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日本選手権2018
第3回戦:鳴海 勝(東京) vs. 行弘 賢(東京)
第3回戦、いよいよここからは2不戦勝明けのプラチナレベル・プロプレイヤー3名が登場する。
渡辺 雄也・八十岡 翔太とともにフィーチャーマッチエリアに現れたのは行弘 賢。プロポイント最上位によるワールド・マジック・カップ2018日本代表キャプテンの最有力候補だ。
とはいえ、翌週のグランプリ・香港2018で渡辺や八十岡が優勝した場合に今回の大会結果と合わせて最上位を奪われてしまう可能性もあり、油断はできないという状況。2週間後に迫った世界選手権の練習も兼ね、自ら代表の座を守るために今回出場している。
そんな行弘だがデッキビルダーとして世界的に知られている以上、ありきたりなデッキを選ぶはずもない。今回は「赤黒にだけ相性差4 : 6で、他のデッキには有利だから」という理由で、Magic Online発のデッキである青単アグロを使用している。こちらについては、のちほどデッキテクをお届けする予定だ。
だが、対する鳴海 勝のデッキはトップメタ、赤黒アグロ。早くも最悪のマッチアップを踏んでしまった行弘、不戦勝明けの試練を乗り越えることができるか。
鳴海 勝 vs. 行弘 賢 |
ゲーム1
先手の鳴海が2ターン目までに《山》《山》と置いてターンを返すのを見た行弘は、1ターン目に送り出した《セイレーンの嵐鎮め》をレッドゾーンに送り出すのみでターンを返す。赤いデッキの3ターン目にはヤツがいるからだ。
注文通り登場した《ゴブリンの鎖回し》を、ウィザードの恩恵で《対抗呪文》となった《魔術師の反駁》でしっかりとカウンターする行弘。さらに続くターンの《反逆の先導者、チャンドラ》も《魔術師の反駁》し、往年のパーミッションを彷彿とさせる動きで鳴海の脅威を退けることに成功する。
とはいえ、《島》を3枚しか引けていない行弘は1点クロックのほかになかなかクリーチャーを展開できない。エンド前に《マーフォークのペテン師》を出すも、即座に《削剥》で対処される。《航路の作成》を抱えているのだが、万一4枚目の《島》を引けなかった場合の裏目をケアして、カウンターのマナを残し続ける。
一方の鳴海は除去ばかり引き込んでいるのか、土地を置き続けるだけで動きがない。そうこうしている間に行弘が4枚目の土地を引き込み、《航路の作成》で手札内容を整え始める。
ようやく《戦場のたかり屋》を送り出した鳴海だが、3枚目の《航路の作成》で溢れんばかりの手札を抱えた行弘は《這い寄る刃》を戦線に追加してダメージレースの構えを見せると、続く《ゴブリンの鎖回し》を《本質の散乱》でカウンター。エンド前の《敏捷な妨害術師》は《削剥》されるも、これで鳴海の残り手札は2枚。
鳴海 勝 |
土地6枚から満を持して送り出されたフィニッシャーの《大嵐のジン》こそ、《無許可の分解》→《セイレーンの嵐鎮め》でカウンター→ならばとメインで《木端 // 微塵》を当てて何とか退場させた鳴海だったが、駆け付けた《栄光をもたらすもの》も《本質の散乱》であっさりといなされ、返すターンには《島》7枚のバックアップでパワー7まで育った2枚目の《大嵐のジン》を出されて悶絶。
《ボーマットの急使》の能力起動に最後の望みを託す鳴海だったが、対応しての《敏捷な妨害術師》の「サイクリング」がその望みを断ち切った。
鳴海 0-1 行弘
ゲーム2
《ボーマットの急使》スタートの鳴海に対し、行弘は《這い寄る刃》で応える。
《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ》には《遵法長、バラル》を。パーミッションに終始した1ゲーム目と打って変わって、盤面で鳴海のクロックを抑えにいく。
だが3ターン目に《戦場のたかり屋》《損魂魔道士》と追加されてしまうと、《ゴブリンの鎖回し》がチラつく行弘はカウンターを構えないわけにはいかない。《執着的探訪》を《這い寄る刃》に付けて攻撃し、土地を引けずに仕方なくセットなしの1マナ構えでターンを返す。
《遵法長、バラル》で《本質の散乱》は打てるとはいえ、もしも4枚目の土地を置かれて《削剥》を打たれると厳しいところ。はたして鳴海のアクションは……セット《霊気拠点》、黒マナを出して《這い寄る刃》へと《無許可の分解》を撃ち込む!
その1マナの差は、あまりにも大きすぎた。
《呪文貫き》! さらに《遵法長、バラル》の能力で土地を探しにいく。
とはいえ行弘も決して楽ではない。《損魂魔道士》《ボーマットの急使》《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ》《屑鉄場のたかり屋》の4体アタックは《ボーマットの急使》を止めるしかないが、8点を受けて残りライフは11点。
しかも、行弘はなおも3枚目の土地を引けていない。《執着的探訪》の1枚ドローから《航路の作成》をプレイしてようやく土地を引き込むも、《ボーマットの急使》の能力起動で手札が増えた鳴海相手にノーガードにはできず、このターンはカウンターのマナを構えてターンを返す。
再び鳴海の総攻撃。《遵法長、バラル》がラガバン・トークンをブロックして残り6点。戦闘後の《ゴブリンの鎖回し》は《本質の散乱》するが、いよいよ後がない。
盤面を慎重に検討した行弘は、《大嵐のジン》をプレイして1マナを立たせてエンド。《執着的探訪》が剥がれるのにも構わない。だが返すターン、もし鳴海が行弘のカウンターをすり抜ける除去を打ってきたならジ・エンドだ。
そして鳴海がマナをタップする。
5マナ。《栄光をもたらすもの》!
それを、《遵法長、バラル》でコストが軽くなった《本質の散乱》で受ける!
どうにか生き残った行弘は、鳴海の土地に黒マナがないと見てとるや続くターンの《戦場のたかり屋》をも《魔術師の反駁》で弾き、返しでサイドから入れた《金剛牝馬》を「青」指定で着地させる。
さらにエンド前に《マーフォークのペテン師》。ここでも鳴海のアクションはない。
ついに行弘が《大嵐のジン》の2枚目を送り出すと、カードを引いた鳴海は《泥濘の峡谷》を「サイクリング」する。そして。
そのまま「何もないです……」と言いながら手札を公開すると、張り詰めた緊張から解放された行弘は安堵の吐息を漏らしながら、「ありがとうございました」と礼の言葉を述べた。
鳴海「やっぱジンがでかくて強いですねー……」
鳴海 0-2 行弘
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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