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『統率者(2016年版)』のメカニズム

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『統率者(2016年版)』のメカニズム

Matt Tabak

2016年10月24日


 『マジック:ザ・ギャザリング――統率者』シリーズ、その最新版である『統率者(2016年版)』は、統率者戦を始めたいプレイヤーの皆さんに最適な製品です。どの製品も100枚の構築済みデッキであり、そのままゲームを楽しめるのです。もちろん統率者戦をすでにお楽しみいただいている方にとっても、既存のデッキを強化する新たなカードや新しいデッキを生み出したくなるような革新的な1枚を手にすることができるでしょう。今年の目玉は、「4色の統率者」です。それでは早速、新たなメカニズムと再録メカニズムを見ていきましょう。

共闘

 4色の統率者はとても魅力的ですが、もう少し自由に4色デッキを組みたいとお思いの方もいるでしょう。2色の伝説のクリーチャー2体が手を組んで戦ったらなあ、と思ったことはありませんか? そこで「共闘」の登場です。

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 「共闘」を持つカードは、特殊なスタイルの統率者戦用デッキを生み出します。2体の統率者が力を合わせることで、魅力的な形になるのです。「2体の統率者」とはどういうことでしょう? スゴイことがたくさん起こりますよ! おっと、そういえばまだ「共闘」するクリーチャーを1体しかご紹介していませんでしたね。もう1体お披露目しましょう。ご覧ください。ゴーマ・ファーダの雄牛たちを駆り立てる「鞭」、ブルース・タールの登場です!

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 2体のクリーチャーの両方が「共闘」能力を持っている場合に限り、あなたはその2体を統率者として指定できます。そう、ブルースおじさんは誰とでも仕事をするわけではないということですね。「共闘」する2体の統率者はゲームの開始時に統率領域に置かれるため、ライブラリーの残りは98枚になります。デッキに使用するカードは、2体の統率者の固有色を合わせた中から選べます。《求道の達人、サイラス・レン》の固有色は青と黒、《粗野な牧人、ブルース・タール》の固有色は赤と白です。そのため緑のカードや文章欄に緑マナ・シンボルがあるカードは使用できませんが、他の4色はすべて使用できます。

 統率者に関するその他のルールは、「共闘」する2体の統率者それぞれに個別に適用されます。どちらの統率者も、戦場から離れる場合は統率領域に置くことを選べます。統率者を統率領域から唱えるたびに2マナずつ重くなっていく「統率者税」も、個別に課されます。例えば、《求道の達人、サイラス・レン》が1度除去されているとしましょう。その後《求道の達人、サイラス・レン》を再び唱える場合、そのコストは{3}{U}{B}となります。それから続けて《粗野な牧人、ブルース・タール》を唱える場合、《求道の達人、サイラス・レン》の「統率者コスト」は《粗野な牧人、ブルース・タール》には適用されないため、そのコストは{2}{R}{W}となります。そしてまた《求道の達人、サイラス・レン》を唱え直す場合は{5}{U}{B}のコストがかかる、というようになるのです。

 「共闘」する2体の統率者が与える戦闘ダメージについても同様に、個別に記録されます。どちらかの統率者が、プレイヤーひとりに21点以上の戦闘ダメージを与えた場合、そのプレイヤーは敗北します。しかしそのためには、例えば《求道の達人、サイラス・レン》ならその1体のみで21点以上与えなくてはなりません。《粗野な牧人、ブルース・タール》の場合も同様です。

 統率者を参照するカードについては、「共闘」する2体のうち1体を参照します。つまり、例えば《統率の灯台》(『統率者(2016年版)』には収録されませんが、よく見受けられるカードです)は、「共闘」する2体の統率者のうちどちらか片方を手札に加えるわけです。両方に効果を発揮するわけではありません。あなたが統率者をコントロールしているかどうかを参照するカードについては、「共闘」する2体のうちどちらか1体をコントロールしていれば条件が満たされます。また《統率の塔》や《統率者の宝球》といったカードは(これらは『統率者(2016年版)』にも収録されていますよ!)、「共闘」する2体の統率者の固有色すべてを参照します。

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不抜

 統率者戦では、一度に多くのプレイヤーが乱戦を繰り広げます。その中でこちらが数的不利に陥る危険もありますが、恐れることはありません。新メカニズム「不抜」を持つ呪文は、対戦相手の数が多いほど強力になるのです。

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 「不抜」は極めてシンプルな能力です。「不抜」を持つ呪文を唱える際に対戦相手の人数を数え、その分のコストを軽減できます。強烈ですね。たとえふたりでゲームを行っていても、1マナは軽減できます。ただし、すでにゲームから退場している対戦相手は人数に数えない、ということはご注意ください。また、「不抜」で色マナを軽減することはできません。なので対戦相手が6人以上いても《崇高な吐露》を唱えるために{W}は必要であり、相手への配慮も欠かせないのです。

基本土地サイクリング

 『統率者(2016年版)』の5つのデッキには、再録メカニズムも多く含まれています。ここでは、すべての製品に収録される特筆すべきメカニズムをぜひご紹介したいと思います。

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 4色の統率者戦用デッキを扱う上で鍵となるのは、各色のマナの確保です。「基本土地サイクリング」は「サイクリング」の亜種と言うべき能力です。「基本土地サイクリング」を持つカードが手札にある場合、あなたは「基本土地サイクリング」のコストを支払い、そのカードを捨てることができます。すると、あなたはあなたのライブラリーから基本土地・カード1枚を探し、それを公開してあなたの手札に加えることができるのです。《墓所の隆起》はゲーム後半に墓地のクリーチャーを取り戻すことができる素晴らしいカードですが、土地が2枚で止まってしまっては「ゲーム後半」も何もあったものじゃないですからね。

あなたの統率のままに

 皆さんが『統率者(2016年版)』で登場する4色のデッキを大いに楽しんでいただけたら幸いです。お近くのゲーム店へ足を運んで新たな対戦相手を探す方にとっても、いつものグループで対戦する方にとっても、今回の新セットにはきっと皆さんの戦場で輝く宝石がたくさんあるはずです。どうぞお楽しみください!

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