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グランプリ・千葉2016

観戦記事

準決勝:木原 惇希(東京) vs. 渡辺 雄也(東京)

By Sugiki, Takafumi

 2,500名以上の参加者を集めたグランプリ・千葉2016。やはり強いプレイヤーは4人に絞られてもしっかりとその歩みを進めるものだ。日本最強の呼び声高く、今年見事殿堂入りを果たした渡辺 雄也(東京)が席に着く。渡辺を待っていたのは、木原 惇希(東京) 。数年前に新潟から東京へと移り住み、精力的にマジックをプレイしている。

 2人ともがこのグランプリの相棒として選んだのは、奇跡コントロール。《師範の占い独楽》、《相殺》、《精神を刻む者、ジェイス》を巡って、いかにうまく打ち消し呪文を合わせられるかがキーポイントとなる。


木原(写真左)が超えるべき壁、殿堂渡辺(写真右)に挑む

 奇跡コントロールのミラーマッチで先手後手のいずれを選ぶかは、ここ最近プレイヤー間で非常に話題となっているトピックである。先手の方が、序盤のキーパーツである《相殺》を通しやすい。一方、後手の方が、1ターン目のドローがある分、カードアドバンテージの面では有利といえる。

 スイスラウンドの順位が高かった渡辺は後手を選ぶ。

ゲーム1

 先手となった木原は、《思案》で手札を整えた後、2ターン目には《相殺》をプレイ。渡辺は当然のように《意志の力》でカウンターする。

 続いて木原は3ターン目にも《相殺》で仕掛ける。渡辺が「強いっすよ」とぼやき、椅子をぐっと引いて悩んでいる間、木原が「同型の先手はこれしかないんで。」とつぶやく。渡辺は《師範の占い独楽》を活用して《意志の力》を探し出してカウンター。


木原 惇希

 渡辺は《意志の力》で失ったアドバンテージを、《予報》と《師範の占い独楽》の力で取り戻し、フェッチランドを絡めて《師範の占い独楽》を回すことで、手札の充実を図る。

 ついに《精神を刻む者、ジェイス》にたどり着いた渡辺は、すかさず仕掛ける。木原は《精神を刻む者、ジェイス》をカウンターできず、《師範の占い独楽》と《精神を刻む者、ジェイス》を揃えた渡辺がぐぐっと勝利に近づいた。

勝利を近づけるプレインズウォーカー

 木原が差を広げられてはいけないとプレイした《精神を刻む者、ジェイス》も、しっかり《意志の力》で退け、盤石な体制をつくる。こうなれば、渡辺の負け筋は《天使への願い》を奇跡でプレイされ、それに《終末》を合わせられない場合以外、ほぼなくなったに等しい。


渡辺 雄也

 渡辺が手札の充実を図る一方、木原がトップから《師範の占い独楽》をプレイしたところで、渡辺が《対抗呪文》し、対する木原が《瞬唱の魔道士》をプレイして墓地の《対抗呪文》をプレイ。木原の《師範の占い独楽》が盤面に着地する。ここから渡辺の勝利への方程式が狂い始める。木原が《師範の占い独楽》を駆使して次のターンのドローに選んだのは《相殺》。

 渡辺は、当然打ち消さざるを得ず、虎の子の《対抗呪文》をプレイ。これで、渡辺の手札には打ち消し呪文がなくなってしまう。木原はの攻め手は続く。《師範の占い独楽》とフェッチランドを使って次のドローとしたのは待望の《天使への願い》であり、X=4でプレイする。木原は、わずかに残っていた勝ち筋を突くことに成功し、見事に天使4体が盤面に降臨。

木原はわずかな望みを《天使への願い》に託す

 渡辺は《議会の採決》で天使・トークンを除去しながら《師範の占い独楽》で《終末》を探しにいくも見当たらず、天使が速やかに渡辺を介錯した。

木原 1-0 渡辺

 渡辺は《終末》、《剣を鍬に》などをサイドアウトし、《硫黄の精霊》、《紅蓮破》などをサイドインする。

ゲーム2

 長い1ゲーム目を終えて喉が乾いていたのであろう。2人はそれぞれ、差し入れられたペットボトルの水を飲んで《脱水》していた喉を潤すのが0ターン目のアクション。

 渡辺は再度後手を選択している。先手の木原はやはり積極的に仕掛ける。3ターン目に《相殺》をプレイ。渡辺が《意志の力》、木原が《狼狽の嵐》、渡辺がさらに《狼狽の嵐》と渡辺がこのカウンター合戦を制するも、木原が次に繰り出した《ヴェンディリオン三人衆》が通り、渡辺の《瞬唱の魔道士》2枚という手札が丸裸。《瞬唱の魔道士》1枚が下に送られる。

 さらに木原は1マナを余らせた状態で《精神を刻む者、ジェイス》をプレイ。この《精神を刻む者、ジェイス》が着地し、木原にアドバンテージをもたらし始める。《精神を刻む者、ジェイス》の《渦まく知識》能力を解決した時点での木原の手札は《相殺》、《紅蓮破》、《呪文嵌め》、《瞬唱の魔道士》と充実。渡辺の《瞬唱の魔道士》は《呪文嵌め》で討ち取り、完全に木原ペース。

 ターンが帰ってきた木原が再度《精神を刻む者、ジェイス》の《渦まく知識》の力を借りると、手札に《対抗呪文》が加わりさらに盤石。渡辺の《硫黄の精霊》は木原の《瞬唱の魔道士》が受け止め、《瞬唱の魔道士》によってフラッシュバックされた《渦まく知識》がさらなるアドバンテージを木原にもたらす。

 木原が《瞬唱の魔道士》でクロックを刻み、渡辺のライブラリーを《精神を刻む者、ジェイス》の[+2]能力で検閲する。さらには《師範の占い独楽》、《相殺》も揃える。

最強セットが木原を勝利にぐっと近づける。

 渡辺が最後の望みをかけた《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》も、《相殺》が《精神を刻む者、ジェイス》を捲りシャットアウト。

 木原の《外科的摘出》で、ライブラリーに《終末》が無いことを確認された渡辺は投了を宣言した。

木原 2-0 渡辺

木原惇希がジャイアント・キリングを達成、見事決勝に進出!

 渡辺はゲーム1で《師範の占い独楽》をめぐって打ち消し合戦を仕掛けたところを明確なミスであったと悔やむ。

 木原を決勝で待つのは、渡辺のTeam Cygamesでのチームメイト山本 賢太郎。

渡辺「うちの長男(Team Cygamesで山本が最年長であるため、こう呼ばれる)、この環境やりこんでるんで。」

木原「デッキ相性も相当不利ですよね。」

 木原は、不利なマッチアップを乗り越えて、見事戴冠できるだろうか。

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RESULTS

対戦結果 順位
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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