「呪文重視型」では《導路の召使い》が不採用となっている。3番人気は、メインから《炎呼び、チャンドラ》を3~4枚採用した「炎呼び搭載型」。《炎呼び、チャンドラ》は[-X]の全体除去能力で「ゾンビ」デッキへの耐性を高める助けとなり、[0]能力で手札の《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を捨てて入れ替えることもできる。また、《霊気池の驚異》で引き当てても悪くない1枚だ。(使用者の優れた技術はもちろんだが)それぞれのカード選択が功を奏したか、「呪文重視型」と「炎呼び搭載型」のいずれも極めて高い2日目進出率を誇っている。(十分高い)「流行型」をも上回るほどだ。

 「スゥルタイ『霊気池』」は、赤のエネルギー絡みのカードの代わりに《致命的な一押し》や《死の権威、リリアナ》を採用したものだ。このデッキはサブ・プランとして、「ゾンビ・ウラモグ」戦略――《発生の器》で《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を墓地へ落とし、それを《死の権威、リリアナ》でリアニメイトする動き――を有している。唱えた際の能力は誘発しないものの、10/10破壊不能の怪物は手に入るというわけだ。この形では、使用者の多くが《墓後家蜘蛛、イシュカナ》や《陰謀の悪魔》も採用している。なお、《発生の器》と《墓後家蜘蛛、イシュカナ》を採用した「ティムール」のリストもふたつあったが、ここでは「スゥルタイ『霊気池』」に分類した。厳密に言えば色が異なるのだが、《発生の器》と《墓後家蜘蛛、イシュカナ》の採用は「スゥルタイ『霊気池』」に見受けられる特徴だからだ。

 「バント『霊気池』」の使用者は最も少なかった。このデッキは青白コントロールを基本とし、そこへ緑のエネルギー絡みのカードを採用して《霊気池の驚異》を運用することで、インスタント・タイミングで《燻蒸》を放つといった動きを実現した形だ。

 最後に、赤の《蓄霊稲妻》、白を足して《先駆ける者、ナヒリ》と、すべての次元から優れたカードを集めた「4色『霊気池』」。しかしこのデッキは、あまり奮わなかった。

「マルドゥ機体」

 『カラデシュ』導入以降、「マルドゥ機体」はスタンダードの主役であり続けた。しかしそれゆえに、誰もがこのデッキを意識し、このデッキを倒すための準備を進めてきた。それは今大会の2日目進出率にも表れており、「マルドゥ機体」の進出率は平均を下回る結果になった。

「マルドゥ機体」のバリエーション初日使用者数2日目使用者数進出率
流行型(ミッドレンジ)874956%
サイドボードに青を採用した形6583%
発明者の見習い》を採用した形5360%
模範操縦士、デパラ》と《高速警備車》を採用した形100%
合計995758%

 最も一般的なミッドレンジ型の「マルドゥ機体」は、1マナ域8枚に土地25枚、除去呪文8枚、そしてマナ・カーブの最後に5マナ域を据えたものだ(《大天使アヴァシン》が最も多いが、《栄光をもたらすもの》を採用したものもある)。この形は通常、変形サイドボードを備えており、サイドボーディング後は「誓い」や全体除去、大量の単体除去を完備した「マルドゥ・プレインズウォーカーズ」に変わるのが特徴だ。

 2マナ域の採用カードには差異が見受けられる。《歩行バリスタ》を採用してアーティファクトの枚数を増やしたものから、《経験豊富な操縦者》を採用したよりアグレッシブな姿勢のもの、それらをミックスしたもの、さらには新カード《栄光半ばの修練者》を採用したものもあった。「コピー・キャット」コンボを止めるために《歩行バリスタ》を採用する理由はなくなった今、「マルドゥ機体」に最も適した2マナ域は《経験豊富な操縦者》であると言えるだろう。しかし《経験豊富な操縦者》はアーティファクトではなく(そのため《ピア・ナラー》や《耕作者の荷馬車》といったカードでアーティファクトの数を補う必要が出てくる)、また赤マナの要求も厳しくなる(そのため《木端+微塵》のようなカードに必要な黒マナが捻出しにくい)という悩ましい点もあるのだ。

 青を含む形にはメインから《尖塔断の運河》が採用されており、サイドボードに《金属の叱責》や《否認》、《儀礼的拒否》といったカードが搭載されている。「マルドゥ機体」の中では、この形が最も高い2日目進出率を記録している。

 《発明者の見習い》を採用した形は、1マナ域11枚に土地23枚、除去呪文6枚、そしてマナ・カーブの最後に4マナ域を置いたものだ。このリストは、プロツアー『霊気紛争』の優勝デッキに奇妙なほどに似ている。事実、その優勝者であるルーカス・エスペル・ベルサウド/Lukas Esper Berthoud本人も再び《発明者の見習い》にスリーブをかけ、《霊気池の驚異》や《奔流の機械巨人》が体勢を整える前に倒し切ることを狙っていた。彼は惜しくも初日突破を逃したが、他の《発明者の見習い》を愛する同志が2日目進出を果たしている。

 最後に、《模範操縦士、デパラ》と《高速警備車》を4枚ずつ採用したものもひとつだけあった。しかし初日突破とはならなかった。

「ゾンビ」

 今大会に「ゾンビ」デッキが現れること自体は、多くのプレイヤーが予想していたようだ。しかしその大量発生は驚きを持って迎えられた。さらにその2日目進出率も非常に高く、「霊気池の驚異」に匹敵するほどだった。

 「ゾンビ」デッキ大量発生の理由は、『アモンケット』にてこの部族が大きく強化されたことにある。とりわけ《戦慄の放浪者》は序盤の速さから終盤の粘り強さまでもたらす最高の1マナ域であり、今やこのデッキはまたたく間に大量のゾンビを生み出すことが可能になった。

「ゾンビ」のバリエーション初日使用者数2日目使用者数進出率
黒単ゾンビ634673%
白黒ゾンビ151067%
合計785672%

 「黒単」の構成は大部分が共通している。ほとんどのデッキに《金属ミミック》、《呪われた者の王》、《リリアナの支配》の「ロード」が合計12枚採用されており、この構成はモダンやレガシーの「マーフォーク」デッキを思わせる。マナの注ぎ込み先やクリーチャーの再利用手段も豊富でゲーム後半に強く、さらに環境最強の除去も有している。

 「白黒」の方は、単色ならではのマナ基盤の安定感(と《ウェストヴェイルの修道院》)を犠牲にしながらも、《むら気な召使い》や《束縛のミイラ》などのカードを採用できるようになった形だ。また《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》や《苦渋の破棄》をサイドボードに搭載したものが多く見受けられる。

 「ゾンビ」デッキの弱点は全体除去だ。2/2のゾンビ・トークンが横に並ぶ展開になるため、《光輝の炎》や《燻蒸》といったカードが劇的に効く。そして「マルドゥ機体」を含めて大半のデッキが、こういった全体除去をサイドボードに備えているのだ。(「マルドゥ機体」を使用したプレイヤーのおよそ8分の1が《光輝の炎》を複数枚サイドボードに採用しており、「ゾンビ」デッキが意識されていたことが伺える)。さて、「ゾンビ」側はこの弱点をどう補っているのか。サイドボードに採用されている全体除去に耐性のある脅威とは何か。たとえ第1ゲームは「ゾンビ」側が有利でも、サイド後「マルドゥ・プレインズウォーカーズ」へと姿を変えて全体除去を駆使する「マルドゥ機体」に対して何の手立てもなければ、相性は覆るだろう。

 全体除去への対策として特に目立つのは、《屑鉄場のたかり屋》や《不死の援護者、ヤヘンニ》、《栄光の神バントゥ》だ。他にも《最後の望み、リリアナ》や《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》、《霊気圏の収集艇》、《領事の旗艦、スカイソブリン》といったプレインズウォーカーや機体を採用したものなど、サイドボードはさまざまだった。これらはすべて、盤面を強化しつつソーサリー・タイミングの全体除去をかわすことができる。また、《ゲトの裏切り者、カリタス》や《疫病吹き》を採用したものもあった。《燻蒸》に対しては有効でないものの、《焼けつく双陽》や《光輝の炎》に耐えられるのは大きいだろう。

「黒緑」系

 「霊気池」、「マルドゥ機体」、「ゾンビ」の「3強」に続いて、まずは「黒緑」系のデッキから見ていこう。このアーキタイプは『アモンケット』で得たものは少なく、2日目進出率も平均を下回る結果となった。

「黒緑」系のバリエーション初日使用者数2日目使用者数進出率
黒緑エネルギー10660%
黒緑「昂揚」5360%
黒緑「謎の石の儀式」55100%
黒緑「巻きつき蛇」5240%
スゥルタイ「昂揚」300%
アブザン「昂揚」100%
合計291655%

 「黒緑エネルギー」は、基本的に《霊気との調和》や《緑地帯の暴れ者》、《牙長獣の仔》を中心に構築されていた。「黒緑『昂揚』」は《残忍な剥ぎ取り》、《発生の器》、《墓後家蜘蛛、イシュカナ》を主力に据えたものが多かった。3色の「昂揚」デッキはどちらも失敗に終わったようだ。そして「黒緑『巻きつき蛇』」は《巻きつき蛇》と《歩行バリスタ》、《ピーマの改革派、リシュカー》のシナジーを活かしたもので、エネルギーは主軸になっていない。

 おそらく最も興味深いのは、「黒緑『謎の石の儀式』」だろう。昨年登場した「謎の石の儀式」デッキで採用されていた軽量クリーチャーたちが再び結集し、今回は《栄光の神バントゥ》や《生類の侍臣》といったカードがマナの注ぎ込み先として脇を固めている。このアーキタイプは見事、使用者を全員2日目へ進出させた。

「機械巨人コントロール」

 《検閲》を駆使し、《暗記+記憶》でカードを復活させ、《明日からの引き寄せ》でカード・アドバンテージを生み出し、《奔流の機械巨人》で攻め寄せる。この動きを愛する者は多く、「機械巨人コントロール」は根強い人気を誇った。しかし今大会では、このアーキタイプを選択したグループは痛手を負うことになったようだ。

「機械巨人コントロール」のバリエーション初日使用者数2日目使用者数進出率
青赤コントロール16956%
青赤「電招の塔」300%
ジェスカイ・コントロール3133%
ティムール「電招の塔」22100%
白青コントロール100%
合計251248%

 『アモンケット』で多くのものを得た「青赤コントロール」が最も人気を集めた。青のカードについては先ほど挙げたが、《マグマのしぶき》や《焼けつく双陽》といったカードも採用され、「ゾンビ」デッキへ睨みを利かせている。

 白を含む形は《排斥》や《燻蒸》を採用できたが、今大会での活躍は叶わなかった。《電招の塔》を採用した形もまた、ティムールの3色のものは結果を残したものの、目覚ましい活躍をしたとは言いがたい。

「白青『呪文捕らえ』」

 プロツアー『カラデシュ』の結果からもわかる通り、《霊気池の驚異》を止める手段としては打ち消し呪文が有効だ。とりわけ《呪文捕らえ》はこの強力な4マナのアーティファクトに対して効果的だったのだが、今大会初日の結果はそれを証明できなかった。《呪文捕らえ》を用いたデッキに居場所はなかったのだ。

 「白青フラッシュ」は、《検閲》や《排斥》、《栄光半ばの修練者》といった新カードが採用されている点を除けば数か月前の形を思い起こさせる。「白青スピリット」の方は、《霊廟の放浪者》や《鎖鳴らし》、《ネベルガストの伝令》などが採用されている。

「ティムール・エネルギー」

 この「ティムール・エネルギー」には、(《導路の召使い》や《つむじ風の巨匠》、《ならず者の精製屋》、《霊気との調和》、《蓄霊稲妻》といったエネルギー絡みのカードの採用はもちろんだが)《媒介者の修練者》でマナを加速して《逆毛ハイドラ》や《栄光をもたらすもの》のような大型クリーチャーを繰り出すミッドレンジ・デッキが分類されている。なお、《老いたる深海鬼》を採用したものは分けて集計した。

「ティムール・エネルギー」のバリエーション初日使用者数2日目使用者数進出率
深海鬼搭載型5480%
その他のティムール・エネルギー6583%
合計11982%

 「その他のティムール・エネルギー」には、《老いたる深海鬼》の代わりに《新緑の機械巨人》や(《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》、《サヒーリ・ライ》、《反逆の先導者、チャンドラ》といった)プレインズウォーカーが採用されている。

 全体的に見て、このデッキは見事な活躍を見せたと言えるだろう。使用者の大半を2日目へ進出させたのだ。

「赤アグロ」系

 「赤アグロ」系のデッキはさまざまなものが登場し、全体の2日目進出率は平均値を記録した。

「赤アグロ」系のバリエーション初日使用者数2日目使用者進出率
ジャンド神々3267%
赤白人間22100%
赤緑エネルギー100%
赤緑「静電気式打撃体」100%
赤白「督励」11100%
合計8563%

 「ジャンド神々」は「マルドゥ機体」(《キランの真意号》や《無許可の分解》の採用)と「黒緑エネルギー」(《霊気との調和》や《緑地帯の暴れ者》の採用)が合わさったような形のデッキで、そこへ《不屈の神ロナス》と《熱烈の神ハゾレト》が加わっている。

 《熱烈の神ハゾレト》はまた、『アモンケット』の《名誉ある門長》や《栄光半ばの修練者》によって強化された「赤白人間」にも採用されている。

その他

 最後に、これまでのカテゴリーに分類されないデッキを見ていこう。

アーキタイプ初日使用者数2日目使用者数進出率
「新たな視点」コンボ7343%
黒赤ミッドレンジ5240%
青赤「現出」22100%
マルドゥ・プレインズウォーカーズ200%
アブザン・トークン11100%
白黒コントロール11100%
白青「岸の飲み込み」11100%
緑白トークン11100%
合計201155%

 「『新たな視点』コンボ」は、デッキ名に冠される《新たな視点》を設置し、そこから《シェフェトのオオトカゲ》や《砂時計の侍臣》を「サイクリング」してマナを増やし、《葬送の影》ですべてを手札に戻して一連の流れを繰り返し、最終的に《副陽の接近》を2度唱えて勝利することを狙ったデッキだ。しかし高速アグロと打ち消し呪文に弱いこのデッキは、今大会で成功を収めることができなかった。

 「黒赤ミッドレンジ」は、《致命的な一押し》や《心臓露呈》、《焼けつく双陽》、《豪華の王、ゴンティ》、《栄光をもたらすもの》といったカードを使用して状況の変化に対応しながら戦うデッキだ。しかしこのデッキも、使用者5人のうち2人を2日目へ送り込むに留まった。

 興味深いことに、この「その他」に分類されるもので使用者1名のデッキはすべて2日目に進出している。それぞれのデッキの概要を簡潔に述べていこう。

 「アブザン・トークン」は、《秘密の備蓄品》や《選定された行進》とトークンを生み出すカードを組み合わせ、例えば《聖なる猫》の「不朽」で生み出されたトークンなどで盤面を埋め尽くすデッキだ。

 「白黒コントロール」は、《才気ある霊基体》や《鞭打つ触手》などで序盤を戦い、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》や《死の宿敵、ソリン》でゲームを決めるデッキだ。

 「白青『岸の飲み込み』」は、マナ基盤を《》で固めて盤面を「飲み込み」、《奔流の機械巨人》で再利用しながら《灌漑農地》で生み出す白マナで《副陽の接近》を唱えて勝利するデッキだ。

 「緑白トークン」は、かつてのものと同様に《ニッサの誓い》から《森の代言者》、《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》、《大天使アヴァシン》という動きを見せるデッキだ。

2日目進出率の分析

 以上で紹介したすべてのデッキをひとつにまとめて分析すると、少なくとも5人以上の使用者を集めたデッキの中で最も高い2日目進出率を記録したのは、「炎呼び搭載型ティムール『霊気池』」と「黒緑『謎の石の儀式』」、「呪文重視型ティムール『霊気池』」という結果になった。なお40人以上の使用者を集めたデッキの中では、「黒単ゾンビ」が最も多くのプレイヤーを2日目へ送り込んでいる。

アーキタイプ初日使用者数2日目使用者数進出率
炎呼び搭載型ティムール「霊気池」77100%
黒緑「謎の石の儀式」55100%
ティムール「電招の塔」22100%
赤白人間22100%
赤白「督励」11100%
青赤「現出」22100%
アブザン・トークン11100%
白黒コントロール11100%
白青「岸の飲み込み」11100%
緑白トークン11100%
呪文重視型ティムール『霊気池』141286%
サイドボードに青を採用したマルドゥ機体6583%
ティムール・エネルギー(その他)6583%
ティムール・エネルギー(深海鬼搭載型)5480%
黒単ゾンビ634673%
流行型ティムール「霊気池」493469%
スゥルタイ「霊気池」151067%
白黒ゾンビ151067%
ジャンドの神々3267%
バント「霊気池」5360%
発明者の見習い》を採用したマルドゥ機体5360%
黒緑エネルギー10660%
黒緑「昂揚」5360%
流行型(ミッドレンジ)マルドゥ機体874956%
青赤コントロール16956%
白青スピリット2150%
「新たな視点」コンボ7343%
黒緑「巻きつき蛇」5240%
白青フラッシュ10440%
黒赤ミッドレンジ5240%
4色「霊気池」6233%
ジェスカイ・コントロール3133%
模範操縦士、デパラ》と《高速警備車》を
採用したマルドゥ機体
100%
スゥルタイ「昂揚」300%
アブザン「昂揚」100%
青赤「電招の塔」300%
白青コントロール100%
赤緑エネルギー100%
赤緑「静電気式打撃体」100%
マルドゥ・プレインズウォーカーズ200%

2日目進出デッキで使用されているカード・トップ25

 もちろん、さらに詳しいデータも用意している。以下に、プロツアー『アモンケット』のスタンダード・デッキで多く使用されているカードを一覧にして掲載しよう。なお、この表における「採用枚数」はすべてのデッキのメインボードとサイドボードに採用されている枚数の合計であり、2日目の採用枚数が多い順に並んでいる。

カード名 初日使用数 2日目使用数
霊気拠点 755 492
致命的な一押し 720 460
屑鉄場のたかり屋 604 374
霊気との調和 505 356
精神背信 500 324
否認 491 316
蓄霊稲妻 464 308
ならず者の精製屋 402 298
植物の聖域 419 297
尖塔断の運河 408 281
ゼンディカーの同盟者、ギデオン 487 279
霊気池の驚異 388 276
秘密の中庭 472 276
スレイベンの検査官 449 261
不屈の追跡者 358 256
絶え間ない飢餓、ウラモグ 359 254
キランの真意号 420 244
感動的な眺望所 427 244
織木師の組細工 344 244
無許可の分解 415 241
導路の召使い 341 239
模範的な造り手 392 228
墓所破り 312 224
闇の救済 312 224
戦慄の放浪者 312 224
2日目進出デッキで使用されている『アモンケット』のカード・トップ25

 最後に、最新セットで人気を集めたカードの一覧を掲載しよう。

カード名 初日使用数 2日目使用数
戦慄の放浪者 312 224
マグマのしぶき 366 220
呪われた者の王 292 212
リリアナの支配 291 208
没収 257 160
泥濘の峡谷 256 148
検閲 215 122
栄光をもたらすもの 204 116
不帰+回帰 154 96
焼けつく双陽 139 83
刻み角 111 78
造反者の解放 105 75
木端+微塵 117 72
排斥 112 61
隠れた茂み 77 47
ルクサの恵み 71 46
むら気な召使い 51 36
死の権威、リリアナ 55 31
媒介者の修練者 38 29
灌漑農地 71 29
栄光半ばの修練者 50 28
暗記+記憶 51 27
明日からの引き寄せ 48 25
栄光の神バントゥ 27 24
周到の神ケフネト 45 24
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