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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:黒緑アグロ(スタンダード)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:黒緑アグロ(スタンダード)

by 岩SHOW

 プロツアー前に行われるグランプリがリミテッドに統一されるようになってから、StarCityGames.com Standard Openがスタンダード新環境の試金石となっている。当コラム執筆時点ではまだ『霊気紛争』発売週末の大会の結果しか出ていないのでなんとも言い切れないが、プロツアーの最大勢力になりそうなデッキ......というかカードの組み合わせがあるね。《巻きつき蛇》と《ピーマの改革派、リシュカー》のコンビネーションだ。

 +1/+1カウンターをばら撒く伝説の緑のクリーチャーと、クリーチャーに乗るカウンターの個数を1つ増やす黒緑の蛇。この組み合わせは『霊気紛争』発売前から強い強いと言われ続け......実際にふたを開けてみると強かった、何の文句も疑いもなく。百聞は一見に如かず。

Stephen Dykman - 「黒緑アグロ」
StarCityGames.com Standard Open Columbus 準優勝 / スタンダード (2017年1月21~22日)[MO] [ARENA]
7 《
5 《
4 《花盛りの湿地
4 《風切る泥沼
4 《霊気拠点

-土地(24)-

4 《光袖会の収集者
4 《導路の召使い
4 《巻きつき蛇
3 《ピーマの改革派、リシュカー
3 《不屈の追跡者
2 《ゲトの裏切り者、カリタス
2 《新緑の機械巨人
3 《歩行バリスタ

-クリーチャー(25)-
3 《致命的な一押し
3 《闇の掌握
3 《霊気圏の収集艇
2 《ゼンディカーの代弁者、ニッサ

-呪文(11)-
1 《不屈の追跡者
3 《自然のままに
1 《致命的な一押し
4 《精神背信
1 《闇の掌握
2 《失われた遺産
1 《殺害
2 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス

-サイドボード(15)-
StarCityGames.com より引用)

 環境初期でパッと見て「完成度高ぇ...」と唸らされる綺麗なリストだ。蛇&リシュカーを軸に、現スタンダード環境を代表する《不屈の追跡者》《ゲトの裏切り者、カリタス》ら優秀なクリーチャーがズラリ。これらのクリーチャーも自身に+1/+1カウンターを乗せることができ、これらの能力も《巻きつき蛇》でもちろん強化される。それだけでも凄まじいのに、《新緑の機械巨人》なんて出てきた日には......

......こちらの動きが悪い時にこの動きをされたら、さっさと片づけて次のゲームに気持ちを切り替えるレベルだ。この3枚の流れるような殺人ムーブは、今後のスタンダードでの定番となることだろう。このブン回りに勝てるデッキはなかなかない、というかそうそうあってたまるかという話。

 このデッキのシブいところは、《光袖会の収集者》を採用している点だ。

 《巻きつき蛇》がいる状態だと、戦場に出ただけでエネルギーを2個得て次のアップキープに1枚ドロー・攻撃してもエネルギーを2個得られるのでそれを使ってドロー......と、手札が尽きることがない。ここに除去を使ってくれれば、単体で盤面を制圧できるほかの大型クリーチャーがイキイキと対戦相手を撲殺してくれることだろう。

 このゴルガリ(黒緑)のアグロデッキ、海外では「緑白鱗」を思い起こさせるとして「Snake Scales(蛇の鱗)」などと呼ばれていたりする。《硬化した鱗》がクリーチャーになったと考えれば、《巻きつき蛇》のヤバさが伝わるだろうか。

 このデッキはコロンバスにて開催されたStandard Openで準優勝。......ということは優勝したデッキは別にある。その優勝デッキにも、蛇&リシュカーfeat.《新緑の機械巨人》がバッチリ採用されている。ただこのデッキには、先ほどのアグロとは明確に別のデッキと言える特徴がある。

Brennan DeCandio - 「黒緑アグロ」
StarCityGames.com Standard Open Columbus 優勝 / スタンダード (2017年1月21~22日)[MO] [ARENA]
7 《
6 《
4 《花盛りの湿地
4 《風切る泥沼
2 《進化する未開地

-土地(23)-

4 《残忍な剥ぎ取り
4 《巻きつき蛇
3 《ピーマの改革派、リシュカー
2 《不屈の追跡者
4 《精神壊しの悪魔
4 《新緑の機械巨人
4 《歩行バリスタ

-クリーチャー(25)-
3 《ウルヴェンワルド横断
2 《致命的な一押し
4 《闇の掌握
2 《破滅の道
1 《餌食

-呪文(12)-
1 《ゲトの裏切り者、カリタス
1 《墓後家蜘蛛、イシュカナ
1 《害悪の機械巨人
2 《自然のままに
3 《失われた遺産
2 《餌食
3 《ヤヘンニの巧技
1 《生命の力、ニッサ
1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス

-サイドボード(15)-
StarCityGames.com より引用)

 このデッキには《残忍な剥ぎ取り》の姿が。そう、昂揚デッキだ。

 《約束された終末、エムラクール》という絶対的なフィニッシャーを失い、弱体化するかと思われた昂揚デッキだが......なんてことはない、蛇&リシュカーエンジンを積んで、よりアグレッシブなデッキへと生まれ変わったのだ。

 このデッキのセールスポイントは《精神壊しの悪魔》になるか。

 特に同系戦で力を発揮するだろう。地上は同じサイズのクリーチャーで睨み合うことになる。となれば、空から攻めるしかない。4マナ4/5飛行トランプルというスペックは文句のないもので、これに《新緑の機械巨人》でたっぷりカウンターを乗せてパンチ......という脳髄がしびれそうなムーブは3日に1回は決めてみたいものである。

 先述のアグロデッキにも同様の空から攻めるアプローチで《霊気圏の収集艇》が採用されている。どちらが優れているかは一長一短なので現時点では......何とも言えないが、プロツアーが終われば、環境にマッチしている方がどちらかはわかるかも? 個人的にはカッコイイからデーモン派かな。絆魂も捨てがたいが。

 《歩行バリスタ》にも触れなければならない。こちらも蛇&リシュカーと相性は抜群、大量のカウンターを乗せて殴るもよし、カウンターを投げつけるもよしだ。

 盤面を制圧するにはもってこいのクリーチャーであり、こちらの昂揚デッキではアーティファクト・クリーチャーというタイプを活かして昂揚達成に貢献する。《残忍な剥ぎ取り》の能力によりこれがめくれた時は、墓地に置くのかそのまま上に置くのか、むちゃくちゃ悩む場面があるだろう。

 このデッキはサイドボード後のゲームでは中速のコントロールデッキにシフトすることができる。昂揚デッキらしい、《ウルヴェンワルド横断》からの《墓後家蜘蛛、イシュカナ》という動きだって可能だ。当然の話だが、アグロ型よりも除去の枚数が多くバリエーションにも富んでいるからこそこのような変形サイドボーディングが取れる。まあ、ここを露骨に狙いすぎるとそれはそれでデッキがガタガタになるので、変形と言っても大幅に仕組みが変わるわけではないけどね。

 《致命的な一押し》という最高レベルの軽量除去に、相変わらず万能な《闇の掌握》、さらにプレインズウォーカーに触れる《餌食》に《破滅の道》と隙の無いラインナップ。《餌食》は《サヒーリ・ライ》+《守護フェリダー》コンボに対する完璧な回答なので、今後目にする機会が増えることだろう。

 プロツアー『霊気紛争』でも、形はどうあれ《巻きつき蛇》《ピーマの改革派、リシュカー》そして《新緑の機械巨人》を採用したデッキが多く持ち込まれ、TOP8に......2人! 2人は残ると予想しよう! 外していても笑わないでやってほしい。現時点では、それだけ魅力的なデッキなのだ。

 変な技を駆使して勝つのではなく、正攻法で強いデッキ。それが現環境のスタンダードのゴルガリだ。さあ、これが掲載される頃にはもうプロツアー開幕直前だ。絶対に見逃さないでくれよッ!ダブリンから熱気を届けるッッ。


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