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グランプリ・北京2016
初日好成績者たちに聞く、『イニストラードを覆う影』リミテッド解明への道
by 矢吹 哲也
イニストラードへ再訪して1週間。世界中のプレイヤーがこの最新セットを楽しみ、いくつかの大型大会を迎えて、少しずつ攻略の手掛かりを見つけているところだろう。だが、この世界の探索はまだ始まったばかりだ。謎は多く、根深い。
ここで、1週間という短い期間でグランプリへ挑み、初日好成績を残した日本人プレイヤーたちにもう少しこの先の道を照らしてもらおう。日本人初日成績上位4名――三原 槙仁、諸藤 拓馬、庄司 達郎、井上 徹――に話を聞いてみた。
初日1位通過、三原 槙仁。 |
初日の好成績について、4名はそれぞれの戦いを振り返る。
とりわけデッキに自信を見せたのは三原。「強いレアに除去とクリーチャー、コストも軽いところから重いところまでしっかり揃っていて、シールドの手本のようなデッキが組めた」と全勝デッキを評価する。同じく全勝の諸藤はクリーチャーの質に不安を抱えながらも、《罪人への急襲》と《永遠の見守り》という強力なレアを活かして勝利を重ねた。なお、初日を全勝で飾った三原と諸藤のデッキはこちらから確認できる。
初日2位通過、諸藤 拓馬。 |
同じく《罪人への急襲》をキー・カードに挙げた井上は、「2マナ域のカードが少ないことが不安だったものの、攻撃的なデッキに当たらず運が良かった」と言う。この環境における2マナ域の重要性は多くのプレイヤーが認識しており、諸藤も「相手が2マナの狼男を出してきて、それに対抗できなかったらそれだけで負ける」と言い、庄司も鍵となる要素に「低マナ域の充実」を挙げている。庄司は加えて、装備品や《グリフの加護》など、「最後に押し込める」戦略が取れたことを評価した。
初日5位通過、庄司 達郎 |
第1ドラフトを終えた彼らにドラフトの注意点を尋ねると、やはり「両面カード」の存在が意識されている。庄司は「上家のやる色が分かりやすいため、被らないよう気をつけた」と語り、三原、諸藤も「上家とは同じ色を争いたくない」と同意する。三原はさらに、「自身も積極的に両面カードをピックし、色を主張することが大事」だと、「協調ドラフト」をこの環境の鍵に挙げた。両面カードで色を主張しやすいからこそ、周りに合わせた方がメリットが多いのだと言う。
だがその中で井上は、「下家なら被せることもあるが、上家が取った場合はそこまで気にしない」と両面カードを意識し過ぎないことを心がけていた。「序盤の動き」を重視し、低マナ域を確保できるようなピックを目指した彼は、《ウルヴェンワルドの謎》のようなアドバンテージ獲得手段やクリーチャーのサイズで優れる緑を使うことに意識を向けていた。
初日11位通過、井上 徹 |
これから第2ドラフトを経て、トップ8入賞プレイヤーが決定する。今大会は多くの日本人プレイヤーが目覚ましい活躍を見せ、上位卓でぶつかり合うこともしばしばだ。これから戦いはさらに厳しさを増すが、彼らの中から優勝トロフィーを掲げる者が現れることを信じ、注目していこう。
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