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グランプリ・シンガポール2018

インタビュー

グランプリ・シンガポール2018チャンピオン 市川ユウキ インタビュー

小山 和志
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 グランプリ・シンガポール2018を制したのは市川ユウキ!

 「赤黒アグロ」や「赤単アグロ」がスタンダードで大暴れする中、市川は「白青王神」を選択し見事4つ目のグランプリタイトルを獲得した。

 2日間で18回戦を戦い抜いた直後の市川にインタビューを申し込むと、疲れを感じさせない笑顔で快く応じてくれた。

市川ユウキ 優勝インタビュー

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――おめでとうございます! いつも聞いている気がしますが(※市川の優勝インタビューは3回目)、今の気持ちを聞かせてください。

市川「ありがとうございます! いやー、嬉しい! 今までで一番嬉しいかもしれない! 苦しい中で自分を信じてデッキを選んで、それが結果に反映させることができて……不調ながらも盛り返すことができて本当に嬉しいです」

――どうしても好不調の波というのはできてしまうものなんですね。

市川「あると思いますね。ただどうしようもないですね。僕、(将棋の)羽生(善治)さんの本が好きでよく読んだりするんですが、『天気みたい』なものだと。マジックも近いですよね。できる中で全力を出すしかない、『集中しよう』と思ってもなかなかできないので」

デッキの選択理由
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――プロツアー『ドミナリア』から赤系のデッキが支配的な今、「白青王神」というデッキを選んだのはなぜでしょう?

市川「僕も赤黒や赤単は回したんですが、自分のプレイスタイル的に勝てないとなって別のデッキを使おうと思ったところで、それらのデッキは同型戦を意識すると『《削剥》や《無許可の分解》がメインデッキから減る』という結論に達したんです。同型戦では《キランの真意号》は受けられるカードではないため弱く《削剥》の価値が下がり、かつ《木端 // 微塵》が肝になる。《無許可の分解》もミラーマッチではテンポが悪いのであまり使われないだろう、というタイミングだったので。赤系は流行っていますが採用カード的には『白青王神』へのガードが下がるかなあ?……くらいのタイミングだったので」

――メタゲームの先を読んでの選択だったんですね。

市川「ただ、グランプリってそこまで先に(メタゲームが)進まななかったりするので、そこは不安でしたね。《削剥》や《無許可の分解》がバンバン飛んでくるんじゃないかと」

――じゃあ大きな賭けでしたね。

市川「そうですね。練習で勝っていれば赤系のデッキを選んでいたんですが、本当に勝っていなかったんで……そんな中Magic Onlineでこのデッキを回して成績が良かったので『これでいいかな』と」

――プレイスタイルに合ったデッキを使うのがいいんですね。

市川「そうですね、ただ一応こじつけに近いけど、メタゲーム上(環境に)フィットしている可能性がある(笑)、かつ自分のプレイスタイルに合っている、から選ぼうという感じでしたね」

頼れる仲間とともにさらなる戦いへ
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――今回はプロツアーと同じく『武蔵』のメンバーとは調整されたのですか?

市川「今回はひとりで調整しました。原根(健太)くんには『白青王神』のデッキリストを投げてみたりしましたが、彼は全くピンと来てなかったようで(笑)。サイドボードの1枚だけ助言をもらって、それはすごく良かったです。」

――原根さんと仲がいいんですね。

市川「原根くんも理詰めでデッキを決めたいタイプのプレイヤーで、彼の意見は本当に参考になります。デッキリストを投げがいがあるというか、彼なりの良い悪いが返ってくるので本当に勉強になるなと感じています」

――これでプロポイント8点を獲得して28点ですね。

市川「そうなんです! これでゴールドレベルまであと7点となると、チームプロツアーで行けなくもないラインになってきたので、モチベーションが上がりましたね。あとはサイクル制に変わった後の最初のプロツアー権利を取れたのでこのまま頑張りたいと思います」

――チーム『武蔵』は2年連続のチームシリーズ決勝も見える位置にいますし、プロツアーが楽しみですね。

市川「ぜひね! ぜひ行きたいですね」

――それでは、今期これからの意気込みを聞かせていただけますか?

市川「今シーズンはプロツアーで全然勝ててなくてチームのお荷物感が出ているので……マジック25周年記念プロツアーはチームのためはもちろん、自分のレベルの維持もあるのでもっと頑張りたいと思います」

――ありがとうございました!


 市川はインタビューを終えると『武蔵』チームメイトの八十岡翔太らとともに颯爽と会場を後にした。

 次の舞台はグランプリ・千葉2018、そして目下最大の目標であるマジック25周年記念プロツアー。

 この勝利で勢いに乗った市川の活躍に期待しよう。

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