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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:赤黒エルドラージ(スタンダード)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:赤黒エルドラージ(スタンダード)

by 岩SHOW

 以前に「黒単エルドラージ」なるデッキを紹介した。自分でも使って楽しかったが、もうちょいヤンチャをしたくなったのでエルドラージつながりで《変位エルドラージ》をぶっこんでみた。《廃集落》が使えるのでそれほどマナも苦にならないだろうと。オマケで《陰謀の悪魔》を採用し、これを《変位エルドラージ》で毎ターン出入りさせて対戦相手のクリーチャーをギッタギタにしてやろうなんていうドリームコンボを仕込んだり。結論としては元のデッキが強いのでこんなん関係なく結構強かったよという話でオシマイ。

 ただプロの手にかかれば、ちょっとのアレンジでも完成度が段違いのものになる。そんなことをひしひしと感じたデッキがある。自分が冷蔵庫の残り物で焼き飯作ってたら、隣のプロはお金が取れる創作料理を出していましたよと。

 何の話かわからなくなりそうなのでさっさと本題へ。グランプリ・バルセロナ2017に参加した日本のプレイヤーではシルバーレベル・プロの井上徹が最上位だった。そんな彼が使用していたデッキは「赤黒エルドラージ」。このデッキは同じくシルバーレベル・プロの高尾翔太が作成したもの。井上が12勝、高尾が11勝と安定した勝率で、これはかなり良いデッキではないかなと。禁止改定もグランプリ・静岡2017春の結果も知らない状態で原稿を書いているのでなんとも言えないが......エルドラージを用いたアグロデッキは変わらずにポジションをキープするんじゃないだろうか。機体デッキとエルドラージのハイブリッドとも呼べる「赤黒エルドラージ」の全貌がコチラ!

井上 徹 - 「赤黒エルドラージ」
グランプリ・バルセロナ2017 20位 / スタンダード (2017年3月11~12日)[MO] [ARENA]
5 《
4 《
4 《凶兆の廃墟
4 《霊気拠点
4 《産業の塔
4 《オラン=リーフの廃墟

-土地(25)-

4 《屑鉄場のたかり屋
3 《作り変えるもの
3 《ピア・ナラー
4 《難題の予見者
4 《現実を砕くもの
4 《歩行バリスタ

-クリーチャー(22)-
4 《致命的な一押し
4 《無許可の分解
4 《キランの真意号
1 《耕作者の荷馬車

-呪文(13)-
2 《戦争に向かう者、オリヴィア
3 《ショック
2 《焼夷流
2 《精神背信
3 《グレムリン解放
2 《反逆の先導者、チャンドラ
1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス

-サイドボード(15)-

 か、カッコイイ!この上なくカッコイイぞ赤黒!オシャレ感はないが、無骨な武士(もののふ)といった佇まいをリストから感じる。こういうありそうでなかったデッキを僕らは求めていたんだなぁ......シブいぜ。

 デッキの動きはさして特別なものではない。マナカーブに沿ってクリーチャーや《キランの真意号》を展開していき、対戦相手にダメージを与えていく。乗り越えられないクリーチャーは除去で撃ち落とす。以上!アグロデッキのお手本中のお手本のようなシンプルさだ。

 やっていることは「マルドゥ機体」「マルドゥ・バリスタ」と変わらないが、白を排除して代わりに無色のエルドラージで攻めていくという構成になっている。

 2ターン目《キランの真意号》を見た対戦相手は「はいはい機体かバリスタどっちかね」と思うことだろう。そこに3ターン目《作り変えるもの》で「???」となり、4ターン目《難題の予見者》で「!!?」、5ターン目《現実を砕くもの》で「投了します!」となること間違いなし。こんな予想の裏を突く殺人構成、相手する方はたまらないよね。2ターン目までの土地で「これはもしや赤黒エルドラージ?」と読むのも困難だ。

 プロツアーにて登場した「赤黒アグロ」の設計思想も垣間見えるね。「マルドゥ機体」の敗因の多くを占める色事故を防ぐために2色にまとめつつアグレッシブさはそのままに、という「赤黒アグロ」。そこからさらに後半引いても強い骨太の連中をメインから用いた中速にシフトする、という二段階目の進化を成し遂げた「赤黒エルドラージ」なのだ。

 デッキとしては「マルドゥ機体」と「コピーキャット」には有利。これはこの環境を戦い抜く上で、この上ないアドバンテージだ。トップメタであるこの2つには有利が付くが、そこから一歩下がったところにいる「黒緑巻きつき蛇」「ティムール・マーベル」には不利とのこと。確かにクリーチャーのサイズではバキバキの黒緑と、《霊気池の驚異》コンボを指をくわえてみていることしかできないマーベル系にはちょっと辛そう。マーベル相手には《難題の予見者》が突き刺さればなんとかなりそうではある。4ターン目の予見者、5ターン目の砕くものを安定させるための土地25枚は理にかなっている。このデッキは削った土地を引き込むためのドローとなるカードも入っていないしね。

 マジックをここ10数年触っていない友人に《現実を砕くもの》の画像を送ってみたら「うそやろ? 5マナでこれとかありえへんやん!」と良いリアクションを見せてくれた。そう、あり得ない。これまで抱いてきた現実が砕かれている。このカードパワー、発売から1年経った今でも衰えるところを知らず、このデッキがメタゲームを突き崩す彗星となれるか!?......は、もうこれが掲載されるころには判明してるんだったなぁ。

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