EVENT COVERAGE

コマンドフェスト・大阪2022

トピック

スペシャルゲスト&主催者ショートインタビュー

Yuichi Horikawa

(編注:一部の写真について、撮影時のみマスクを外しています)

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 このイベントにはスペシャルゲストとして4名が招待されていました。

 その4名と主催者に「コマンドフェスト・大阪2022」についてのインタビューをさせてもらいました。(順不同、敬称略)

かつおぶし石川(マジック大好き芸人)
公式放送の司会でもお馴染み

――今回参加されて印象的だったことはなんでしょうか?

石川「人と対戦するのが2回目だったり、初めてだったりする方が多く参加されていたことですね。大きいイベントだし慣れている方が多いのかと思ってましたので、そこが驚きでしたね」

――確かに大型イベントと言えば、ベテランの方が多い印象はありますが、今回は初参加の方々を多く見かけましたね。その方たちとの対戦のもようはどうだったんでしょうか?

石川「経験が不足していると、どうしてもカードがわからないことが多かったりするので、卓のみんなでサポートしながらやってました。誰かがとかじゃなくて、みんなが自主的にやってる感じで、テーブルトップあったけぇなぁ~って思いましたね」

――めちゃくちゃいいエピソードじゃないですか! ちなみに、久しぶりの対面での統率者戦イベントでしたが、対面ならではのよさってなにかありましたか?

石川「やっぱり、ラグなくリアクションがすぐ返ってくるところがめちゃくちゃ楽しいですね。デッカいクリーチャー出したときとか『うわ~』みたいなリアクションと顔が返ってくるのが、最高ですね」

石川「あっ、あと、コントロール奪取とかが(オンラインじゃないので)気兼ねなく使えるのもいいですね(笑)」

――たしかに。テーブルトップは奪取しやすい(笑)

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――参加されてみて、感じたコマンドフェストの魅力ってなんでしょうか?

石川「前にグランプリとかマジックフェストとか経験している人ならわかると思うんですけど、お祭り感覚というか、みんなでわいわい楽しもうみたいな雰囲気がめちゃくちゃあるところですね。物販とか、サイドイベントもあって、それこそ今回なら『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の体験会もあったりして。本戦以外のそういったところも楽しいですねぇ。あと、普段オンラインでは知ってるけど、オフラインでははじめましてみたいなTwitterで繋がっている人に挨拶できたりとか、久しぶりの人とも会えるのも魅力ですね」

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石川「でも、オンラインで繋がってた人たちは、久しぶりにあっても不思議と久しぶりの感じがしなくて。会えない間もマジックが繋いでくれてたんだな。マジックすごいなって改めて感じましたね」

常盤ゆい(TCGインフルエンサー/YouTuber/シンガーソングライター)
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――イベントに参加されて印象に残ったシーンはありますか?

常盤「私今回にむけて、この痛バッグを作ってきて、《ギトラグの怪物》のデッキを作ってきたんですよ」

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――《ギトラグの怪物》ってかなり高いレベルになる統率者デッキじゃないですか!? 高レベルの対戦にも参加されたんですか?

常盤「そうです、そうです。ですけど、あと1枚サーチできたら勝てるってところまでできたんですけど、相手の方の《敵対工作員》に阻まれてしまって、あとちょっとで勝てたのにって。今回これが、はじめての無差別級(高レベルデッキ同士の戦い)への挑戦だったんです。今までは、レベル4とか、レベル6ぐらいのデッキを使ってたので。無差別級の方たちは確かにみんなデッキもめちゃくちゃ強くてプレイもうまいし、おれたちはなんでもするぜ、みたいな多角的に勝ってきたりして、それは初めての体験だったのですごく楽しかったですね。こういう世界もあるんだなって」

――なるほど。統率者戦は色々なレベルの体験ができるところも良いところですね。しかし、なぜ《ギトラグの怪物》デッキだったんですが?

常盤「小さいときからカエルが好きで、もともとはカエルデッキで統率者を作ってたんですけど、まわしてみると全然まわらなくて断念してたんです。それで、伝説のカエルって今3体しかいないんですけど、そのどれかでいつかは統率者デッキを組みたいって思っていて、黒が一番好きな色だからそれも使える《ギトラグの怪物》にしました」

――無差別級のデッキを作ろうってのがスタートじゃなくて、好きなクリーチャーで作るデッキが無差別級だったって感じですね。

常盤「おっしゃる通りです。それで初めての統率者も体験できて最高に楽しいですね。どのレベルでもそれぞれ違った楽しみ方ができるのも統率者の魅力だなって」

――たしかに、そういう部分は、他のフォーマットにはなかなかない魅力ですね。

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――では最後に、コマンドフェストの魅力ってなんでしょうか?

常盤「統率者戦は4人で話しながら、絶対にコミュニケーションが発生するフォーマットだと思っていて、強いクリーチャーが出てきてどうしよう?とか、失敗しちゃって悲しいみたいなのも、4人全員で対面で共有できるのもいいですね。あと、みんな好きなカード100枚を集めてデッキを作ってきているので、知らないカードがでたときに聞いても、皆さん楽しそうに答えてくれるんですよ、それを見てると私もすごく楽しいんです。そして、そこから学べることも多くあって、このイベントはみんなにプラスになることしかない、最高なイベントだなって、そこが魅力だなって思います」

ともにゃん(マジックYoutube配信者)
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――マジックを始められてどれぐらいになるのでしょうか?

ともにゃん「2年ぐらいですね。『イコリア:巨獣の棲処』のでる前ごろだったので、初めて参加する大きい紙のイベントでめちゃめちゃ楽しみにきました」

――実際に、初めての大型イベントに来場してみてどんなところが楽しかったですか?

ともにゃん「対面で対戦できるのがめちゃめちゃ楽しいです。今までのコマンドフェストは開催がオンラインだったじゃないですか? もちろん楽しいは楽しいんですけど、やっぱりカード使ったときの反応とか、みんなでこうだね、あぁだね、とかあそこがとか、ワイワイできるのは対戦ならではの空気があって、それが今日一番楽しいなって思ってやってます!」

ともにゃん「あと、ここまで人が集まると会場の熱気や雰囲気が大型イベントだっていうお祭りムードがあってワクワクしっぱなしです」

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――はじめての大型イベントということでなにか印象に残ったことはありますか?

ともにゃん「《始祖ドラゴン》のデッキを使ってるんですけど、めちゃめちゃドラゴンが出てくるデッキなんですよ。それで、みんなに白い目で見られたりして、3対1みたいな場面になることも結構あるんですけど、それが好きなんです」

――好きなんですか!? ヘイト管理なんか知らんぞって感じですね(笑)

ともにゃん「そうです、そうです(笑) やたら、全体除去くらったりとか、打消しがバンバン飛んでくるんですけど、めげないドラゴンたちは最高だなって場面は印象に残ってますね」

ともにゃん「あと、初めて統率者戦をやられる方が結構イベントに来ていたことですね。初めての方とプレイする機会があまりなかったので、ゆっくりプレイしながら、みんなでワイワイする感じや、カードテキストいいですか?みたいなやりとりとか、あったかいなって感じましたね。やわらかい雰囲気があって、対戦なんだけど、協力プレイのような優しさがあったのが印象的でしたね」

――まさに、対面での良さですね。ちなみに、《始祖ドラゴン》の統率者の理由はなんでしょうか?

ともにゃん「ドラゴンがめちゃくちゃ好きなんです。もともと恐竜が好きで、ドラゴンもほんとうにいたんじゃないか?って思えるロマンがあるじゃないですか。しかも、ドラゴンでデッカくて、空も飛んでて、大振りアクションなところが魔王戦(※)向きだなって思ってます」

(※)3対1に分かれて戦うルール。転じて、そのような状況になること。

――ドラゴンはロマン。私もそう思います。最後に、コマンドフェストの魅力ってなんでしょうか?

ともにゃん「ありすぎて、どうしようなんですけど……。初めて会うんだけど、初対面じゃないみたいな、卓に座った瞬間仲間みたいな雰囲気が、私の中では、コマンドフェストの魅力では大きいかなと思います。ゲームを通してよそよそしさを通り越して、リアクションしあう感じが、もともと友達だったんじゃないか?って雰囲気にすぐになれるのが、コマフェスの最大の魅力じゃないかなって思います。そして、それを拡大していくと会場みんな友達なんじゃないかって感じるんですよね」

グレッグ(統率者諮問委員会所属)
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(グレッグさんとは日本語と英語を交えながらインタビューしましたが、以下はすべて日本語にて記載しています)

――はじめに、グレッグさんの所属する統率者諮問委員会とはどんなチームなんでしょうか?

グレッグ「世界中の統率者戦のルールを整備したり、禁止カードを協議したりするチームですね」

――統率者戦の統率者グループなんですね。ということは、今回は海外から来日されたんでしょうか?

グレッグ「いえ、私は2年ほど前から日本に住んでいます」

――日本人の方ともよくプレイされるのでしょうか?

グレッグ「いえ、私はこのイベントではじめて日本人の方と対戦しました。競技的な思考のプレイヤーが多い印象を持っていましたが、カジュアルなプレイヤーも多く親切で楽しかったです」

――Oh、それはよかったです。ちなみに、これはなんですか?

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グレッグ「ランダムデッキチョイスマシーンです」

――ランダムデッキチョイス? めちゃくちゃ出目の種類ありますが。

グレッグ「全部の色の組み合わせがあります」

――えっ!? 全部。

グレッグ「そうです、デッキは全部で50個以上あります」

膨大なデッキの数々

――50以上!? 作るのに相当時間がかかったんじゃないですか?

グレッグ「2013年ごろに統率者をはじめたので、9年ぐらいです」

――9年で50個以上のデッキはかなり早いペースで作られてきたと思うのですが、なぜそんなにたくさんデッキを作ろうと思ったんですか?

グレッグ「私は27年前、『基本セット第4版』ごろにマジックをはじめたんです。それで多くのコレクションのカードを持っていました。ですが、それらの多くのカードは1対1のゲームではデッキに入れるのが難しいものが多かったんです。それでせっかく持っているんだから、そのカードを全部使いたいって思っていたんです。そして出会ったのが統率者で、私は今それらのコレクションだったカードを全部デッキに入れるために、多くのデッキを作っています」

――それで、気がついたらデッキがたくさんになっていたわけですね。これからもデッキが増えそうで楽しみです。

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――最後の質問ですが、統率者戦の魅力ってなんでしょうか?

グレッグ「政治や交渉があるところが統率者戦の魅力だと思っています。例えば、クリーチャーで攻撃しようとしたときに、誰に向かうのかは、みんなで話し合ったりして決める場面があると思うんです。そういったコミュニケーションが統率者戦の最大の魅力だと思っています」


 ゲストの4名にお話を伺いました。三者三様の意見と感想で、統率者戦というゲームの懐の深さを感じました。ただ、誰もが共通していたことは、統率者戦を通じて、プレイヤーとコミュニケーションをとれたことが皆楽しく感じていた部分だったのが印象的でした。

 対戦相手あって、はじめてプレイできるマジック。多人数戦であるからこそ、よりうまれるコミュニケーションや、リアクション。マジックが人と人との懸け橋になっていると感じとれるインタビューでした。

 お忙しい中、お時間をいただきありがとうございました。

 終わりに、イベント閉会時に行わせていただいた主催者へのショートインタビューにてこの記事を締めたいと思います。

伊藤高澄(ドラゴンスター)
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――はじめに、なかなかプレイヤーの目に触れることのない主催者の仕事内容についてお教えください。

伊藤「主な仕事は、会場探しや、告知、人員の確保や配置、部材の手配とレイアウトなど準備が9割ですね。残り1割は当日の不測の事態への対応です」

――今回のイベントにおいて注意した点はなにかありましたか?

伊藤「感染症の対策です。テーブルの間を広くとったり、入場時に検温とセットでパスを配ったりしました。今回パスが無いと会場に入れないようにしたのは、パスを持っていることが検温をクリアした証明になるようにしたかったからなんです。また、感染症対策も含め、ゆったりと快適に遊んでもらえるレイアウトには一番気を使いましたね」

――今回のコマンドフェストの反響はどうでしたか?

伊藤「オンデマンドのイベント(※)がコマンドフェストのメインイベントだと考えているんですが、148卓成立を目標としていましたが、最終的には179卓が成立したので、目標達成ですね。また、カオスコマンダーやミステリーブースターコマンダーなどのサイドイベントも大変に好評でした」

(※)受付後、所定の人数が集まると随時開催されるイベントのこと

――逆になにか予想外の事態が起こったりはしましたか?

伊藤「これは嬉しい誤算だったのですが、初回の参加チケットの販売が半日ほどで売り切れたことです。予想では2~3日で売り切れるかなぐらいに考えていたのですが……予想以上の反響だったので、急遽レイアウトを見直して、参加者を増やせるよう調整しました」

――最後の質問ですが、主催者にとってコマンドフェストとは?

伊藤「そうですね。参加者のプレイヤーが望む体験に近しいものを提供することですね。僕自身も統率者戦が大好きで、デッキを10個ぐらい持っているぐらいで。だけど、統率者戦って知らない人と遊ぶのってちょっとハードル高かったりするじゃないですか。レベル合うのかな?とか。そこを受付のときとかに、ざっくりですけど、どういうプレイを好まれますか?など要望をヒアリングして、すべての参加者ができる限り楽しい体験ができるよう注力していました。最強をめざす人たちは、最強を目指す人たち同士で、わきあいあいとしたい人たち同士で、すべてのプレイヤーが楽しめるのがコマンドフェストだと思っています」

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伊藤「あと、最後に付け加えたいことが。できる限りの準備をしてきましたが、私どもの主催するマジックの大型イベントは初めてということもあって、もっとうまくできたなと思う部分や、ここはミスだったなと感じる部分も多々あったのは正直なところです。皆さんからなにか気になるところがあればご意見お聞かせいただきたいです。そちらも含め、より良いイベントを提供して、また、皆さんに楽しんでもらえるものを作っていきたいと思います。また、遊びにきてほしいです」

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