EVENT COVERAGE

グランプリ・名古屋2018

インタビュー

PTQ優勝者:プロツアーへの切符を手に入れた者、チー・ウェンタオ

Yuichi Horikawa

 マジックの最高峰、プロツアー。

 グランプリでは、このプロツアーへの道が2つ用意されています。

 1つは、グランプリ本戦でトップ4に入ること。(個人戦のグランプリはトップ8)

 そして、2つ目が、グランプリの2日目の日曜日に開催されるPTQ(プロツアー予選)を突破することです。

 このイベントは、申し込みすれば誰でも参加することができますが、参加するにあたり1つだけ注意点があります。

 それは、土曜日にしか申し込みができないと言う点です。

 PTQは日曜日、申し込みは土曜日、これが通例となっています。

 もし、あなたがグランプリ本戦に参加するも、2日目へ進出できなかったとしても、そこには、プロツアーへの道が用意されているのです。


PTQデッキ構築中の様子

 さて、今回のグランプリでのPTQは、本戦がチームリミテッドだったこともあり、リミテッドで開催されました。

 参加者の数、260名。

 トーナメントは、スイスドローによる6回戦、そしてトップ8によるドラフトです。

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 そんな長いトーナメントを見事勝ち抜き、今回PTQを突破したのはこちらのプレイヤーです。

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 チー・ウェンタオ/Qi Wentao 選手。

 お住まい:中国・北京、年齢・30歳。

PTQ優勝者インタビュー

――優勝おめでとうございます。今回イゼットカラー(青赤)のデッキでしたが、なぜこの色にしたんですか?


トップ8ドラフトのチーさんのデッキ

チー「スイスラウンドの順位が6位だったので、決勝の試合ではほとんどが後手になると思ったので、青黒のデッキを目指していたんです。最初のパックがあまり強くなくて、アンコモンの《つぶやく神秘家》を取ったんですが、次に《溶岩コイル》が流れてきて、その後で《模写》と青赤のカードばかりが流れてきたので、青赤のデッキになってしまいました。青赤のデッキは、どちらかと言えばコンボデッキみたいな感じで先手向きなので、あまりやりたくはなかったのですが……」

――デッキに《パルン、ニヴ=ミゼット》が入っていたので、ある程度青赤のデッキを目指していたのかと思っていました。このカードはいつピックしたんですか?

チー「これは、3パック目の4手目ぐらいで流れてきました」

――3パック目の4手目ですか!? 《パルン、ニヴ=ミゼット》強くないですか?

チー「私もびっくりしました。《パルン、ニヴ=ミゼット》は強力なカードですが、ドラフトではそこまで強くないですね。色拘束も厳しすぎるし、ちょっとサイズも大きすぎますね。このドラフトでは、ほとんど墓地の呪文の再活のコストに充てていました」

――なるほど。逆に強かったカードはなんですか?

チー「《模写》が強かったですね。コモンでは《ピストン拳のサイクロプス》が強かったです」

――そのカードは、イゼットデッキのアタッカーになることも多いですよね。

チー「《ピストン拳のサイクロプス》は《最大高度》を使ったりして、結構相手にダメージを与えてくれましたね」

――《最大高度》が2枚も入っているのは驚きですね。あまり強い印象はなかったのですが、強かったですか?

チー「本質的にはあまり強いカードではないですね。ですが、青赤のデッキの中で輝くカードですかね」

――なるほど。イゼットのアーキタイプもかなり研究されている感じですね? 練習でイゼットのデッキを使うことも多かったのですか?

チー「MO(Magic Online)で一番好きなのはイゼット。イゼットのデッキは、マジックをすごく遊んでる感じがあって、選択肢も多くて楽しいですね。点数の計算もすごく細かくて考えることがあって、マジックやってるなって感じがしてすごく好きですね。でもボロス(白赤)には結構弱いので、それで今回結構(デッキが)微妙って感じがしてたんです」

――で、ボロスとは当たらなかったんですよね?

チー「そうですね。青黒のデッキが多くて、このデッキは青黒には相性がいいんですよ」


決勝、準決勝と相手は青黒に1色タッチしたデッキでした。

――かなりドラフトを研究されている感じですね。ちなみに、ドラフトはどれぐらい練習されていましたか?

チー「ドラフトはMOで結構たくさんやりましたね。今回のグランプリに向けてリミテッドの練習は結構やりました」

――グランプリ本戦にも出ていたんですか?

チー「出ていましたが、初日の最終戦のバブルマッチ(勝てば進出、負ければ敗退になるマッチの総称)で負けてしまいました」

――それは、残念でした。グランプリに向けて、練習はどれぐらいしましたか??

チー「10回ぐらいは練習しました」

――発売日直近のグランプリへのチームリミテッドの練習が10回(120パック分)とは、すごい練習量ですね!

チー「大会に出るとかじゃなく、友人とやっていたので、結構あっという間でしたよ」

――すごいマジック熱が伝わってきます。ちなみに、マジックでの主な戦歴は何かありますか?

チー「プロツアーに6回出たことがあります。あとは、2017年のグランプリ・京都のトップ8、グランプリ・マニラ準優勝、グランプリ・静岡準優勝ですね」


グランプリ・静岡2017春の決勝戦の様子

――すごい!めちゃくちゃすごい成績じゃないですか! ちなみに、プロツアーでの成績はどうだったのですか?

チー「プロツアーではいまいちで、前のシーズンはプロポイントが18点で終わってしまって、シルバーレベルになれませんでした」

――かなり、精力的にマジックの競技シーンでプレイしている感じですね。それは最近からですか?

チー「そうですね。仕事が以前は車関係の仕事をしていたのですが、それをやめて今は友人とネット関係の仕事をやっていますので、結構時間が作れるようになって、それでマジックをたくさんできるようになりました」

――なるほど、転職が転機だったんですね。日本のグランプリに来られていると言うことは、他の国のグランプリにも行っているのですか?

チー「今は時間があって、飛行機が安かったらいろいろな国のグランプリに出てますね。ラスベガスのグランプリにも参加しました」

――わおっ! ちなみに、競技マジックをはじめるようになったのはいつごろからですか?

チー「2013年~2014年の頃ですね。ですが、このころは仕事もあったので、なかなかできなくて、本格的に練習して勝てるようになったのは昨年からですね」

――確かに昨年からの成績はすごいものがありますね!


グランプリ・マニラ2017決勝戦の様子

チー「アジアのグランプリは相性がいいみたいで」

――いやいや、日頃の練習が実を結んだんですよ。ちなみに、スイスラウンドのシールドデッキはどうでしたか?

チー「デッキはまぁまぁって感じでしたね」

――ちなみに、何色のデッキでしたか?

チー「セレズニア(白緑)に赤をタッチしたデッキです。ラッキーもあってなんとか全勝で5ラウンドを抜けて、トップ8に残ることができました。」

――ドラフトのデッキにも、シールドのデッキにも《庁舎の歩哨》が入っていますが、このカードはどうでしたか?

チー「このカードはめっちゃ強いですね。2マナで出しても2/2なので悪くはないですし、3色出せるなら、もっと強いですね。ドラフトのデッキは除去が少なかったので、このカードの能力で除去することは結構ありました。」

――そう聞くと、確かにめっちゃ強そうです。最後に、今後マジックをどのように続けていきたいですか?

チー「もっと、競技シーンやプロツアーで活躍できればと思っています」

――すばらしい! きっと活躍できる日も近いと思います。本日は、お時間いただき、ありがとうございます!


 最後にチーさんは「お疲れさまでした」とにこやかに伝え、帰路につきました。

 2017年以降の彼の活躍は目をみはるものがあり、彼自身、楽しみながらマジックをプレイし、それが練習につながっているイメージでした。

 話している間も終始にこやかで、非常にさわやかなイメージの好青年でした。

 インタビューが終わると彼の周りには、多くの仲間たちが集まり彼にお祝いの言葉をつげていました。彼の雰囲気がそうさせるのだろうな感じさせるチーさんでした。

 仲間とともに彼が切磋琢磨し、プロツアーの大舞台で活躍し、もっと多くの人に注目される日も、そう遠くない、彼には、そう感じさせてくれるスゴ味と勢いを感じました。

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