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2019ミシックチャンピオンシップⅣ(バルセロナ)

インタビュー

ミシックチャンピオンシップ・ルーキーたち〜新たな世界との出会い〜

小山 和志

 ミシックチャンピオンシップは多くのプレイヤーにとって憧れの舞台だ。周りを見渡せば殿堂プレイヤーに、MPLプレイヤーをはじめとした数々の実績を持つ強豪プレイヤーたちが当たり前のように顔を並べている。

 その一方で、数多くのプレイヤーたちが厳しい予選をくぐり抜け、夢を掴み、初めての大舞台へ挑もうとしている。

 本記事では、ミシックチャンピオンシップに初参加する日本人ルーキーたちにこの最高峰の戦いを経験した印象を伺った。

マエノソノ ケンタ選手(鹿児島)
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  • 参加権利獲得事由:マジックフェスト・横浜2019 MCQ優勝
  • マジック歴:『ラヴニカの回帰』から、7年弱(小学生の頃に経験あり)

――初めてのミシックチャンピオンシップの印象はどうですか?

 マエノソノ「勝手が分からないので、かなりドキドキ……緊張しましたね。会場にどうやって来ればいいのか、来てからどうすればいいのかも分からないですし、さらにプロレベルでのドラフトも初めてのことだったので、関東で知り合ったプレイヤーなどに練習も誘っていただいたりして。それでなんとかここまでたどり着けました」

――新婚旅行を兼ねているとお聞きしました。

 マエノソノ「そうなんですよ(笑)。実は5月末に結婚式を挙げて、ちょうど新婚旅行に行こうかという話をしていてたらMCQで優勝して。『スペイン行く?』と聞いたら『バルセロナ行こうぜ!』となりまして(笑)」

――理想的なご夫婦ですね! 対戦できて嬉しかった/印象に残ったプレイヤーはいましたか?

 マエノソノ「印象に残った相手で言えば、ミシックチャンピオンシップ初勝利の相手ですね。その相手も初出場のプレイヤーで、ドラフトで0-1のラインで当たったんですけど、そこで僕が勝って初勝利を喜んでいたら、『実は僕も初参加で、次は僕も勝てるように頑張るよ』というやり取りをできたのが良かったですね」

――今後もミシックチャンピオンシップを目指してマジックをプレイされていくのでしょうか?

 マエノソノ「もちろんそういったモチベーションでやりたいなとは思うんですけど、会社との兼ね合いだったり、自分の実力の問題だったり、そういうことはチェイン(ミシックチャンピオンシップで翌大会の権利を得ること)ができてからかなとも思うんですが……。なかなか鹿児島からだと遠くのMCQやグランプリに参加しづらいこともあって、地方だとモチベーションを保ちづらいところもあるので、そこはお願いします、といったところですね(笑)」

――伝えておきます(笑)。では今回の経験はコミュニティにとって貴重ですね。

 マエノソノ「とりあえずお土産持っていって、ミシックチャンピオンシップ良かったよと話をして、『またみんなで目指していこうね』とチームでやっていけたらいいなと思いますね!」

――ありがとうございました!

岡田 共史選手(広島)
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  • 参加権利獲得事由:グランプリ・京都2019 上位入賞
  • マジック歴:約5年

――初めてのミシックチャンピオンシップの印象はどうですか?

 岡田「ここに来るのを目標にマジックを始めたので、すごくワクワクして来ました。今までグランプリでもフィーチャーマッチとか全然縁がなかったので……とても緊張しました」

――対戦できて嬉しかった/印象に残ったプレイヤーはいましたか?

 岡田「プロツアー王者のワイアット・ダービー/Wyatt Darby選手に当たったんですが、にこやかな感じで話しかけてくれてすごく良かったです」

――このミシックチャンピオンシップで印象的だったことはありますか?

 岡田「対戦相手が常に強豪なので、そこがすごいなと。強い人とできて毎ラウンドが楽しいです」

山口 智之選手(東京)
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  • 参加権利獲得事由:MCQ優勝
  • マジック歴:約7年

――初めてのミシックチャンピオンシップの印象はどうですか?

 山口「そうですね、やっぱり最初のドラフトで2勝できて『これは行けるかな』と思ったんですが、構築になると全然勝てなくて(苦笑)。レベルの高さを感じますね。ひとりひとりのレベルが高くて、相手のミスによる勝ちは拾えないですね」

――特に印象に残ったことはありますか?

 山口「まあ……スペインは遠いですね(苦笑)。とは言ってもどのミシックチャンピオンシップでもそうですよね。あとは、ミシックチャンピオンシップは周りに有名な方がたくさんいて、自分もこの参加者の一員になれたのかなと感慨深いです」

――対戦できて嬉しかった/印象に残ったプレイヤーはいましたか?

 山口「もっと勝って殿堂プレイヤーといった方と当たれればよかったんですけど……。ドラフト3回戦目にプレイミスがあったなと悔やまれますね。あれが無ければ3勝できたかもしれないと思うと……ひとつひとつのプレイを重く感じます」

――ありがとうございました!

相澤 保選手(茨城)
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  • 参加権利獲得事由:グランプリ・京都2019 上位入賞
  • マジック歴:1996年~2003年、『カラデシュ』(2016年9月30日)~

――初めてのミシックチャンピオンシップの印象はどうですか?

 相澤「まあ……遠いので来るだけで疲れてしまいましたね(苦笑)。茨城の水戸近くに住んでいるのですが、なかなか『モダンホライゾン』ドラフトなんかも練習するのが難しくて……。そんな中でドラフトで3勝できて、次のモダンラウンドをひとつ勝ったところで、自分の中でとっちらかってしまいました(笑)。その後3連敗して、最後にひとつ勝ってようやくひとつ戻せたな……という感じです」

――特に印象的だったことはありますか?

 相澤「相手が負けていても、フレンドリーでオープンだなと感じましたね。自分は今回、モダンが不勉強だったのですが、ロシアの方が《最高工匠卿、ウルザ》コンボを使っていたんです。そのゲームは負けたんですが、『負けたのはわかったから、勝ち手段を教えてくれよ』って言うと、フレンドリーに教えてくれたんですよ! サイドボードプランまで」

田澤 雅之選手(東京)
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  • 参加権利獲得事由:グランプリ・京都2019 上位入賞
  • マジック歴:『メルカディアン・マスクス』(1999年10月4日発売)から始め、『ギルド門侵犯』(2013年2月1日)から本格的に

――初めてのミシックチャンピオンシップの印象はどうですか?

 田澤「僕は海外の方から日本プレイヤーがどう見られているか、というのを肌で感じたかったんですよね。本当に驚いたんですけど、皆さんフレンドリーなんですよ。少なくとも僕は英語が喋れなくてコミュニケーションに不安があるんです。実際、コミュニケーションエラー寸前になったこともあって怖かったんですけど、皆さんいい人で、同じマジックプレイヤーとして仲良く接してくれましたし……それが分かって嬉しかったですね。マジックは言語ですね」

――対戦できて嬉しかった/印象に残ったプレイヤーはいましたか?

 田澤「リー・シー・ティエン/Lee Shi Tian選手とドラフトできたのがすごく嬉しかったですね。彼は憧れのプレイヤーの1人で、彼が作ったデッキに感動したことがあるんです。そのプレイヤーと同卓できたのはドキドキしました。あとは、同じ卓にペトル・ソフーレク/Petr Sochůrek選手がいて、日本語で会話していたんですけど、よく考えると日本語をあれだけ喋れるようになるのはすごい努力をしたんだろうなと思って。とても尊敬しています。でも、当たった人はみんな印象に残っていますね。いい人ばかりでした」

――イベントを通じて印象に残ったことはありますか?

 田澤「今回、乗り継ぎの関係でトラブルがあって…その中で友人の横田 一弥さんがTwitterで呼びかけてくれて。それを見た細川 侑也さんがスタッフに伝えておくよと申し出てくれて……。その他にも本当に色んな人が助けてくれてここに来られて……マジックはそういうゲームなんだなと感じました。僕は僕が思っていたよりも人に助けられていて、僕ももしかしたら色んな人を助けられるかもしれないなと強く思いました」

――ありがとうございました!


 憧れの舞台に立った彼らは「対戦相手が強くて楽しい」「みんながフレンドリー」と、このトーナメントを思い思いに楽しんだようだ。

 もちろん、皆が一様に「ヨーロッパは遠い……」と避けることのできない物理的な壁にぶつかってもいたが、その苦労も吹き飛ぶほどに、このミシックチャンピオンシップを楽しんでいるように見えた。

 ミシックチャンピオンシップに辿り着くには、参加権利獲得までの道のりも含め、多くの困難が待っている。だが、一度参加すればきっと「また挑戦したい」と思う魅力のある素晴らしい舞台だ。ミシックチャンピオンシップ参加者として名を連ねた彼らが、この経験をコミュニティに持ち帰り還元することで、きっと新たにこの大会を目指すプレイヤーが出てくることだろう。

 今、ミシックチャンピオンシップを目指している方々、これから目指す方々が次回のミシックチャンピオンシップでルーキーとなることを、心から願う。

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