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グランプリ・シンガポール2018

観戦記事

第9回戦:玉田 遼一(大阪) vs. Eng, Chu Heng(シンガポール)

小山 和志
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玉田 遼一(写真左)vs. イン・チュウヘン/Eng, Chu Heng(写真右)
 

 グランプリのシステムが変更され、以前は初日に行われていた第9回戦が構築フォーマットでは2日目に行われる運びとなっている。昨日は18時半頃には本戦が終了し、近年のグランプリでは稀に見るほど早い時間にプレイヤーたちは会場を後にすることになった。

 もちろん、翌日に1ラウンド分ずれ込むため2日目の負担は増えるのだが、プレイヤーたちにとっては英気を養い体を休めるのに十分な時間があったのではないだろうか。

 そして迎えた本日、グランプリ2日目に残ったプレイヤーたちが会場に結集した。ラウンド開始予定時刻の10分前にはほぼ全員が席に着いていた。

 昨年のグランプリ・マニラ2017王者、玉田遼一もまた準備万端でフィーチャーマッチの席についている。今期ここまで獲得プロ・ポイントが17点とペースは芳しくないが、昨年はマニラでの戴冠から一気にプロ・ポイントを重ねただけに、初日全勝を果たしたこのイベントでの活躍にも期待がかかる。

 一方のイン・チュウヘンは地元シンガポール勢では唯一の初日全勝者だ。昨年のグランプリ・シンガポール2017ではシンガポールのリム・ツォン=イーがグランプリを制しており、自国グランプリの「防衛」を果たすため勝ち星を重ねていきたいところだ。

 握手を交わし、ヘッドジャッジによる諸注意のアナウンスが行われると午前9時きっかりに運命の2日目が開幕した。

ゲーム1

 ダイスロールで「赤黒アグロ」を使用するインが先手を得る。一方、後手の玉田はジェスカイ(白青赤)のコントロールデッキを選択している。

 先手のインが《損魂魔道士》から2ターン目をパスしようとしたところで玉田が《マグマのしぶき》でこれを除去する最序盤の攻防。

 インが《ピア・ナラー》をプレイしたところで玉田は《つむじ風の巨匠》を繰り出すが、ここに《反逆の先導者、チャンドラ》が突き刺さり、さらに続くターンにはこの《反逆の先導者、チャンドラ》が《ボーマットの急使》を公開し、インは喜んでこれをプレイし攻撃に向かう。

 玉田は《蓄霊稲妻》2枚で《ボーマットの急使》と《ピア・ナラー》除去し一度クリーチャーを処理してしまってから《ドミナリアの英雄、テフェリー》でインの攻勢を迎え撃つ。

 ここから、お互いがコントロールするスタンダード環境を象徴するプレインズウォーカーたちによるアドバンテージの取り合いが展開される。

 ここからインは2体の《屑鉄場のたかり屋》、玉田は《つむじ風の巨匠》と盤面でも主導権争いが展開される。

 とはいえ、《天才の片鱗》も絡めて手札を整えている玉田とは対照的にインの手札は苦しい。彼が抱えている呪文は2枚目の《反逆の先導者、チャンドラ》と《再燃するフェニックス》で、この《再燃するフェニックス》は《本質の散乱》されてしまい決定打を放つことができないでいる。

 玉田が《ドミナリアの英雄、テフェリー》で《反逆の先導者、チャンドラ》をライブラリーへ戻し、2枚目の《反逆の先導者、チャンドラ》を《不許可》し、《奔流の機械巨人》を見せたところでついに息切れとなったインは無言で土地を片付けた。

 
1本目を落としたインは天を仰ぐ

玉田 1-0 イン

 
ゲーム2

 マリガンしたインに対し、7枚でキープした玉田の初手は《つむじ風の巨匠》《中略》《ドミナリアの英雄、テフェリー》《不許可》に土地が3枚というもの。

 インは6枚の手札を見ると軽く首を横に振り、手札をライブラリーへ戻す。ダブルマリガンでの苦しいスタートだ。

 そして、インは初動の《大災厄》を《中略》で弾かれ、《反逆の先導者、チャンドラ》も《不許可》で失ってしまう立ち上がり。

 玉田が《つむじ風の巨匠》をプレイしたところでインは《強迫》を打ち込む。

 玉田の手札は土地と《蓄霊稲妻》《マグマのしぶき》《ドミナリアの英雄、テフェリー》というもの。

 インはここから《ドミナリアの英雄、テフェリー》を落とすが、いかんせん脅威を繰り出すことができない。ダブルマリガンの上にマナフラッド(土地の過多)してしまっている状態なのだ。

 
好調を維持する玉田遼一

 《ドミナリアの英雄、テフェリー》を落とされた玉田だったが、《つむじ風の巨匠》の2枚目を引き込み軽快な手付きでインへ攻撃を仕掛けていく。

 一方のインは見えている《蓄霊稲妻》に《栄光をもたらすもの》を突っ込ませなければ行けないほどに有効牌を引き込めず、苦笑いで握手を求めることになった。

玉田 2-0 イン

玉田 遼一 Wins!
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