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プロツアー・名古屋11

読み物

Round 4: 八十岡 翔太(東京) vs. Marijn Lybaert(ベルギー)

by Atsushi Ito  プロツアー・パリで21位入賞、グランプリ・神戸で悲願の個人タイトルを獲得したばかりでなく、つい先週開かれたグランプリ・シンガポール(リンク先は英語)でもトップ8に入り、今シーズンかなり好調の八十岡。 八十岡 翔太
八十岡 翔太
 その要因の1つとして、八十岡が構築フォーマットで毎回自分で製作する、「ヤソコン」とも称されるほどにオリジナリティ溢れるデッキが、今年はヒットしているということがあるだろう。  そんな今回の「ヤソコン」は、藤田 剛史(大阪)や渡辺 雄也(神奈川)、森 勝洋(東京)といった面々にもシェアしている、一見禍々しい4色コントロールである。2色土地が友好色5種類しか存在しないこのブロック構築環境で4色とはなかなかの狂気だが、好調の八十岡が構築したデッキであるから、今回もひょっとして、という期待を抱かせる。  対するLybaertは白単だが、《鍛えられた鋼》ビートではなく《白の太陽の頂点》などをフィニッシャーに据えたコントロールとなっている。  青いコントロールと青くないコントロールが戦うと青い方が勝つというのが半ばマジックの常識だが、Lybaertはこの相性差を覆せるか。
Game 1
Marijn Lybaert
Marijn Lybaert
 先手はLybaert。八十岡の《漸増爆弾》を3ターン目に《レオニンの遺物囲い》する立ち上がり。八十岡はあえて2ターン目にキャストしなかった《太陽の宝球》でマナブーストするが、これも《神への捧げ物》で砕かれ、仕方なく《マイコシンスの水源》を置いてゆっくり態勢を整える。  先に5枚目の土地を置いたLybaertはしかし、《レオニンの遺物囲い》で攻撃するのみ。対する八十岡も《オキシダの屑鉄溶かし》で自分の《マイコシンスの水源》を割るのみでターンを終える。お互いに相手のデッキを計っているような間合いだ。  Lybaertは《四肢切断》で《オキシダの屑鉄溶かし》を排除し、《レオニンの遺物囲い》でのアタックを継続しようとするが、これには《感電破》がプレイされ、取り除かれていた《漸増爆弾》が戻ってくる。Lybaertはこれを《神への捧げ物》してからさらに《刃の接合者》をプレイするが、返しで八十岡は《聖別されたスフィンクス》を降臨させる。  Lybaertはたまらず《ファイレクシアの再誕》でリセットするしかない。  八十岡が《マイコシンスの水源》を置いてから《黒の太陽の頂点》で3/3のトークンを流すと、これに対しLybaertは不気味にターンを返すのみ。  ここで八十岡は《ボーラスの工作員、テゼレット》をプレイ、+1能力で《太陽の宝球》を加えてターンエンド。Lybaertはエンド前に《白の太陽の頂点》をX=3でプレイ、念入りに《墨蛾の生息地》も合わせたフルアタックで、出たばかりのプレインズウォーカーは即座に葬られる。  この攻防を経てLybaert側が一方的な盤面のようだが、次のフルアタックは八十岡が《内にいる獣》を自分の《マイコシンスの水源》に打ち込んで防御し、4点を受けてライフは12(毒2)。Lybaertの《レオニンの遺物囲い》が《太陽の宝球》をリムーブしてターンエンド。  地味なアドバンテージの積み重ねでリソースが尽きない八十岡は2枚目の《ボーラスの工作員、テゼレット》をプレイ、+1能力で再び《太陽の宝球》を手に入れる。  Lybaertは《墨蛾の生息地》2体でプレイヤー、2/2が3体でテゼレットにアタックするが、八十岡は2枚目の《内にいる獣》を自分の土地に撃ちこんでこれを守りきる。
 あらかた盤面を捌いた八十岡は、満を持して《ボーラスの工作員、テゼレット》の-1能力を使用し、《太陽の宝球》を5/5にして3/3トークンもろとも11点アタック。Lybaert側は《清純のタリスマン》のライフゲインを差し引いても残りライフ10点まで一気に落ち込む。Lybaertの引きが芳しくないのも相まって、完全に攻守が入れ替わってしまった形だ。  Lybaertは《墨蛾の生息地》2枚で今度こそ《ボーラスの工作員、テゼレット》を除去し、5/5の《太陽の宝球》は《レオニンの遺物囲い》で対処するが、八十岡が《オキシダの屑鉄溶かし》で《清純のタリスマン》を割ると、何も引かないLybaertは3/3の群れを前にカードを畳むしかなかった。  八十岡 1-0 Lybaert
Game 2
Round 4  八十岡がワンマリガン。Lybaertの3ターン目《刃の接合者》に対し、八十岡は《粗石の魔道士》で《地平線の呪文爆弾》を手札に加える。  3/3ゴーレムトークンだけが静かにアタックを続ける中、Lybaertは《清純のタリスマン》でマナを伸ばし、八十岡も《地平線の呪文爆弾》を起動して着々と準備を整える。どうも長丁場になりそうな気配だ。  しかし、予想に反して決着は一瞬だった。  《清純のタリスマン》を置いて以降はドローゴーで全マナオープンのLybaertに対し八十岡は、6ターン目に意を決してフルタップで《聖別されたスフィンクス》をプレイする。  だがエンド前の全力《白の太陽の頂点》からLybaertが突きつけたのは、
 《大修道士、エリシュ・ノーン》。  八十岡 1-1 Lybaert Lybaert 「Never color problem?(そのデッキ、今まで色事故してないの?)」 八十岡 「No.(事故ってないよ。)」 Lybaert 「Maybe now!(じゃあ多分今から事故るよ!)」
Game 3
 Lybaertがマリガン。《グレムリン地雷》を置いてからの4ターン目《ボーラスの工作員、テゼレット》(+1能力を使用してハズレ)という八十岡に対し、Lybaertはファーストアクションが《刃砦の英雄》。ゲームは早くもクライマックスを迎えた。  5ターン目の八十岡の手札(セットランド前)が  という内容。土地は4枚あり、戦場の《グレムリン地雷》を5/5にすることはほぼ確定だろうが、《》を置きつつ《太陽の宝球》をキャストして《冷静な反論》を構えると、次のターンに《解放された者、カーン》をプレイするためにはアンタップ土地をドローしなければならない。他方で、《冷静な反論》を構えなければ次のターンの《解放された者、カーン》は出そうだが、うっかり《太陽の宝球》が壊されないとも限らない。  結局八十岡は《冷静な反論》を構える方(《》を置いて《太陽の宝球》プレイ)を選択するが、返すターンにLybaertは《神への捧げ物》が《冷静な反論》された後の《四肢切断》で《グレムリン地雷》を除去し、さらに《呪詛の寄生虫》をもキャスト。どちらのプランでもほぼ詰んでいるという徹底ぶりだ。  それでもまだアンタップの土地が引ければ《解放された者、カーン》で《刃砦の英雄》が除去できて一息つけるのだが、八十岡のドローは空気を読めない《納墓の総督》。  タップイン土地を置きつつやむなくこれをキャストすると、Lybaertの手札には2枚目の《刃砦の英雄》が待ち構えていたのだった。 Lybaert2  八十岡 1-2 Lybaert
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RESULTS

対戦結果 順位
16 16
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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