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EVENT COVERAGE
プレイヤーズコンベンション千葉2025

チャンピオンズカップファイナル シーズン3ラウンド2 メタゲームブレイクダウン
※編注:本イベントは『霊気走破』リリース前のカードプールで実施されています。
2025年2月8日、千葉県・幕張メッセに競技者たちの熱気が渦巻く──「チャンピオンズカップファイナル シーズン3ラウンド2」がついに開幕だ。総勢242名のプレイヤーたちが集い、モダン環境での頂点を目指す2日間の戦いがスタートした。
昨年6月にリリースされた『モダンホライゾン3』をはじめとする新カード群と、数度にわたる大幅な禁止・制限カードの改定によって、モダンフォーマットは大きく変化している。メタゲームは高速化が進み、アグレッシブなデッキや一撃必殺のコンボ戦略が目立つようになった。
ここでは今大会へと集まった猛者たちが選択したデッキリストを元に、最新のメタゲームブレイクダウンを見ていこう。
メタゲームブレイクダウン
アーキタイプ | 使用者数 | 使用率 |
---|---|---|
ボロス・エネルギー | 49 | 20.3% |
脱出基地 | 32 | 13.3% |
エルドラージ・ランプ | 28 | 11.6% |
マルドゥ・エネルギー | 16 | 6.6% |
オルゾフ・ブリンク | 15 | 6.2% |
エスパー眼魔 | 11 | 4.6% |
ベルチャー | 11 | 4.6% |
ジェスカイ・エネルギー | 8 | 3.3% |
アミュレット・タイタン | 7 | 2.9% |
ルビー・ストーム | 6 | 2.5% |
ゴルガリ・ヨーグモス | 4 | 1.7% |
ジェスカイ・チャント | 4 | 1.7% |
エスパー御霊 | 4 | 1.7% |
ディミーア眼魔 | 4 | 1.7% |
ディミーア・ライブラリーアウト | 2 | 0.8% |
ドメイン・ズー | 2 | 0.8% |
ディミーア・マークタイド | 2 | 0.8% |
ホロウワン | 2 | 0.8% |
5色独創力 | 2 | 0.8% |
グリクシス・リアニメイト | 2 | 0.8% |
ボロス・バーン | 2 | 0.8% |
親和 | 2 | 0.8% |
(使用者1名) | 26 | 10.8% |
※締切後登録者およびラストチャンストライアル突破者のリストは含まれていません。
※デッキ登録段階の集計のため、数字にズレがある可能性があります。ご了承ください。
環境を定義する3つのデッキ
メタゲームブレイクダウンを見ると、「ボロス・エネルギー」と「脱出基地」、「エルドラージ・ランプ」の3デッキがデッキ占有率の上位を占めている。これらはそれぞれがアグロ、コンボ、ランプという三者三様のまったく異なる軸の強みを持った強力なデッキだ。
2 《優雅な談話室》 4 《湿地の干潟》 4 《乾燥台地》 2 《栄光の闘技場》 1 《山》 2 《平地》 3 《聖なる鋳造所》 3 《溢れかえる岸辺》 -土地(21)- 4 《魂の導き手》 3 《歴戦の紅蓮術士》 3 《敏捷なこそ泥、ラガバン》 4 《火の怒りのタイタン、フレージ》 4 《ナカティルの最下層民、アジャニ》 1 《溌剌の牧羊犬、フィリア》 4 《オセロットの群れ》 1 《魔女の結界師》 1 《イーオスのレインジャー長》 -クリーチャー(25)- |
2 《静牢》 2 《スレイベンの魔除け》 1 《鏡割りの寓話》 4 《電気放出》 3 《ゴブリンの砲撃》 1 《岩への繋ぎ止め》 1 《血染めの月》 -呪文(14)- |
1 《外科的摘出》 3 《黒曜石の焦がし口》 2 《オアリムの詠唱》 2 《摩耗 // 損耗》 3 《石のような静寂》 1 《除霊用掃除機》 1 《空の怒り》 1 《スカルドの決戦》 1 《ドラニスの判事》 -サイドボード(15)- |
「ボロス・エネルギー」は『モダンホライゾン3』以降に誕生したデッキで、継戦能力の高さと多角的な攻撃手段が魅力だ。《魂の導き手》によるライフ回復と戦力強化、《オセロットの群れ》によるトークン戦略、デッキの形を歪めることなく自然な形で採用が可能なプレインズウォーカーである《ナカティルの最下層民、アジャニ》が噛み合った非常に強力なアグロデッキである。
この「ボロス・エネルギー」が環境の速度を定義しているといっても過言ではない。これに対し、《オパールのモックス》の解禁によってさらなる高速化と安定性の向上を実現した「脱出基地」も台頭している。
1 《繁殖池》 4 《沸騰する小湖》 2 《変容する森林》 1 《蒸気孔》 4 《ウルザの物語》 1 《山》 1 《踏み鳴らされる地》 1 《迷路庭園》 2 《樹木茂る山麓》 1 《天上都市、大田原》 1 《耐え抜くもの、母聖樹》 -土地(19)- 4 《知りたがりの学徒、タミヨウ》 4 《湖に潜む者、エムリー》 1 《機能不全ダニ》 -クリーチャー(9)- |
4 《ミシュラのガラクタ》 3 《研磨基地》 4 《邪悪鳴らし》 3 《モックス・アンバー》 1 《魂標ランタン》 4 《死の国からの脱出》 1 《朦朧への没入》 1 《上天の呪文爆弾》 2 《邪悪な熱気》 4 《オパールのモックス》 1 《ぶどう弾》 1 《呪文貫き》 2 《定業》 1 《神秘を操る者、ジェイス》 -呪文(32)- |
1 《真髄の針》 4 《記憶への放逐》 2 《自然の要求》 1 《邪悪な熱気》 1 《紅蓮地獄》 1 《炎渦竜巻》 1 《神秘の論争》 1 《レンと六番》 1 《アノールの焔》 1 《最高工匠卿、ウルザ》 1 《呪文嵌め》 -サイドボード(15)- |
「0マナのアーティファクト」「《死の国からの脱出》」「《研磨基地》」の3枚を戦場に揃えることで、0マナアーティファクトを生け贄に捧げて《研磨基地》を起動し、自らのライブラリーを3枚切削して墓地に落ちたそれらのカードを「脱出」のコストに当てて墓地にある0マナのアーティファクトを唱える……この過程を繰り返すことで自身のライブラリーをすべて削ることができるというコンボだ。
この過程でモックス系のアーティファクトをプレイしてマナを生み出していき、最終的には《神秘を操る者、ジェイス》や《タッサの神託者》、《ぶどう弾》をプレイすることでゲームに勝利するというのがこのコンボデッキだ。コンボ成立のための必要カードはいずれも軽い上、《死の国からの脱出》さえ持っていれば0マナアーティファクトや《研磨基地》は墓地から唱えることもできる。
墓地対策という明確な弱みを持ちつつも、「ボロス・エネルギー」にも速度負けしない上回る爆発力を誇る「脱出基地」。これもまた今大会で注目のデッキだ。
1 《ボジューカの沼》 1 《魂の洞窟》 1 《商業地区》 4 《エルドラージの寺院》 4 《森》 1 《霧深い雨林》 1 《ウギンの聖域》 2 《踏み鳴らされる地》 4 《ウギンの迷宮》 1 《新緑の地下墓地》 1 《吹きさらしの荒野》 1 《樹木茂る山麓》 -土地(22)- 3 《運命を貪るもの》 3 《約束された終末、エムラクール》 4 《まき散らす菌糸生物》 3 《世界を壊すもの》 2 《のたうつ蛹》 -クリーチャー(15)- |
4 《大いなる創造者、カーン》 4 《コジレックの命令》 3 《コジレックの帰還》 4 《邪悪鳴らし》 4 《衝動のタリスマン》 4 《楽園の拡散》 -呪文(23)- |
1 《街並みの地ならし屋》 2 《四肢切断》 1 《罠の橋》 1 《機能不全ダニ》 1 《液鋼の塗膜》 3 《石の雨》 1 《トーモッドの墓所》 1 《魂なき看守》 1 《仕組まれた爆薬》 3 《石の脳》 -サイドボード(15)- |
《ウギンの迷宮》と《エルドラージの寺院》という2種類の2マナ土地を採用できる「エルドラージ・ランプ」も人気のアーキタイプだ。こちらはエネルギー系アグロや「脱出基地」のような速度はないものの、マナ加速を行いながら脅威を叩きつけるエルドラージデッキらしい骨太な動きが魅力だ。
アグロに対しては《コジレックの帰還》、「脱出基地」に対しては《大いなる創造者、カーン》が刺さり、相手のゲームプランに干渉しながらマナを伸ばして《世界を壊すもの》や《まき散らす菌糸生物》など土地破壊を内蔵したクリーチャーたちで相手の動きを縛る。
これらの3つのデッキが中心となりつつ、《溌剌の牧羊犬、フィリア》や《永劫の無垢》といったアドバンテージエンジンを獲得したことでデッキが成立した「オルゾフ・ブリンク」や、「ボロス・エネルギー」対策の《害獣駆除》を搭載した「エスパー眼魔」など、これまでに紹介したいずれのデッキとも異なるデッキタイプが存在する。20年分のカードプールを擁するモダンならではの多様性ある環境だ。
1年前と比べ、禁止改定や新セットによって環境は劇的に変化した。デッキのスピード感が増す中で、アグロやコンボデッキが頭角を現している。これらの変化が大会最終日にどのような結果をもたらすのか。
プロツアーや世界選手権への道を切り開く戦いの行方から目が離せない。